チベット・スパイ戦
藤本不二雄A先生がお亡くなりになられ、色々と自分の中の思い出がグルグルしているのだが、その中の1つの話だ。
タイトルでもう分かる人はいると思う。
チベットというのは今でこそ、「中国から侵略を受けている国」というイメージであるが、かつては「神秘の国」であった。それこそ、座禅を組みながら空を飛んでいるような人がいても不思議ではなかった。
確か学研の「ムー」であったと思うのだが、チベットのポタラ宮の地下には湖があり、理想郷シャンバラに繋がっているという伝説がある事が載っていた。
それくらいの所だから、創作の中にチベットを出すというのも難しい事だった。どう描いたら良いか分からないもの。しかし、これをいとも簡単にやってのけた人物がいる。
おそらく架空の人物なのだが。
藤子不二雄A先生の名作「まんが道」の中に、藤子不二雄コンビがモデルの人物以外に小説を書く友達が登場し、その作品のタイトルが「チベット・スパイ戦」なのである。
その中では、チベットという国は不思議な国で、探検に行って帰ってきた人はいないような事が書かれていた。
しかしこの友達、自分でもチベットを分からずに書いたらしい。そして小説を書く理由を「夢や想像を形にできるのがすばらしいからだ」と言う。ここは間違ってはいないと思う。
そこで挿し絵を頼まれた2人も想像力を駆使して(架空の)チベットの町並みやチベット文字を描いていく。
多分これは「チベット」だったから、どこかおかしいのであって、「ナンタラ皇国」とか「カンタラ惑星」を創造する上でだったら、多くの人が普通にやっている創作の方法論ではないかと思うのだ。まあ、確かにどちらかと言うとギャグ寄りかも知れないが。
そうするとまあ、具体的にその国なり星なり異次元世界の様子がどうなのか、設定ばかり考える方に陥りそうなものなのだが、そんな中、松本零士氏が「銀河鉄道999」の燃料として「コスモ石炭」という物を使っていると知った。何と手っ取り早い考えではないか。
ああそうか、それで良いんだと思ったものであった。
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