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稲荷神社 行脚 【試衛館稲荷/笠間稲荷神社 編】

 本題に入る前に「お稲荷さん」について少し触れよう。ご存じの方もいるかと思うが。。。
 稲荷神(いなりしん)とは穀霊や農耕の神様で、五穀をつかさどる「宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)」と同じとされる。そのため、稲荷神社では宇迦之御魂神を主祭神にしているところも多い。
※古事記では宇迦之御魂神、日本書紀では倉稲魂命と表記
 また、食物をつかさどる神様のことを昔から「御饌津神(御食津神)みけつがみ」と呼び、それが転じて「御狐神(みけつねがみ)」となったらしい。キツネのことを関西で「ケツネ」ということがあるのは、これが元なのだとか。神様とキツネの関係は眷属で、飼い主とペットといったところだろう。キツネが神様ではないのだ。
 一方でお寺では「荼枳尼天(だきにてん)」というキツネさんを祀っている。空海(弘法大師)が中国からもたらした真言密教の荼枳尼天と稲荷神がつながったとのこと。有名どころでは豊川稲荷や最上稲荷山妙教寺がある。

 9月下旬、ふと思い立って牛込柳町にあった(といわれる)近藤勇の道場「試衛館跡」へ。試衛館は標柱だけになってしまったが、近くにあったとされる稲荷神社は現存していたのでご挨拶してきた。
 その話は↓こちら↓

 前後して、床屋さんへ行ったときに担当のひと(神社好き)が、
 「関東にも出雲大社があって、本家と同じ太い注連縄なんですよ。たしか笠間市だったかな」
 「へぇぇ、出雲大社の分社ってわりとあちこちありますけど、あの注連縄が近く(でもないか)で見られるのはいいかも」
 そんな話をしながら散髪してもらった。
 最寄駅をど忘れしたとのことだったので、帰宅してからネットで検索すると「福原」だった。ついでに周辺を見てみる。2つ隣の駅に「笠間稲荷神社」を発見したが同じ笠間市内とはいえ、だいぶ離れている。

常陸国出雲大社と笠間稲荷神社の位置関係。クルマがないと厳しいかも

 地図を見たときの印象は「こないだ試衛館稲荷(通称)へ行ってきたから稲荷にスポットが? でも実際行くとなると水戸線の旅は体力的に難しそう」である。
 気になるので笠間稲荷のサイトを見ると、なんと都合の良いことに東京別社があった。しかも以前の勤務先エリア・浜町なのだ。
 当時は家より浜町で寝泊まりしているほうが長かったかもしれない。しかし、もう30年も前のこと。覚えているようでわからない老化現象。ところがストリートビューを見た瞬間、ああ! ランチに行くときや飲んだ後なんかによく前を通っていた、あそこの神社か! と鮮明に思い出した。こりゃ間違いなく「来い」ってことですな。

 東京別社の稲荷「知らないとは言わせないぃ」

 ───さてその頃、久しぶりに「とろろ昆布」を買わなくては、という状況になっており、買い物リストに書いておくのだが数回忘れてしまうことが続く老化現象。
 浜町の笠間稲荷神社の帰りにでもどこかで買うつもりで、また買い物メモに書いておく。

 10月に入っても蒸し暑く、30℃以上の真夏日が続いていたがあまり延ばしてもいられないので下旬に伺った。一粒万倍日だからか意外と人が多い。

▼Instagramにアップした笠間稲荷神社東京別社の画像4枚、もしよかったら見てやってください。

  お参りして御朱印をいただいた後、宮司さんに柿といなり寿司を渡す。
 「お供えお持ちしました。お納めいただきたく……」
 「ありがとうございます。神前にお供えいたします。あ、少しお待ちくださいね」
 ……
 「こちらをお持ちになってください」
 白い紙袋に入った、軽い小箱をうやうやしく渡された。
 「ありがたく頂戴いたします」

 神社をあとにして駅へ戻り、ホームのベンチで電車を待ちながら「箱の中身はなんだろな」と気になって、つい開けてしまった。すると煙がもくもくと上がって歳を取り……ということはもちろんないのだが、なんと笑ってしまうようなモノが入っていたのだ。
 これね、ミキプr、もとい「とろろ昆布」!

お供えのお返しにいただいた、とろろ昆布

 きょうこそ忘れないぞ、という強い決意が神様に伝わったのか、なんでもお見通しなのかわからないが、これをもらいに行ったようなものになってしまった。

 後日、さらに他の稲荷神社情報をキャッチしたので行脚は続く→

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