少年ファンをめぐって
東京は世界の都市の中で稀有な存在である。何が稀有かと言って、無茶苦茶マニアックな大人の鉄道模型の場を、普通の家族が見に来るような機会が多い。この1点に限って見ても、日本における鉄道模型の特殊性が理解できるであろう。
自分が子供の頃は、決してそういう所に行きたくなかったが。
鉄道模型の中でもマニアックと言えるナローゲージの展示を行うグループには、KMC、KBMC、NGJ、クリッターズクラブ等があるが、そのKMCの展示に、編成の間違いを指摘する少年が来たのだという。
普通の、国鉄等の編成の間違いは割と理解しやすいが、ナローの間違いは分かりにくい。何でもありだからだ。
KMCという事なので、大方、ボールドウィンの時代にはカブースが付いていないという、西さんの本に書いてあった話あたりではなかろうかと思う。
その後この少年は、自作パイク「しいたけ軌道」等を持ち込むようになる。ファンタジー方向のナローはモロさん等がいるとはいえ、なかなか興味深いものであった。
不明だが他に、ナベトロのナベの曲げ方を語る少年もいたという。
また、その後、同じイベントによく分からない少年が現れ、ジジイ達に気に入られてアイスクリームを食わされていたという。
おそらく「ハジメちゃんは天才なのだ」とか「これでいいのだ」とか口々に言われていたのだろうと思われる。
この少年はその後、北海道で本物の機関士になったというが、よく分からない。
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