#016 同世代ファンとしての「花*花」
大学時代、相変わらず、TVではつまらないポップスに溢れていた。
せっかく生きているのに、同じ時代の音楽が楽しめないという、貧相な文化状況の日本であった。
自分の感性が耳がおかしいのではないかと疑ったこともあった。
そんななかで、テレビで「あ~よかった」と執拗に繰り返される曲が耳に残った。
こじまいづみ、おのまきこの二人による「花*花」という音楽ユニットによる、その名もずばり「あ~よかった」という曲だと知った。
これは「何かある」と思った。
この「何かある・感」というのは、アーティストを追っかけるのにはとても重要で、いい曲だなぁと思っても「何かある・感」がなかった場合は、そこで終わってしまう。
この花*花に感じた「何かある・感」は、ほのかに香るブラック臭だったのだと今では思う。こじまいづみは、ゴスペルを習っていたし、その歌い方や曲作りにもそのフィーリングが出ている。それが、とても新鮮に聞こえたのだろうと思う。
そういった、意識上には上がってこない、フェロモン的な臭気というのは、実は一番大事なのだと思う。後付けの香水じゃダメなのだ。やっている本人も無意識レベルなのが大切なのだ。
比較しては悪いが、同じ関西系(そんな系があるかどうか知らんが)のシンガーソングライターであるaikoは、後付けのきつい香水に感じます。
おのまきこの曲は、こじまいづみに比べると、特徴に乏しいけれど、編曲者のパパダイスケ(村川大介)さんが、管弦楽主体のとても素敵な編曲を施すので、そういう意味でまた別の聴きどころだった。
・・・本当にかなり、花*花に狂ってて(笑)、ホームページなんかも作って批評を書いたりしていた。ブログなんてない時代だから、全部htmlをメモ帳に手打して作っていた。まめだったと思う。それくらい「伝えたかった」のだろう。
ジャケットの画像を無断で使い、AZIPという花*花の事務所にクレームのメールが来たり、それに対して反論したり(ほどなく、花*花の解散とともに、AZIPも消えたけど)、パパダイスケさんが、自分の記事を読んで直接メールをくれたり。
今ほど、情報が溢れてなかった分、届きやすかったですね。ちょっといい時代だったのかもしれません。
まだまだ、いろいろ書けるのですが、この辺で、ことん(ペンを置いた)。