トラバントについて少し
そのクルマを自分が知ったのは、1990年代だった。
東ドイツの「国民車」が、共産圏ならではの競争原理の無い世界で改良されず、「生きた化石」的に残ってしまったものだった。「東ドイツ」ってのが、もう感覚的に知らない人、多いかもな。
見た目的にはトヨタの初代パブリカやVWタイプ3を思わせる3ボックスセダンで、フレームの上にプラスチック製ボディという構成だったが、番組内で紹介していた所ジョージ(サン)が、「プラスチックじゃなくて、ボール紙を樹脂で固めている」と発言していたのが印象に残っている。
今さらそれが日本で「実用車」となる時代でもなかったし、レーシングカーというカタチもしていなかった。海外ではトラバントのツーリングカーレースもあるらしいが。
しかし、所サン的な「遊びぐるま」「ネタ車」としてはピッタリで、スバル360等の「仲間」に加わるかと思いきや、いくらパブル期とはいえ、日本ではナンバーが取得できないという事で、「街で見かける」なんて事はなかった。
日本が半分共産圏になっていたという「設定」を持ち出さない限り、あんまり「日本の風景」に似合うクルマではないかもなあ。
あえて言うなら、今、「トゥクトゥク」がそんな使われ方をしているように、ドアなんか外しちゃって、だだっ広いリゾート地をゴルフカートのように移動する手段として使われていたかもなあと思うのである。塗装も好き勝手に塗り直されちゃったりして。
その場合、電気自動車になっているかもしれないが。
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