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【音楽のススメ】#9 2024年檸の音楽TOP10

こんばんは。檸です。

2024年も残すところあと1日と数時間になりました。あっという間でしたね。2024年は自分自身の内を見つめる時間がとても長かったように思います。前向きに変わろうとして変われた部分もあれば、相変わらず苦しさを自分の中で作ってしまうような思考から抜け出せないこともあって、そんなどっちつかずの自分と向き合い続けた1年間でした。楽しいことももちろんあって、ライブや旅行に沢山行けたことは幸せであり、救いでした。楽しい出来事を一緒に作ってくださった人へ、本当にありがとうございました。

さて、今回は年末恒例の音楽紹介をやっていきたいと思います。この企画も今年で5回目となりました。好きなものとはいえ、なかなか言葉で語ることには難しさがあって、(はたして今年は書けるのか、もう限界なんじゃないか…?)と考えたりもしましたが、やはり知識が薄くても、そして言葉が下手でも、自分の好きを知ってもらいたい!という気持ちは強いので、今回もそんな自分の気持ちに甘えて書いてみたいと思います。
過去に紹介した音楽TOP10は以下のリンクから見ることができますので、よければチェックしてみてください。また、本記事の最後にはこれまで書いてきた【音楽のススメ】をまとめていますので、そちらの方も興味があれば是非覗いてみてくださいね。

◆過去の「檸の音楽TOP10」◆

◎2020年

◎2021年

◎2022年(※この年はnoteではなくポッドキャストで紹介しています。)

◎2023年



はじめに

2024年は、自分が知っている音楽の幅を大きく広げようと試みた1年でした。その一環として、YouTubeチャンネル【みのミュージック】の『リスナーさんが選ぶ邦楽アルバムランキングTOP100』という動画で紹介されている100枚のアルバムを、すでに知っていたものも含めて(ほぼ)全て聴いてみたりもしました。そうすると、今までどれだけ自分が聴かず嫌いをしていたのかを痛感して、個人的な好き・嫌いはある中でも、色んなアーティストの音に触れることの大きな楽しさを知ることができました。これまでは流行曲や歴史的な名曲にはあまり興味を持てず、逆張りをして避けていたのですが、この試みを通じてそういったものにも触れてみると「あぁ、人気になる意味が分かるなこれは」と理解できることも多くなりました。少しは素直に音楽を聴けることができるようになったのかな、なんてことを思います。

そんな音楽の幅が広がった2024年、個人的に特に好きだった曲をTOP10形式で紹介していきます…!


〜〜〜ランキングの注意点〜〜〜
★ランキングは個人的な順位であり、言うまでもなく音楽の優劣を表すものではありません。どの曲、どのアーティストも本当に素晴らしく、自分にとってかけがえのないものです。音楽に順位をつけるなという声も上がるかもしれませんが、このランキングは可変的なものなのでご了承ください。言ってしまえば"紹介したい曲リスト"みたいなものです。
★以下の紹介文は、あくまでも"個人的な感想"として捉えてください。ただ普段から人と比べて音楽を集中して聴いているというだけで、決して音楽経験が豊かなわけではありません。センスも知識も皆無です。なので、間違ったことを言ってしまっているかもしれませんが、そこは見逃していただくか、優しく指摘していただけると幸いです。
★"2024年"と書きましたが、あくまでも2024年に"自分が聴いた曲"です。2024年に"リリースされた曲"ではないので、ご注意ください。


それでは、第10位から…!




10. Juicy / DAOKO

DAOKOさんは前々から好きな曲が数曲あって、特に『水星』とか『Cinderella step』とかはよく聴いていたのですが、この曲は今年入って初めて聴きました。"レインボーゲロ"というワードで始まる歌詞がなかなか強烈であり、その上にメロディがとてもキャッチーなので、何度も聴きたくなる中毒性があります。
DAOKOさんの曲は、闇っぽいディープなものからかなりポップなものまで幅が広いイメージがありますが、この曲は完全に後者で、聴いているだけで気分が上がってきます。2番のサビに出てくる"わたしのものになったはずなの"というフレーズの語尾の音をちょっと上げるところとか、そのサビが終わった後の言葉のリズムと曲のテンポがとても心地よいところとか、最後の"愛以外 いらない やめて"というフレーズの入り方だったりとか、とにかく気持ちよくなる要素がたくさん詰まった曲だと思います。



9. そなちね / Tempalay

Tempalayの音楽を聴いたのも、【はじめに】で書いた試みの一環の中でした。『21世紀より愛をこめて』というアルバムに収録されている一曲ですが、このアルバムを初めて通して聴いた時のインパクトは大きく、「まさに自分が出会いたかったタイプの音楽だ!」という印象を受けました。
この曲も10位で選んだ『Juicy』と同じく、とても気持ちよくなれる曲ですが、雰囲気は全く違っていて、不気味で独特な哀愁が漂う一曲です。サビの前の気怠そうな弦の一音には、かなりの中毒性があって、ここの部分だけ何度も何度もリピートして聴いたこともありました。また、最後に訪れる転調が無駄なくスムーズで、神秘的な綺麗さが感じられます。
実写とイラストが入り混じったMVも、危険なストーリーと綺麗な空の対比に魅了されてしまいました。



8. 或る街の群青 / ASIAN KUNG-FU GENERATION

今までアジカンの曲は『ソラニン』『リライト』ぐらいしかまともに聴いたことがなかったですが、今年はアルバムを数枚通して聴く中で「こんなにも良いものだったのか!」と、今まで聴いてこなかったことを後悔してしまいました。
『マイワールド』『転がる岩、君に朝が降る』『海岸通り』など、他にもたくさん好きな曲ができたのですが、この『或る街の群青』は特にたくさん聴いた曲です。まず、タイトルがいいですよね。或る街の群青。
この曲は個人的に構成が大好きです。サビが終わった後の楽器の演奏のかっこよさ、そして"嫌になって投げ出した全部"から始まるちょっと落ち着いたフレーズから"異次元ヲ回遊"のギターのリズムの心地よさに繋がり、そのあとドラムをきっかけにしたサビの入り。これだけでも最高すぎるのですが、なんといってもラスサビの終わりにイントロの優しいメロディを持ってくるあたりがもう最高通り過ぎて至福です。同じメロディのはずなのに、ワクワク感があるイントロと切なさが漂うアウトロで、全然違って聴こえてくるのもこの曲の魅力だと思います。
楽器のかっこよさと歌声の力強さに感情が動かされる一曲です。



7. 木漏れ日と一緒に / BUMP OF CHICKEN

今年9月にリリースされたBUMP OF CHICKENのアルバム『Iris』に収録されている一曲がランクイン。敬愛してやまないBUMPがアルバムを出すのは約5年ぶりのことで、リリースを知った時はテンションがぶち上がりでした。
この曲は私にとって特別な意味を持つ曲です。というのも、コロナ禍でのライブ規制が解禁されて最初に行ったBUMPのライブで、当時新曲として披露されたのがこの『木漏れ日と一緒に』だったのです。そのライブはツアーではなく、2Daysのみのものだったので、参加できたことがまずとても嬉しかったのですが、そのライブでBUMPが大好きな友達と新しく知り合えたことも人生の中でかなり大きな出来事になりました。そんな思い出のあるライブで初めて披露された新曲が、2年以上の時を経て音源として公開されたわけですが、2年経ったあとでもちゃんとメロディも歌詞も自分の脳が覚えていて感動してしまいました。
最近あまり歌詞を見ないで曲を聴くことが増えてきたのですが、それでもやはり藤くんの言葉には信じられないくらいの力を貰っています。"平気だと決めたらなんだか平気な気がした それは痛み止めみたいなもんだと解っている" "訪れる当然の日々に 相槌さえままならなくて 会いたい人を思うことすら 避けてしまうだなんて"といったフレーズのように、自分が抱きがちな感情や思いを綺麗かつ的確に言語化してくれるところが、やっぱり唯一無二だと思います。
毎朝職場に向かう道中、ちょうど太陽と木々の葉が重なって光が漏れる場面に出会うのですが、そのときにこの曲とあの日のライブのことを思い出して、生きる勇気をもらっています。



6. Oldies / PUNPEE

ヒップホップというジャンルに触れたのも、今年が初めてでした。水曜日のダウンタウンが大好きなので、PUNPEEさんの音楽にはほんのちょっとだけ馴染みがあったわけですけど、曲をちゃんと聴いたことはありませんでした。
今回ランクインした『Oldies』は『MODERN TIMES』というアルバムに収録されている曲ですが、このアルバムも完成度が非常に高くて、各曲にちゃんと個性がありながらも全体として綺麗にまとまっている一枚になります。
そんなアルバムの中で一番聴いたであろう曲がこの『Oldies』で、温かくどこか懐かしいメロディには心が落ち着きます。曲の初めから終わりまで平坦に進んでいるはずなのに、仄かに泣きそうになってきます。言葉に関しても、サビの"例えば未来が〜〜"から始まるリリックには何度も背中を押されました。
他にも『Lovely Man』や『Rain(Freestyle)』も大好きで何度も聴きましたが、感動をもらったという意味で、この曲は自分の中で一線を画す存在になっています。



5. いっせーのせっ! / 中村一義

中村一義さんは、初めて聴くまで名前すら知らなかったアーティストになります。『いっせーのせっ!』は『金字塔』というアルバムに収録されている曲ですが、このアルバムも初めて聴いた時は、今まで聴いたことのないタイプの曲が多く、衝撃がありました。クオリティが担保された中での自由さが現れていて、まさに"音楽"というものを表現しているアルバムだと感じました。
中でもこの『いっせーのせっ!』という曲は、絶対真似して作れないというか、この人にしか歌えないものなんじゃないかな思います。聴いていると自然と元気が出てくるようなパワーを感じる一方、力が抜けたような緩さも感じられるところが魅力的な一曲です。歌詞も大好きで、"喜んどかないと、また暗い日が来んだよ。"とか "ちょっとはいいんだよ。苦しんどくのも。また明るい日が来んだろうか…来んだな。"といったフレーズには、現実のどうしようもなさとその中にある微かな希望が現れているような気がして、しんどい状況でも「なんとかなるかぁ」という気分になれます。



4. 夏の魔物 / スピッツ

この曲は2023年の末に聴くようになったのですが、2024年はそのままハマりっぱなしでした。【はじめに】で書いた『リスナーさんが選ぶ邦楽アルバムランキングTOP100』の中でも、スピッツのアルバムは何枚も登場していて、他にも好きになった曲はたくさんあったのですが、そんな中でもこの『夏の魔物』は、この1年で最も脳内に流れていた時間が長かった曲だったと思います。
この曲の雰囲気って結構不思議だと思うんですよね。言語化するのが難しいですが、イントロが結構ポップで明るい感じで始まりながら、所々に切なさとか闇っぽさが現れているような。曲全体をまとった独特なオーラに魅了されてしまいました。"僕を見おろして少し笑った"のメロディのずらし方がめちゃくちゃ好きです。ちなみに、この曲をシンガーソングライターの小島麻由美さんがカバーしている音源があるのですが、そちらもめちゃくちゃ良いです。原曲と違ってしっとりしていて、聴いていると気持ちが落ち着きます。表現の仕方でこんなにも変わることに、音楽の奥深さを感じました。



3. アクロバット / YELLOW MAGIC ORCHESTRA

いよいよTOP3になりますが、なんと1分ちょっとの長さの曲がこの順位でランクインします。もちろん曲の長さが好きになる理由に直結するわけではないんですけど、我ながらちょっと意外な選曲になっています。でも、ほんとうにしつこいぐらい何回も聴いた曲です。
この曲がこの順位になった理由のすべては、最初の15秒に詰まっている!といっても過言でないほど、その部分を何回も何回もリピートしました。数秒でこんなにも違う表情見せる!?という衝撃。そして気持ちよさ。例えば、サビの盛り上がりがすごい曲とか、サビ前のタメとかで気持ちよくなれる曲は今までたくさん味わってきましたが、これに関しては別にテンションが上がる!とかではなく、耳にすうっと入ってくる気持ちよさがあるんですよね。計算され尽くした心地よさというか。
YMOも今年何枚かアルバムを聴きましたが、その全部がめちゃくちゃ良かったです。アルバムとしての完成度が高くて、一曲一曲が全く退屈じゃない。ちゃんと曲の独自性が各々あって、やっぱり伝説的なグループだったんだなと再認識しました。他にも『ハッピーエンド』とか『千のナイフ』とか『ABSOLUTE EGO DANCE』とか、選びたい曲はありましたが、中毒性という意味ではこの曲がダントツでした。



2. 光の方へ / カネコアヤノ

正直に言ってしまうと、カネコアヤノさんは去年まであまり自分の好みに合わないアーティストだと思っていました。ほとんど聴かず嫌いをしていただけなんですけど、ちょっとだけ聴いた印象だと、(これはあんまりハマらないかなぁ。。)というのが率直な感想でした。
しかし、『祝祭』というアルバムを通して聴いてみたら、その印象が大きく変わったんです。いや、正確に言うと一度通して聴いただけではあまり変わらなかったのですが、中毒性とまではいかずとも、もう一回聴きたくなる欲求に駆られて、ちょっとずつ聴くようになった結果、もうどハマりしてしまいました。
今回選曲した『光の方へ』はその『祝祭』というアルバムには入っていないのですが(『燦々』に収録)、今のところカネコアヤノさんの曲の中で一番好きな曲です。
ベースのリズムが耳に軽やかに入ってくるところだったり、1番のサビの終盤の"隙間からこぼれ落ちないように"の後のギターの音作りだったりが、もう心地良過ぎます。そして、1番のサビと2番のサビの違い。2番のサビは楽器の音も増え、コーラスも入ることによって盛り上がりが際立ち、そこから"光の方へ"という力強いフレーズを繰り返すクライマックスへの流れは、もう何度聴いても鳥肌が立ってしまいます。この言葉の繰り返しに強烈なメッセージ性が現れているような気がして、大きな感動に包まれます。
心地良さと気持ちよさが融合した、特別な一曲です。




1. 群青日和 / 東京事変

2024年、第1位にランクインしたのは東京事変のデビューシングルである『群青日和』でした!今年やっと東京事変、そして椎名林檎さんの音楽をちゃんと聴くようになったということは、自分の中でかなり大きな出来事だったような気がします。恥ずかしながら、この『群青日和』も名前はずっと知っていたものの、ちゃんと聴いたのは今年が初めてでした。
『リスナーさんが選ぶ邦楽アルバムランキングTOP100』にも東京事変、椎名林檎さんのアルバムが何枚もランクインしていましたが、東京事変に関しては、個人的に本曲が収録されている『教育』というアルバムがかなり印象に残りました。(『スポーツ』も捨てがたい…。)
言わずと知れた超名曲なので、今更その魅力を語るのは蛇足かもしれませんが、もうとにかく全部がかっこいい。声も、楽器も、タイトルも、MVも。デビューシングルなのに、もう既に"椎名林檎"というボーカリストとして唯一無二のアイデンティティが確立しているのが凄いし、楽器の演奏もレベルが高すぎます。どんな言葉を費やしてもチープな表現になってしまいますが、まさにパーフェクトな一曲だと思います。音的な部分だけでなく、この曲の魅力は歌詞にもあります。"演技をしているんだ あなただってきっとそうさ 当事者を回避している"という言い回しだったり、出てくる言葉一つ一つの存在感が凄いんですよね。言葉選びも完璧。中でも特に好きなのが、一番最後のフレーズ、"青く燃えてゆく東京の日"。冒頭の"青く冷えてゆく東京"からつながっているこのフレーズですが、青く燃えてゆく"東京"ではなく、"東京の日"とするところがたまらなく好きです。一語でこんなに感情が揺さぶられるなんて…。その後のアウトロのメロディも綺麗で、『群青日和』というタイトルに納得感が出ているような気がします。
死ぬまでに出会えてよかった、と思える曲の1つです。




おわりに

いかがでしたでしょうか。
今年はたくさんの新しい音楽を聴いてきた分、ランキングに入れる曲の候補も多かったのですが、振り返ってみると、主に聴いていて気持ちよくなれる曲がランクインしているかと思います。また、今回は割とメジャーなアーティストや曲がランキングを固める結果になりましたが、それも【はじめに】で書いた通り、今までより素直に音楽を聴けるようになったことが大きかったのではないかと思います。(聴いてもどうせハマらないし…)とか(流行っている曲はちょっと、、)とか無駄な先入観や拘りを捨てることで、出会うはずがなかった素敵な音楽にたくさん出会うことができました。ということで、来年は今でも手を出すことができていない洋楽のジャンルにも触れていきたいと思います…!
今回TOP10で紹介できなかった大好きな曲もたくさんあります。そちらの方は、順位付けせず、順不同でX(旧Twitter)やInstagramの方に載せようと思いますので、気になる方がいましたら、この記事の下にあるリンクから是非チェックしていただけると嬉しいです!



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
2025年もまたこの企画が続けられていますように…!笑



(↓ 以下のお便りから、皆さんの今年聴いて良かった音楽を教えてください!その他メッセージ等も大歓迎です!)



▷ 【音楽のススメ】過去の記事

#1 古川本舗
#2 2020年檸の音楽TOP10
#3 きのこ帝国
#4 2021年檸の音楽TOP10
#5 読書にピッタリな音楽のオススメ4選
#6 最近のお気に入り曲 vol.1
#7 リーガルリリー 〜たかはしほのかが紡ぐ言葉たち〜
#8 2023年檸の音楽TOP10

(番外編)
・美しい詞 vol.1
・美しい詞 vol.2
・美しい詞 vol.3


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