フィアット124・125・131・132について

 フィアット124のクーペやスパイダーはカッコいい。日本でも見かけた事がある。しかし、今回はそうでないベルリーナ、しかもラリー仕様とかでない普通のセダンの話である。

 この四角ばったクルマ、VWサンタナが1980年代なら、こっちは1970年代である。

 何となく名前だけは知っていたのだが、ヒロシの出演していた「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」(以下「ヒロシの迷宮グルメ」)のキューバ回で映りこんでいるのが印象的だった。
 キューバと言えば1950年代のアメ車、それも確かに「ヒロシの迷宮グルメ」に映っていたが、裏通りにいたのは紛れもなくフィアット124、いや、そのソ連仕様のラーダであった。

 単純化された構造が好まれたのか、キューバには上位車種のフィアット125(こちらは本当にフィアットらしい)とともに入っているという。

 フィアット125は東欧のポーランドやユーゴスラビアでも生産されているが、DOHCではなくOHVだったようだ。他にアルゼンチン、チリ、コロンビア等、南米でも生産されているという。アルゼンチンは分かるが、チリやコロンビアで自動車を生産していたとは。
 モロッコやエジプトでも生産されていたそうである。

 ラーダの方は東欧諸国はじめ、アフリカ、中国等、ソ連の友好国に輸出された。評判はあまり良くなかったようだが。しかしその中にロータリーエンジン仕様があるという話がある。
 またスペイン、トルコ、韓国等でもフィアット124は生産された。
 その仲間の生産数はVWビートルには負けるが、それでも洒落にならないとも聞いた事がある。

 この辺り「ヒロシの迷宮グルメ」に縁があった国として、共通しているのが面白い。ただ、現代の街の風景として見掛けたのはキューバだけだったが。

 フィアット124の後継がフィアット131で、こちらもスペイン、トルコ等で生産されている。132は上位車種で、125の後継である。スペイン、マレーシア、韓国等で生産されたらしい。
 こちらはひょっとしたら「ヒロシの迷宮グルメ」にも映っていたかもしれない。特にトルコあたり。

 生産国から考えるに、これらもまた、VWサンタナと共に中進国の風景に似合うクルマである。
 東欧や南米、スペイン、トルコ辺りの蒸気機関車やナローゲージの鉄道模型に似合うクルマとして、記憶しておきたい。

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