ヨドバ氏は帰還できるのか?

 ヨドバ氏は藤子・F・不二雄のSF短編の登場人物。一連の作品は「夢カメラシリーズ」と呼ばれる事もある。
 未来の世界(時代は不明)からの時間旅行者であり、自由行動のパックツアー(現代でも飛行機とホテルだけのツアーは存在する)で現代(昭和後期)に来たものの、「チャンネルがふさがって」帰れなくなっている。

 所持品は使えない未来のお金と、各種の高額なカメラ。ただのカメラじゃなくドラえもんの秘密道具に当たる。
 多分チャンネルのふさがった通信機も持っている。
 ヨドバ氏に備わっている能力としては出たはずの部屋に入っている等、空間をねじ曲げる「メビウスイフェクト」と物理的攻撃を避ける「パーソナルバリヤー」。

 しかし、ヨドバ氏が未来に戻る話は描かれる事はなかった。
 この世界が我々の知っている昭和後期であればヨドバ氏の帰還も難しい所だが、少し現実と違っている所がある。
 多くは作中で語られてはいないが、おそらくの「この世界」及びそこに繋がっていると思われる世界の設定を挙げていきたい。

・ヨドバ氏以外にこの時代に来ている時間旅行者も多く存在する。
(「懐古の客」他)

・タイムマシンは原理は未発見だが、この時代にある材料で製作可能である。
(「タイムマシンを作ろう」)

・タイムマシンを発明する事が可能と思われる人物も存在する。
(魔土災炎他)

・限定的な機能(出発した所から前後1ヶ月)のタイムマシンは偶然製作されて存在するが、信用されていない。
(「オヤジ・ロック」)

・ちゃんとしたタイムマシンの所持者も存在する。
(ドラえもん、木手英一他……これはあっけないので使わない方が良さそうだ)

・連絡手段は無いが、この世界のあちこちの時代にタイムパトロール隊員が存在する。
(「T・Pぼん」他)

 時間旅行者はそれぞれ勝手に行動しているので、会う事は困難に見える。
 但し、彼らは多くは「観光客」である。という事は、「その時代で起こる歴史に残るイベント」に集まると思われる。例えば「イエス・キリストが処刑される時のゴルゴダの丘」のような。

 カメラではない別の道具を持っている時間旅行者も存在するかも知れない。繋がっていると思われるドラえもん世界には、人の心を映す「ドリームマッチ」を落として行った時間旅行者が存在する。

 他に、未来の犯罪者がこの時代に逃れて来ている事も考えられる。

 タイムパトロール隊は重大な歴史改変が行われようとした場合に出動するが、ヨドバ氏がカメラを売る相手が後の歴史を改変する程の影響力を持っていない為に、出てこないと思われる。
 ただ、ヨドバ氏がカメラを売って大儲けをするなどした場合には察知されるのではないだろうか。

 この世界の物理法則の1つとして、時間の流れを本人の意思と関係なく移動させられてしまう人もいる。
 そう、「時空乱流」の影響だ。正体不明の者が現れ、遠い過去に起こった事を詳しく知っていた。それは時間を飛ばされたのが原因だ。こういう話がこの世界では「事実」なのである。
 そして、「浦島太郎」も実在の人物である。

 例えば「ドラえもん」で、のび太は誘拐された場所から「空飛ぶ切手」と「6面カメラ」を使って連絡を取る。
 ヨドバ氏も自分のいた時代に連絡を取る(自分のいた時代に確実に掘り出される場所にビンに入れた手紙を埋める等)か、限定的能力のタイムマシンで自分の到着した時間に戻る事ができれば、未来に帰還できるのではないだろうか。

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