#曲名統一祭2021 の推し曲10選を語る

今年も祭りです。わっしょい。

今年で4回目となる、同一タイトル楽曲投稿企画「曲名統一祭」。
真島ゆろさん主催の本企画ですが、今回はなんと昨年の倍以上、131本(8/15 0:00時点)もの珠玉の作品が次々と投稿されました。
今回は初の試みとして、ニコニコ動画においては動画タイトルを一字一句統一するというルールが設けられた結果、全く同じ名前の動画がランキングを埋めるという不思議な光景を見ることが出来ました。
タイトルになぞらえて午前0時の投稿を狙った方も多く、お祭りの名の通り賑やかな企画になったのではないかと思います。よきよき。

さて、筆者は昨年の曲名統一祭「Co-」の際に、推し曲10選と題して、個人的に琴線に触れた曲を挙げさせていただきました。

今年もせっかくなので、一通り巡回した中から、独断と偏見によるチョイスで気に入った10曲をピックアップし、僭越ながら紹介と感想を書いていきたいと思います。
前回同様、趣味嗜好ゆえにジャンルや曲調に偏りが見られますが悪しからず。

(なお昨年の10選で名前を挙げた方々については、いくつか候補曲があったのですが、10選の候補曲数がそもそも多かったことと、できるだけいろんな作者さんの曲を紹介したいということで、今回は紹介を見送らせていただきました。何卒ご容赦ください……!)

それでは、ニコニコ動画への投稿時刻が早かったものからどうぞ。

▲ 食パン丼さん/鏡音リン・レン
爽やかな電子音を彩るチップチューン、アップテンポでノリの良いリズム感が特徴的なエレクトロポップ。しかし単に爽やかなだけで終わらせず、区切れ目での転調と一抹の悲しさと寂しさを帯びた歌詞、リンレンのデュエットと掛け合いの軽快さが、とても綺麗に嵌まっていると思いました。後ろで調子よく刻んでいるスラップベース系の音も好きポイントです。

▲ 花撫寺さん/初音ミク
冒頭から畳みかけるようなスピード感のある曲調、それを裏切らないサビや転調の組み合わせに圧倒されました。はっきりとした緩急と盛り上がりも相まって、飽きないどころか何度も聞きたくなるスルメ曲でもあります。冒頭から全速力で細かく駆け回るリリースカットピアノや、その加速を支えつつ共に跳ね回るベースラインのサウンド、終始掌の上で転がされているかのような遊び心のある歌詞も素敵です。

▲ Saburouさん/可不
最後まで絶えず疾走感のあるバンドサウンドと電子音の融合。何度も繰り返され耳に残るシンセのフレーズと、心の闇を叫ぶようなサビのボーカルが癖になります。後半の曲調の変化から最後のサビに行くところなど、刺されるポイントが多く楽しめました。「プラマイゼロ」と「知らないけど」他、計画的に整えられた韻の踏み方も好きです。

▲ ヒルヒさん/重音テト
私の好きなバンドのひとつであるSUM41のアルバム「Underclass Hero」を想起させる、軽快さの中にしっかり重さを残したギターサウンドが大変好きです。暗さを含みながらも前向きな歌詞と、合間のスクラッチも綺麗に嵌まっています。ボーカルのテトさんはどの音源を使っているのでしょうか、とても聴きやすい調声でした。

▲ れすたさん/初音ミク
投稿ツイートに掲載されていた動画のイントロを聴いた時点で、これは間違いないと惹かれました。王道のロック構成を貫きながら、一途な愛情を、極端に飾ることなくストレートな歌詞に落とし込まれているように思います。合間合間に挟まるメインギターのフレーズと哀愁が見え隠れする音色をはじめ、全体を通して、曲の流れを盛り上げるための雰囲気づくりがとても素敵でした。透明感溢れるイラストも綺麗で美しいです。

▲ gumoさん/初音ミク
本10選のかわいい枠。ウィスパーボイスで軽快に韻を重ねていくゆるふわボーカルと、テンポ感を残したままそっと味を加えるような優しいインストで、落ち着く雰囲気ながらも元気をもらえるような楽曲でした。「マイナス」や「下げる」をはじめとしたネガティブな表現が多い歌詞なのに、ポジティブな歌に聞こえるのが不思議です。動画のミクさんのように、つい体を揺らしたり、ステップをとりたくなります。

▲ 宮口カイライさん・ミヤサカアキラさん/可不
イントロから先を読む間も与えず次々と展開されるプログレッシブロックに、物語を語るように歌を紡ぐボーカルが特徴的です。迫りくる脅威や息をひそめる様子など、それぞれの場面がページを捲るように目まぐるしく変動し、曲を聴くというよりひとつの作品に身を浸すような感覚で拝聴しました。途切れるような終わり方も、情景の続きをリスナーに委ねるような印象を覚えました。

▲ のうべんばあさん/初音ミク
Twitterの告知動画の時点でかなり気になっていた作品で、実際予想を裏切らず、とても好みでした。多彩かつ古風な比喩表現を用いた文学調の歌詞や、泣き色の溢れるギターによるロックサウンドが、報われない感情を切なくも綺麗に描いているなと思いました。間奏などで差し込まれる文章表現をはじめとしたレトロな動画演出も、良い塩梅に曲を彩っていて素敵です。

▲ ふんぼるとさん/初音ミク
広がる青空のようにクリアで壮大な世界観と電子音。波一つない海の青を想像させる穏やかなピアノから、画面が上へパーンしていくように、サビやドロップに向けて音が重なり、さながら応援歌のように背中を押してくれる曲です。個人的にはAviciiやThe ChainsmokersのようなDJのイメージが浮かび、ボカロmixの〆に流したら映えるだろうだなぁと思いました。こんな音が作れるようになりたいと思うほどに、とても綺麗なハウスでした。

▲ トカクさん/可不
初投稿の文字に目を疑いました。王道な構成や進行を踏襲しながらも、切なくも温かさのあるエモなサウンドに、感情的な表現を得意とするであろう可不の声色がよく映えます。サビをはじめ、随所に華やかさを加えるピアノの使い方が好きです。水彩のように淡い色調のイラストも相まって、過ぎていく夏のイメージが広がる素敵な曲でした。

――以上、10選でした。
流石に100曲以上あると、巡回は言わずもがな、数を絞るのもなかなか大変ですね。来年もあるとしたら、参加は出来ても、作品全部追って10選を作るのは厳しいかもしれません。
ここで紹介しきれなかった楽曲もですが、今回の企画に限らず、今後も気に入った作品はいいね機能やリツイート等で、引き続き好きをアピールできればと思っています。
リスナーの皆様も是非タグ「#曲名統一祭2021」から、お気に入りの『±0』を探してみてはいかがでしょうか。

そして昨年に続き、最後に自分の曲も載せておきましょうね。
ボーカルは、元々巡音ルカのみ使用予定だったものの、雰囲気も合いそうだしと、気になっていた可不(CeVIO)を購入・採用。合わせてみたら想像以上に合うじゃないの、ということで併用しました。発売時期も相まって、今回は可不を使用する参加者さんが多かったですね。
テーマについては、明確にこの単語ですと答えにくいのが難点ですが、タイトルから「無に帰す」という表現を連想し、そこから走馬灯のように記憶を追想するような詞を勢いに任せて作り(故に押韻が少なめです)、kawaii Future Bassと切ない系ピアノバラードを足して割ったような雰囲気に仕上げました。前回はクラシックピアノバラード一辺倒だったので、同じピアノ基調の楽曲でも差を楽しんでいただけたら幸いです。


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