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【小説感想】潮風メニュー 喜多嶋隆

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潮風メニュー感想

ウクライナカラーになったジャケット

たまたまかもしれない。
けれど、ウクライナの侵攻にココロを痛めていた
喜多嶋隆さんは、今回の潮風メニューのジャケットを
黄色にすることで、ウクライナカラーを作り
平和を訴えたかったのだと思う。
たまたま前作のジャケットが喜多嶋ブルー
そして、過去黄色いジャケットは無かった中での
ジャケットカラー
なんか、ここからすでに物語が始まっている
そんな感じがします。

角川文庫50冊目おめでとうございます。

喜多嶋隆さんの角川での発刊が
今回の「潮風メニュー」で50冊目
すごいことですね。
喜多嶋さん、角川文庫さん
おめでとうございます。

小説家の先生

小説家の方を表現するとき、
〇〇先生というのが正式な呼称なのだろうか?
私はあえて、一人の人として、
小説家、喜多嶋隆を、喜多嶋隆さんと
呼称することにする。

彼が、どこまでこの世の中を見、
何をどこまで伝えようとしているのか
その奥に潜むなんたるかは
わからない、ただ喜多嶋隆さんの小説を読むごとに
単なる2次元の物語は、3次元化し、4次元領域まで
入り込んでいるのではないかと感じる。

潮風メニュー

飽食な現代時代と呼ばれ、
そしてこの日本に
給食が食べれない子が存在するなんて、
考えられない方もいるだろう。
けれど、貧しさは確かに存在し、
全国に、救いの手を求めている人も
多く存在する事実の中で、
また多くのお食品ロスも存在する。

サステナビリティーの
一時的ゴールがSDGs2030年だとして。
2030年に設定された今でも、
多くの物は捨てられ、
もったいない精神は、
日本人から消えてしまているように思える。
そんな日本へ

18歳の海果(小説内で19歳になりますけど)
と13歳の愛。
二人を取り巻く様々なストーリーが、
読者の心へ刺さっていくに違いないでしょう。
それはタイトル通り、
レストランのメニューだったり
野球だたり、
学校生活だったり、魚釣りだったり
写真だったり、映画だったり、
家庭内問題だったり
ちょっとだけラブストーリーだったり
読者の心のありようで変化する。
そんな小説に仕上がっていると思います。
つまり、読者の受け取り方で
この小説はラブストーリにもなり
社会問題解決のためのビジネス書になり
また、家庭を省みない者たちへの
戒めの小説となっています。

喜多嶋隆さんの小説は

明るく生き抜く力を与えてくれる。
それが喜多嶋隆さんの小説です。

それは、そこに描かれている登場人物が
皆それぞれ一本芯の通った生き方を
しているから。
もちろん、胃が痛くなるくらい悩み
死にたくなるくらい追い込まれ
涙も枯れはてていても、
自力で、仲間たちの助けで
それは1本芯の通った生き方に変わっていく。

たかが、小説の一物語なのかもしれないが、
これはごくごく身近に存在する、
さまざまな問題解決ストーリーでもある。

読者がどこまで深読みできるかわからない。
私があらぬヒントを与えてもいけないが、
ふたつだけ記載するとすれば、
どんなにピンチでも、仲間は必ず助けてくれる。
逆に助けるのが仲間ともいえる。
逆に言えば、人づくり、
仲間づくりが大事であるという事。
もう一つは、仲間づくりのためには、
まっすぐで、正直で、芯を持っているという事。
小説の中では神様は見ている
的な話が出てきますけど。

総じていえば私のコンセプトでもある。
「与えるものは与えられる」
「5give 1take」
その精神が流れている小説だろう。

ストーリーを伝えることは簡単であるが
あえて、ストーリーは伝えない。
それは読者に感じてほしいからです。

子供食堂

私の通勤路に、子供食堂という看板を掲げた
公民館があります。
昔は貧しくてもなんとかなっていたように
思うのですが?(今より助け合いがあったように)
昔以上に食べれない子供たちが増えているのかと
思います。
行政のホームページに
子育て支援として、
子ども食堂が掲載されていますしね。

貧しいながら頑張る海果と愛
二人の生活を見ていると、なんだか
自分も頑張らなきゃと思います。

生きていくうえで一番大切なものって
なんだろうと考える事があります。
高級な車や服
私も昔はそんなことを考えていました。
今は15万円の中古車で満足しているし
幸せだと感じています。
すべて人の価値感なんでしょうけど、
決してお金があるから幸せだとはかぎらない。
そんな風に思ったりもしますね。
全てではないですけど。

色眼鏡と添加剤

ナチュラルな心ではいられない世の中を、
平然と無添加で生きる海果

最後にあなたが、読者が流す涙は、
この本を実際に読んだ人だけのものです。

感動なのか?それとは違う涙なのか?
ただ一言付け加えるなら、
海果や愛のように、
一生懸命に まっすぐに生きる事
それが、この世に生をうけた私たちの
ミッションなのかもしれませんね。

喜多嶋隆さん、今回も良い作品を
私たちのために世に出してくれて
ありがとうございます。
角川文庫さん、ありがとうございます。

本日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
皆様に感謝いたします。

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