子どものゲーム依存やネット依存にまつわる雑記と覚書
心理臨床オフィスinemuriです
私が小学生に関わる方々向けの講義をするときに、余談として一番盛り上がるのは実は「ゲーム依存」の話題です。(「UDフォント」などのユニバーサルデザインの話も盛り上がります)
ですので、簡単にですがゲーム依存やスマホ依存について書いていこうと思います。長くならない程度に・・・。
ゲーム依存は、特にオンラインにつながるゲームで起こりやすいとされています。内容がどんどんアップデートされて「終わりがないもの」に注意。それから「ガチャ」のギャンブル性の高さも、依存を高める要因になっています。
ゲームのことを考えるとき、ネットとの関わりも考える必要があります。
子どもとネットについて
私は、以前、社会的養護の子どもたち(元々の家で暮らすことが難しい子どもたち)に関わる分野で働いていました。そこでは、主に【高校生以上の子どもとスマホの関係】について考えさせられることが沢山ありました。
職員が子どものころとは時代が変わり過ぎて、子どもたちの感覚を理解することもできず・・・そういったこともネックの一つでした。
とはいえ、一緒に暮らしている他の子どもの写真を、勝手にアップしてしまうなんていう事故もありましたから、職員たちが神経質気味になったとしても仕方ないところ。
スマホについて何時間も討論したり、勉強会が開かれたりもしました。
スマホの機能を制限する機能、ダウンロードしたアプリを監視できる機能など、色々な機能を調べて活用していましたし、機種自体をプリペイド式のものにすることもありました。
しかし、子どもはいつも一枚上手。
ゲームボーイをwi-fiにつなげて、こっそりLINEをしてたり・・・。
子どもたちの間ではwi-fiが漏れている近所の家が共有されており、寒空の下、道端でもらいwi-fiをしていることも・・・。
単純に娯楽というだけではなく、子どもにとっては何らかの死活問題でもあったのでしょう。
性の情報が氾濫したこの国で子どもたちは真っ当に性を学べるのでしょうか
私が子どもとネットについて心配しているのは、課金や情報流出、依存についてだけではありません。
やはり以前の職場で、私は性教育についても学びました。ちょうどその自治体は保健師さんたちが性教育を頑張っていると評価が高く、私はそのおこぼれを頂いていました。
ある日、職場で保健師さんによる研修を受ける機会があり・・・
日本の性の情報の氾濫について。コンビニの誰もが入れるエリアに、セクシーな雑誌が置いてあること。子どもたちはそれを手に取れてしまうこと。
10代~20代の青年男性向けの雑誌の性の情報が偏っていること。避妊の方法や、女性の体についてなどの情報はほとんど載っておらず「ラブホテルで初めて行ったと彼女に悟られない方法」などの特集が組まれていたり・・・。何ページもわたる特集でしたが、コンドームなど避妊の情報は五センチ四方もありませんでした。
そして、多くのアダルトビデオやレディースコミックスの性行為のシーンは、乱暴なものが多いこと。
最初は抵抗していたけど ⇒⇒⇒ 最終的には「いい」
みたいなものが大半であること。
そんなことを学びました。
成熟した大人はこれがフィクションであることがわかります。もちろん子どもだって愚かではありません(すべてフィクションと思い込みはしません)。けれど、やはり子どもはまだ未熟なところがありますから、影響を受けること・その刺激からショックを受ける可能性は否定しきれないと思います。
嫌がっていても最終的に「いい」なら、良いじゃないか
そういうパターンを、子どもたち(の一部)が学びやすい環境が日本にはあります。
私は欧米がすべて優れていて、日本がダメとは思っていませんが、例えば、オランダの性教育では、男子に向けて、勃起した状態の性器の模型に手探りでコンドームを付ける練習があったり、コンドームを配布し、暗闇の中でも着脱できるように練習するように宿題を出されたりもするそうです。日本とは大きく違いますね。
欧米の子どもさんでも、日本流の教育の方が合っているという子もいると思いますけれど・・・。
保健師さんたちは、この日本の現状、子どもたちがネットでいくらでも無料動画にアクセスできてしまう現状をとても心配していました。
ですから、ネット教育と同時に、正しい性教育も必要になってきます。
たくさん脱線してしまいました。
私もお伝えしたいことが沢山あって、じつは、もっと先まで書いたのですが少し押しつけがましくなってしまいました。
ですから、ここからはまずはゲーム依存・スマホ依存について知るための資料を載せていきますね。
また、改めてどこかでゲーム依存についての考えをまとめたいと思います。
ゲーム依存を知るうえで役立つリンク集です。
13歳の息子へ、新しいIPHONEと使用契約書です。愛を込めて。母より
プルスアルハさんの子ども情報ステーションより
ネット・ゲーム・スマホがやめられない…(ネット依存?ゲーム障害?)
久里浜医療センター インターネット依存症治療部門
ゲーム依存、全国調査で実態判明 インタビュー樋口進院長(久里浜医療センター)長時間ほど多様な問題
久里浜の院長 樋口先生の本
こちらは私はまだ読めていないのですが、なか見!検索で見てみると、非常に良さそうです。
これらの本にも書かれていますが、発達障がいの特に「ADHD」はゲーム依存と親和性が高いと言われています。
このあたりのことは、以前は、朝日アピタルの中島美鈴先生のブログにわかりやすく書かれていたのですが。記事が消えてしまったようです。残念。
ADHDのある人たちにとって、ゲームは脳の最高のごほうびになりえます。やりすぎているからといって、奪ってしまうのはちょっと待って。
なんらかの不足感や不全感をゲームで埋め合わせて、必死で生活しているかもしれません。
それから最後に紹介するのはこちら。
依存症当事者として回復しながら生きている渡邉洋次郎さんの著書。
『下手くそやけどなんとか生きてるねん』
ゲーム依存のこれから
久里浜の樋口先生も記事の中で、何らかの規制が必要だろうと話されていました。香川県でも、全国初のゲーム依存症対策条例の策定作業が進んでいるそうですね。
今後は、(適切な)規制と予防のための研修活動、が大切になっていくのではないかと思われます。私が考えたことではなく受け売りですが、ゲームに詳しいゲーム会社の方たちが、小学生などにゲーム依存ネット依存の予防啓発をしてくれるのが良いようにも思います。
e-sportsの選手の方たちは、ゲームの時間に規制がかかったりしたらトレーニングが大変かもしれませんが。各所折り合いをつけて、時には強行突破もしながら(?)、子どもたちの脳と生活を守っていって欲しいなと思っています。
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