ヒロシの芸風は変化したのか
自分にとって芸人のヒロシは、どちらかと言えば「ヒロシです」より、うちの母が好きで観ていた「旅の香り 時の遊び」での印象が強い。
番組としては俳優さん女優さんの引き立て役としての起用だったように思える。
後で祇園で遊ぶ前振りなんだろうが、観光地と呼ぶにはちょっとマイナーな壹錢洋食で「どこに迷いこんでしまったのだろう」などとボケていた。その後の祇園での場面ではまるっきり精彩を欠いていたけど。
この辺から、まともな観光地に行かせてもらえる氷川きよしとの対比で、番組内でのキャラか確立していったのではないだろうか。
復活後にオードリーにオールナイトニッポンで「ヒロシコーポレーション」を散々いじられていた。「ヒロシのご用命はヒロシコーポレーション」という手ぬぐいを「ネタを書いた方がファンは喜ぶんじゃないですか」とか、釣りをしている所の写真を「身投げですか」とか。
徹底的にボケの側に回るのがヒロシらしかった。
ヒロシのネタを離れた笑いが一番楽しめたのが、「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」であった。キューバのハーシー鉄道のぶっ壊れそうな電車やフィリピンのデコトラ的バス、ジープニーはヒロシのキャラクターに合っていたと思う。
グルメと関係ない金物屋に入ってキャンプグッズを探し、馬鹿馬鹿しいおもちゃを買い、飽きると子供に押し付ける。
リサイクルショップで歌う店主に、売り物の木魚でリズムをとった事もあった。
確かに後任のスギちゃんもそつなくこなしている。しかしやっぱりあの危うげな笑いは出せない。あの頃のヒロシの失礼なまでのボケ倒しによる暴走に一番近い事ができそうなのは、木下ほうかあたりか。あれは自業自得とはいえおしい人材だった。
最近はすっかりキャンプ芸人となり、最初はヒロシとキャンプのギャップがおかしく見えた「ヒロシのぼっちキャンプ」でもすっかり板についている。
それでもやっぱりキャンプと関係ないリサイクルショップに行く回が楽しみだ。
熊本の「ヒロシのひとりキャンプのすすめ」は「キャンプ」と付いているが実質バラエティ番組であり、キャンプギアとして魚釣りゲームやラジコンカーを紹介したりしている。
じゅんいちダビッドソンやウエストランド河本、バイきんぐ西村、スパローズ大和相手だと自分がツッコミに回れるようで、新境地を開拓できたのかもしれない。
一番おかしかったのが、インスタントジョンソンのスギ。と2人で、その辺にあるものでボケ倒す回だったが。