懐かしきワイドショー
いまもやっていると思うのだが、お昼前、あるいは2時、3時頃にいわゆる「ワイドショー」と呼ばれるモノが放送されていた。芸能人がどうしたとか、凶悪事件に関する勝手な憶測とか、奇人変人のレポート(エバとかがやらされていた)とか、そういう女性週刊誌的なクダラナイ情報が垂れ流されていたものである。
私も小学生、中学生時代、時々こういった番組を見る事があった。もちろん進んでである。友達との約束をキャンセルして、いや、時には誘って見る訳である。なぜ見るのか? もちろん私の事だから、度々あった「UFO特集」「心霊特集」目当てなのである。
かつてのワイドショーにおけるこの手の特集っていうと、視聴者からの写真を見せて司会やゲストがなんだかんだ言い、そして権威のありそうな人がてきとーに丸をつけたりして解説するというパターンが多かった。
それから再現フィルム、こんな事が実際起きたのですって感じでオカルトな映像を流し、司会やゲストが色々言って終わりというモノもあった。稲川さんのような朗読タイプというか、しゃべるだけってのはあまり無かった気がする。
それはそれで面白いのだけれど、同じパターンばっかりだと飽きてくる。飽きてきた時に現れたのが・・「ワイドYOU」だった。
関西の毎日放送系のこの番組、その斬新なオカルト番組作りが私や仲間の間で話題になった。この番組におけるオカルトコーナーは二つ有り、一つは若い(?)女の子を夜の心霊スポットに連れていって怖がらせていじめる(ひでえなあ)というもの。他の多くの番組が「心霊スポットでは本当に霊現象が起こるのです。遊び半分で行ってはいけません。呪われます」というようなスタンスで作られていたのだが、これは全く逆。「心霊スポットで思いっきりふざけてみよう」というコーナーだった。後にとんねるずなんかもそういうパターンを番組内でやっている。
もう一つが「心霊写真の謎をあばく」。タイトルそのまんま。現在の「と学会」がやるような「デバンキング」の先駆けとして注目すべき存在だった。つまり送られてきた「心霊写真」を「これはどうやって撮られたのか?」検証して楽しむコーナーだった。広角レンズによるいたずらや、何も無いと思われた場所にあったガラスの反射、被写体の向こうに段差があるせいで「足元に生首」が写ったり、「上のほうに写った女の子の顔」が実際に有る装飾だったりして、本来ビリーバーであった私も、「面白けりゃいいじゃん」という考えに徐々に宗旨変えしていくきっかけとなった。
実際、マスコミってのはオカルト業界と「持ちつ持たれつ」のような所が有って(特に占いなんかね)、こういう番組は作りにくいだろうというのが判る。「心霊現象はある」の方が「無い」というより金になるのは判る。判っているからこそ、オウム事件のずっと前にこういう番組作りをしていた毎日放送の勇気は頼もしい。面白い番組は使命感からではなく「悪ふざけ」から生まれるのである。多分。