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藪から棒

先日、祖父に施設に会いに行った。
すこぶる健康そうだったが、突然なぜか私が独り身である事を案じて顔を真っ赤にして泣き始めた。
その時の私の感情は無。
なんで泣く?泣くほどのことか?
大変申し訳ないが、今の私はそれどころではない。
社会生活さえ営めていない。
毎日泣きたいのはこっちだぜ、おじいちゃん。

時間が経ってから何が悲しかったか、
腹立たしかったか、よくよく考えてみると、
祖父は私を心配する体をとりながら、結局自分自身が可愛いのだ、と感じたから。
自分が苦労して家を守ってきたのに、みたいなお家継承発言があった上に、老人の涙。やり口がずるくないか?
時代錯誤の考えに吐き気がする上に、自分が惨めたらしい位置に置かれた気がした。
すごく嫌だった。
本心は私の幸せなんて願ってはくれないのね、が率直な感想。

私だってご先祖様には感謝している。
家族や友達に恥じないような生き方をしたいと
もがきながらも諦めずに生きているつもり。
これでも、少しは社会に役に立つよう仕事、結構頑張ってたんだよ。私の苦しみなんて知らないくせに。
見ているものが違いすぎる。幸せの形も。
祖父以外の家族とは上手く暮らしていたから
身内に敵がいるとは!謀反じゃ、って気分。
実家で暮らすと背負いたくないものを無理やり背負わされたりするのかも。
そういうのが嫌で、実家をでたんだっけな。
まぁ長年培われた祖父の考えが、今更話したところで変わるとは思えない。
身内を悪くいうのはすごく気が引けるが、祖父のデリカシーがないところがすっごく苦手。人を下に見る感じもめっちゃ嫌い。
そんな年老いた敵に、敢えて直接会って戦いを挑むか、当分冷戦を貫くか…久しぶりに自分の心が大きくマイナスに振れた出来事だった。

自分が何を選択しても、私はその選択に誇りを持ちたい。その時どうしたいのか、自分の気持ちを何より優先しよう、とここに誓います。




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