わたしの部屋の時計
電池が切れて、そのまま放置している壁にかけた時計。
そのまま数年経っている。
ふと、今日見上げて、なんだかわたし自身をあらわしていると思った。
時が止まったかのような容姿という意味ではない。
時間が過ぎ、埃だけかぶって動かぬまま、そんな悪い意味で。
なんだよ、ネガティヴかよ!
いいえ、自省をこめてである。
というのも、
大好きな友達が海外に渡るという報せを受けて、
なんだか田舎で暮らす自分とのスケールの違いというか、
ステージの違いというか、
諸々の違いをひしひしと感じ、
わたしは今までいったい何をしていたのかと
浦島太郎な気持ちになった為である。
心がざわついて仕方ない。
わたしには小説を商業出版したいう、内に秘めていた願いがある。
しかし公務員になる道を選ぼうとしていた。
そんなときに、彼女の海外移住の話である。
彼女みたいに、夢、追いかけなくていいのか、わたしよ。
もう一人の自分がわたしに、奥底にしまっていた疑問をぶつけてくる。
いやいや、人生甘くない、食っていくのには、安定した収入が1番。
堅実派なわたしがブレーキをかける。
それでも、もう一人のわたしは言うのだ。
そんな臆病な生き方で、頑張ってる友達に頑張れって言えるの?
かちっ
わたしの中の止まっていた時計が動きだす。
友よ、ありがとう。
2年以内に自筆の本を贈ります。
そして、さよなら、チキンな自分。