鉄道写真趣味と生産性
仕事としてやる事と、趣味としてやる事は、しばしば相反する物が求められる。
仕事として行う場合、時間内に多くの作業量をこなせば生産性が上がり、儲けにつながる。生産より安全の方が優先されるというのは置いておいて。
趣味の場合はそれだけに留まらない、「数字」に表せられない部分を、時には無駄を承知で行うのが趣味だ。
自分は鉄道写真を趣味にしているけれど、この趣味でも同じ事が言える。
ぶっちゃけた話をすると、自分が追っていた、自分の好きな鉄道というのは、日本からはかなり姿を消しているのだ。
だから悩みが生じる。動いているかどうか分からないトロッコを撮る為だけに屋久島に行くべきなのか。1台の保存機関車を撮る為だけに丸瀬布に行くべきなのか。結論から言うと行くべきなんだけど。
いや、この辺はまだいい。
既に他の人が撮りに行って、かなり情報があるからだ。「大はずれ」つまり「行ってみたら何もない」というのは避けられる。
他の人が撮っている所を回れば生産性は高い。
しかし、他人の好きな物と自分の好きな物はなかなか重ならない。
新幹線で、ドクターイエローなんかが来る時刻が割り出せる場合がある。これを撮ってアップロードすればそこそこウケるのも分かる。しかし問題がある。それだと他人は喜んでも、俺が嬉しくないのだ。
「撮れ高」という言葉がある。
まあ、折角出掛けたんだから沢山撮りたいのも分かる。
でもやっぱり、いくらデジカメの時代だからと言って、好きでもない物ばかり撮っていても楽しくはならない。
既に評価が定着しているネタの取材の追体験がしたい人もいる。っていうのは分かる。
でも、小湊鉄道や銚子電鉄で「自分なりの写真」が撮れるかというと、かなり難しい。
この「自分なりの写真」ってやつが厄介だ。「定番の撮影ポイントはここ」、「太陽光線の関係から午前中がベスト」、情報があればあるほど満足は遠のく。「自分はシャッターを押すだけ」では、やっぱり面白くない。
自分は、やっぱり自分なりの新発見が欲しい。
情報は不確定であっても。
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