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北海道・利尻島①

飛ぶか、飛ばないか、飛んでも引き返すか。

夏の利尻フライトは三択になる可能性がある。原因は視界不良。確実に渡るには、稚内までJRで行き、フェリーに乗る方が良いかも知れない。しかし、幼少期に乗った夏のフェリーは、欠航寸前の大揺れだった。以来、船旅は大の苦手に。今回は家族の強い希望で利尻島(しりしとう)・礼文島(れぶんとう)を巡る旅となり、飛行機で行く事にした。

新千歳空港

2024年8月4日(日)
新千歳空港から利尻空港へ。

出発の前夜から、現地は視界不良のため天候調査中となっていた。結局、引き返す可能性がある条件付きで離陸。機長による機内アナウンスも「天候次第で引き返す可能性があります。着陸する場合は、滑走路が短いため急ブレーキを掛けます。ベルトはしっかりとお締めください」と注意喚起があった。

ん?滑走路が短い?

羽田空港も新千歳空港も、滑走路の長さは約3,000m。利尻空港は約1,800mしかない。およそ半分と言う事だ(怖)

フライト時間は約50分。機体は利尻島の上空を旋回。雲は低く垂れ込めていた。その雲を目掛けて降下。滑走路は全く見えず、雲が途切れた瞬間、いきなりアスファルトが迫った。見事に着陸。途端に急ブレーキ。背中と頭がシートに吸い付いた。

無事、到着。

機内は大歓声と大きな拍手に包まれた。40年間、飛行機に乗り続けているが、こんな経験は初めてだった。

利尻空港

タラップを降りると、気温18℃以下。天然のクーラーは嬉しいが、寒過ぎる。長袖にウィンドブレーカーを羽織った。

到着ロビーに出ると、ホテル「雲丹御殿(うにごてん)」の社長自らお出迎え。社長は現役の漁師だ。送迎車のマイクロバスに乗り、我々だけ「姫沼」で下車。一旦、社長とお別れした。

いや、当初はホテルへ直行し、レンタサイクルで姫沼へ行こうとした。だが「坂道がキツくて自転車では無理です」と社長が送って下さったのだ。google MAPを見ると、標高は約150m。ちなみに電動バイクの公道走行は禁止となり、現在はレンタルしていない。

姫沼は昔、ヒメマスを放流していた。名の由来である。晴れの日は、沼の向こうに「利尻山(りしりざん)」が見える。1周 約1km。徒歩約20分。歩いてみた。

遊歩道

遊歩道は一方通行。脇に大きな岩石が転がっている。気象庁によると、利尻山の最後の噴火は数千年前らしい。活発な噴火活動は20万年前〜4万年前頃。有史以降の火山活動はない。

雨が降り出し、やがて土砂降りに。観光客は足早に去って行った。私はウインドブレーカーのフードを被り、ゆっくり花を撮影。しかし花の季節は、ほぼ終了。花を見るなら6月頃が良いそうだ。

なんと紫陽花が満開!利尻は8月に咲くのね。

花は好きだけど、名前が解らない。高山植物なのかどうかも定かではない。ごめんなさい。

南天かと思ったけど、葉形が違うなぁ。

この花は何?・・・ホ〜ホケキョ!・・・ウグイスが必死に鳴いている。早く恋人が見つかるといいね(笑)

チシマアザミ、かな。道内でも見られるようだ。こうして姫沼を一周。

この撮影ポイントは・・・!

星空写真家・プラネタリウム映像クリエーター:KAGAYAさんの写真。姫沼で撮影されたものだ。利尻山がくっきり見えるなんて奇跡に近い。しかも満天の星空が水面に映り、さざ波ひとつ立たないなんて奇跡どころではない。どれだけ粘って撮影されたのだろう。いつかお会いする機会があったら伺ってみたい。

本日のミッション終了(笑)

傘を差しながらホテルまでウォーキング。沿道には、見事な苔が光っている。

1台の車が通り過ぎ、停まった。運転席の窓が開き、ドライバーの女性が言った。

「Which way are you going? It's raining so hard, would you like to ride in my car?」

あら・・・外国人観光客に声を掛けられてしまった。一人旅でレンタカーに乗っているようだ。雨だから乗らないかって?なんと親切な!せっかくだから乗りたいが、利尻島にはヒグマも鹿もキタキツネもヘビもいない。山道を安心して歩けるチャンスなど滅多にない。

「You are very kind. But we're OK. We can walk. Training! Thank you, appreciate.」

もう何年も英語を話していなかったが、予想外にスラスラと口から飛び出して自分でもビックリ。女性は「トレイニング、良いわね!」と笑って手を振ってくれた。

サイクリングロード

蝉の声を聞きながら森林の中を歩く。他の虫は殆どいない(虫が苦手な私は嬉しい!)。30〜40分ほど歩いてホテルに到着。

雲丹御殿


ロビー


ドリンクマシーン

フリードリンク。濃いめの珈琲が美味しい。ロビーを抜けると・・・

テラス

海が見える。

ホテルは崖の上に建っていて、海岸に降りる事は出来ない。

ハンモック

天気が良かったらなぁ・・・

ブランコ

気のせいか冬のように寒くなって来た。

喫煙所

寒過ぎて蚊取り線香ポットが淋しそう。ちなみに玄関前にはベンチ付の喫煙所がある。

部屋の全景を撮るのを忘れたが、全室オーシャンビュー。

茶菓子は「とろろ巻昆布」


空気清浄機

wifi完備。部屋着は浴衣。

豊富なアメニティ


🍽夕食

現役漁師の社長が獲る利尻産雲丹の料理。

メニュー


食前酒・先付・冷鉢・お造り

利尻は「蝦夷あわび」の産地だそう。僅かしか獲れないので「幻のあわび」と言われている。蝦夷あわびは最高級の利尻昆布を食べ、北海道の荒波に揉まれて育つ。小ぶりな身は引き締まり、歯ごたえ抜群!

コリコリし過ぎて硬さを感じるかも。個人的には生より焼いた方が好きだったりする。

あわびの水貝

水と言っても海水みたいな味。

雲丹の炙り焼き

利尻と言えば昆布と雲丹。利尻産の雲丹は甘くて絶品!雲丹も利尻昆布を食べている。

ムラサキウニ(白)・バフンウニ(赤)

サービスの生雲丹。今朝は海が時化て出漁できなかったそう。たぶん生け簀の雲丹だと思う。

雲丹の茶碗蒸し

雲丹は好きだが、実は脂質異常症の天敵である。卵もそう。普段は避けているが・・・クレストール(薬)持参で食べてしまった。

焼き物:殻付き帆立

海水の味。

ニシンの煮付け

半端ない小骨と格闘。過去に3度、小骨を喉に差して耳鼻科に駆け込んだ事がある。ドえらい時間を掛けて綺麗に頂いた。

天ぷら三種

イカとエビとオクラ。脇に添えた昆布の天ぷらが珍しい。昆布塩で頂く。

実は昆布も私の天敵。耳下腺腫瘍の摘出手術で入院した時、腫瘍が出来やすい人は昆布を控えるようにとドクターから指導された。普段は可能な限り避けているのだが・・・

雲丹の三平汁

温かい海水の味がする。

雲丹ご飯(生雲丹丼)

ムラサキウニ(白)とバフンウニ(赤)のハーフ&ハーフ。今回は生雲丹丼だが、季節によって蒸し雲丹丼だったりするらしい。北海道はいつでも生雲丹が食べられると思われがちだが、実は産地によって漁期が決まっている。利尻は6月〜8月頃まで。生雲丹丼を頂くなら、ぜひこの期間にお出掛けください!

自家製プリン

ごちそうさまでした✨


20:00

鴛泊(おしどまり)港で花火大会開始。「第50回 北海島まつり」が悪天候で順延となり、この日の開催となった。


部屋の窓から花火が見えた。
空も海も鮮やかに染まる・・・


フィナーレ


2024年8月5日(月)おはようございます!

🍽朝食(一部バイキング)

大漁旗は漁師の社長が昔使っていたものだそう。

野菜好きな私はサラダを盛り付け。オニオンドレッシングをたっぷりと。

実は利尻島には畑がない。農作物は獲れないので野菜は貴重品だそう。ホテルでサラダが出るとか、サラダのバイキングがあるのは優秀だと言える。

名物の帆立カレーを極小盛りで。テーブルにはセッティングされた料理がある。

イカの塩辛が絶品!

雲丹の塩辛も!白飯が進みそうだが、ご飯はかなり硬い。隣の女性が「硬いよねぇ」とションボリしていた。カレー用なのかな・・・

道産牛乳を混ぜてみたセルフのカフェオレ。ポット珈琲は薄いので、ロビーのマシーンで濃い目を選択して作った方が良いと思う。ごちそうさまでした!

看板犬マロンちゃんと社長

このホテルは温泉ではないが、大浴場の湯船に長さ3〜4mの利尻昆布が浮かぶ昆布風呂がある。利尻で雲丹三昧はいかが?営業期間は6月〜9月限定。


次回は利尻島1周バスの旅。
to be continued・・・

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