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企業内のパワーバランスに見る危機管理の重要性。経営者のマインドにカギ。

今日も朝から、ビッグモーター社のニュースとそれに付随する損害保険会社のガバナンスの問題が目につきます。
広報の専門家の視点で、これまで接したことのある経営者の印象と企業内におけるパワーバランスについて。

クライアントから相談を受け、危機管理体制の整備やトレーニングを行うことが多いのですが、同じような頻度で、経営者に対してヒアリングを行うことがあります。
特に多いのが、社内の担当部門のパワーバランスです。よくある話として、管理部門(総務、人事、広報、宣伝、経理、情報システム)といった部門より、営業部門のパワーが社内で強すぎて、コントロールが効かなくなるといった相談を受けることがあります。

管理部門はコストセンターなのか?
そのようなクライアントの方がよくお話しされるのは、営業は収益を上げるので、発言力が自然と強くなるということを言われます。
その一方で、管理部門がコストセンターで、彼らの業務は収益を生み出さないと思われがちであり、その意味でパワーバランスがうまく取れていないと言います。
確かに、直接の収益に直結するのは、営業であると言えますが、冷静にまた客観的に考えると、一概にそうも言えない場合があることに気づきます。
営業を行うためには、営業をするためのサービス、商品がないといけません。商品開発やサービス企画など、直接収益を生まない部門が企画検討したサービスや商品を営業が販売をするというわけです。
また、契約を伴う場合、契約書のレビューや支払い、入金の管理など、付随する業務は営業ではなく、法務、経理をはじめとする管理部門がこれを担います。
このように、契約を獲得するのが営業とはいえ、すべての業務に関連してくるのが企業活動といえます。

表面上では、営業が目を引きますが、それを社内外に調整性を行うことが企業として重要な業務であることに気づくことができるかが鍵です。

営業がパワーを持ちすぎることでの弊害
一概に、営業が社内パワーを持つことが悪いとは言いませんが、行き過ぎると、今ニュースで話題になっているビッグモーター社と損害保険会社との関係性のような負の図式が生まれる可能性があります。
ニュースや報道による内容をもとに分析しますが、損害保険会社内においても、不正請求が認識されてはいたが、一部損害保険会社においては、そのまま契約や申請を継続したとあり、利益優先つまり、営業を優先したとの報道が目につきます。
その一方で、一部の損害保険会社以外は、取り扱いを慎重にしたり、取り扱いを一時休止したりしていることから、認識をしていながら、取り扱いを中止しなかったことがうかがえます。

これは、行き過ぎた営業優先=収益優先の図式であり、ガバナンスの声やリスクに対する声が、かき消されたと言えます。
このように、リスクを認識しながらも、突き進んでいくとある時を境に潮目は変わり、現在のような収拾がつかない状況に陥ることを経営者は認識するようにしましょう。

一時の収益優先の決断が、将来的に企業にとって、負の要素になり得ることを認識することが重要です。






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