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愛美<プロローグ>
若い頃の写真とか見て
「あの頃に戻りた~い」
ってゆーの、
あるあるだけどアタシは断じてごめんだ。
アタシは今の自分が好き。
10代なんて太ってただけだし、短大で大学デビューとかしてみても
とくに変わったワケじゃなかった。
現在、26歳。
アラサー。
って、世間ではなぜかアラウンド単位が流行ってるけど
まとめられるって意味ワカンナイ。
とりあえず、なんとなくもう若くもないけど
女として焦らないといけない年齢でもまだ、ない。
・・・なんて言うと、絶対「ハ?」って言われるんだろうけど、
みんな口にしないだけで同じアラサーでも、
30代と20代の差はデカイって思ってるよね?
職場ではベテランでもないけど新人でもないぬる~いポジションで
ソコソコ仕事してもらったお給料は、自分の好きなモノに使える。
好きなコスメを買い揃え、服だって好きな時に好きなだけ買えるし
髪やネイル、自分にいくらだって投資できる。
・・・まぁ収入で可能な範囲だけど。
学生の頃は、一般家庭でもらえるお小遣いなんてしれてるし、
アルバイトしたって大した稼ぎにはならなかった。
可愛い子がオシャレして更に可愛くなってるのに
可愛くもないのに大したメイクもせず全身大量生産ブランドの服を着て、
とくに楽しいこともなく、毎日コンビニでお菓子やジュースを買うくせに「痩せたい」とご飯食べずダイエットしてはスグ挫折してまた太って・・・
ああ!
絶対、あの頃になんて戻りたくない!!
あんなに減らなかった体重は、会社に入社して
とにかく社会人っていうものに慣れるのに必死で
特別ダイエットしているわけでもないのに、みるみる落ちてった。
おかげで「なんか小さくなった」、
なんて昔からの友人に言われる様になって。
・・・自分で太ってたっていってもそこまで、、、のつもりだったけど
やっぱり太ってたんだって思うと褒められても正直、複雑。
それでもメイクや服装もあの頃と違い、
オシャレをする自分が板について雰囲気もガラっと変わった。
同窓会で、当時まったくアタシになんて興味なかったイケてるグループだった人が連絡先を聞いてきた時、
「なんだ、今のアタシ、けっこーイケるんだ」って自信もついた。
・・・ケド、そんなことで調子づくほどアタシは過去を忘れてない。
結局、「変わった、綺麗になった」とかってゆーの、
メイクとか服とかそんなの差し置いてズバリ、
痩せたから、でしょ。
世間では痩せ=モテの基本、
そーゆーことなんでしょ?
見た目重視とか、なんてわかりやすい世の中。
でもそんな世の中に抵抗を感じていたのも正直、
自分が太っていた時だからな気がする。
選べるなら美人の方が良いに決まってるし、
何もしないで損をするくらいなら
得をする為に可愛くなる努力をする。
見た目より中身、なんて精神論的なモノはいらない。
「いい子なんだけど」ってフラれるのを
良いように捉えて傷を癒そうとしたくない。
自分が可愛くないままで「あの子はいいな」なんてうらやましがるのは
絶対、嫌だ。
見た目ばかり気にした嫌な女になりたくない?
その一見、嫌な女がモテる女であって勝者って、リアル。
そもそも嫌な女、と思っているのは見た目に自信がない自分を
努力せず肯定したいが為の被害妄想。
ヘタなプライドは捨てる。
そう、
贅肉と一緒に必要のないものは脱ぎ捨てた。
現実を見ず、理由つけて自分を納得させないといけないものなんて、
自分に必要なもののハズがない。
だから、
「こんなアタシでもいいって言ってくれる人を見つける」、
なんて甘えたことは絶対、言わない。
自分がイイって思える人に
アタシがイイって思ってもらえるようになってやるの。
そうやって生きていくの。
アタシは、今のアタシが好きだ。