習いごと
■ スイミング
小1の夏に、宮古島で泊まったホテルにオプションで付いていたアクティビティから「シーカヤック体験」を選んでみました。
最初、息子は、物凄く抵抗していましたが、いざやってみると、透明度の高い海の中を泳ぐ、色とりどりの魚に目を奪われ、終わった後も、歩いて海に入って行こうとするほどでした。
泳げるようになったら、もっとよく魚が見えるよ、ということで、小2の頃から、近くのスポーツクラブで週1回、娘も一緒にスイミングを始めることになりました。
実はこのスポーツクラブには以前から娘がバレエを習いに行っており、息子も時々はついていくので、良く知っている場所でした。
放課後児童クラブからも近くて、他にも同じ学童から利用している児童が多く、学童からそのまま通う子もいましたので、日によってはそうすることもありました。
帰りは「送迎バス」が自宅の近くを通るので、それを使うことが多かったです。利用者が少ない送迎コース・時間帯だったからか、運転手さんとも親しくなり、卒業する時の最後のバスでは別れが辛かったようです。
息子は、最初はもっぱら「潜水専門」でした。
実は赤ちゃんの頃、沐浴の際に、洗い流そうとシャワーを掛けると、何故か仰向けになり、目を見開いて顔面で思い切り水を受ける、という行動に出ていましたので、その頃から「泳げないはずはない」と思ってはいました。
その予想通り、上手いとは言えないまでも、普通に泳げるようになりました。その後も低学年の間は、夏休みに海のある所に家族旅行に行きましたので、海中を堪能できるようになりました。
それにしても、保育園の園長の「偏見」からプール遊びができず、その後もずっと泳ごうとしなかったことから考えると、大きな成長です。
学校でも、それ以降はプールの授業が楽しみになったようでした。
筆者も決して速くはないのですが、それなりに泳げます。出身の土地柄もあるのかも知れません。
小学3年生までは、顔を水に浸けることもできませんでしたが(幼児期に銭湯で溺れたことが原因らしい)、4年生(不登校を起こす前です)の夏休みに「何でもいいから25m泳げるようになること」という、今考えたらとんでもない「宿題」が出ました。
基本的に顔を水に浸けなくてもできる泳ぎ方としては「平泳ぎ」や「犬かき」が考えられますが、筆者の場合「平泳ぎ」はとてつもなく時間がかかります。後に高校の時にタイムを計ることになったのに、あまりに遅すぎて20mの手前で「打ち切り」にされたほどでした。
そうかと言って「犬かき」では25mも体力が持たないため、たどり着いたのが「背泳」でした。
その後、顔を水中に入れられるようになって、更に「息継ぎ」もマスターしたので「クロール」でも泳げるようになり、今に至ります。
筆者自身の大学の「体育」の授業では、年1回の「水泳」でプールに入りさえすれば「単位」をもらえる、という「噂」がありました(どうやら事実だったらしい)。
でも実は、大学に「プール」はなく、隣の高校や中学校のプールを借りていました。
とりあえずは泳げますので、いざ勇んで泳ごうと思ったのですが、2年の時は天候が悪く、水が異常に冷たかったため、足が攣ってしまいました。慌ててプールサイドに上がろうとしたら、反対の足も攣り、危うく中学校のプール(水深約1.5m)で溺れるところでした。
なお妻は、ほとんど泳げないため「プールのないところ」というポイントで高校を選んだそうですが、現在、息子が通う高校にもプールがありません(娘の高校にはあるようです)。
中学校までは、それなりに泳げることで「プール」の授業が少し楽しみだったらしい息子にとっては、ちょっと残念かも知れません。
■ 空手
そのスポーツクラブで、娘が参加するバレエの後のコマに「空手」のプログラムがありました。
その空手の先生がとても子供好きな人でした。
バレエが終わるのを外で待っている時に、一緒についてきていた息子のことをよく構ってくれてたりもしていたので、この先生なら、と、空手も始めてみることになりました。
小さな男の子にありがちな「見えない敵」との戦いのような動きができるんだから、空手の「型」とかもできるんじゃないかな、という期待もありました。
この「空手」のプログラムは、スポーツクラブ直営というよりも、提携している空手道場から先生が派遣されてくるもののようです。
そのため、本格的な道場での稽古よりもかなり「ユルい」教室でしたが、基本はきちんと指導してくれますし、何より「礼節」や「他者への配慮」などにも重点が置かれていて、息子にも向いていたようです。
ただ、性格的に「争いごと」が苦手で、運動会でも「騎馬戦」などのようなものは敬遠するタイプなので、「組手」などは好きではありませんでした(ちなみに、この派遣元の道場はいわゆる「フルコンタクト系」の流派です)。
そこで「型」だけでも何とか、とは思っていたのですが、少しして先生が事情で変わってしまいました。それでも続けてはいましたが、ずっと「白帯」のままでした。
4年生の終わりくらいに、先生から「昇級審査、受けてみる?」と言われ(ほぼ100%合格らしいですが)最初の「オレンジ帯(10級)」になったら、自信が付いたようです。
その後2回の審査を経て「青帯」(といっても「8級」ですが)までにはなりました。
これは(審査の会場にもなる派遣元の)道場の師範が、昇級審査の最後に言ったことですが「審査に合格して『色帯』になるということは「白帯」の入門者にとっての「手本」になるということ」たと。
その言葉のとおり、息子にも「自覚」が芽生えたようで、教室では積極的に小さな子の面倒を見るようになりました。
「空手」そのものはともかくとして、精神面では色々と「鍛えられた」のでしょう。
■ 効果について
バレエ・スイミング・空手とも、小学生以下が対象のプログラムでしたが、6年生終了時点で在籍していたら、中学生でも続けられる「特例」はありました。
が、二人とも「区切り」と感じたのか、そこで終了することになりました。
特別支援学級、放課後児童クラブ、そして習いごとと、多学年にわたる環境を色々と経験したことは、息子の「成長」に大きな影響を与えたのではないかと思っています。
「泳げるかどうか」はちょっとしたアドバンテージになり得るとは思いますが、その他の習いごとについてはほとんどの場合「その道を究める」レベルまではいかないと思います。
が、そのくらいが「ちょうどいい」のではないか、と感じています。
むしろ、定期的な(毎週◯曜日は***がある、みたいな)「予定」ができることにより、生活の「リズム」ができたり、集団で行うようなものならば「コミュニケーション」力の向上につながったり、ということが、自閉スペクトラム症などの「発達障害」を抱える子にとっての「習いごとをするメリット」かも知れません。
スポーツ系だけではなく、昔からよくある「習いごと」の代表格である「ピアノ」や「そろばん」などでもいいのかも、と思います。
そしてその後、息子は「全国大会」に出場することにもなる「スポーツ」と出会います。
それはまた、改めて別稿で触れようと思います。
もちろん、本人が興味を持てないものをさせることは逆効果になるでしょうから、本人の個性・特性・興味に合わせて、できそうなものを探す必要があると思います。
卓越したレベルにはならなくとも、繰り返して「練習」などをすることで、少しずつでも技能が向上することが、本人にとってもいい影響を与えるでしょうし、親から見ても、具体的な「成長」を感じられることにつながると思います。
多少「費用」はかかってしまいますが、本人の得意そうなもの、興味を持ちそうなものから、何かやってみてはいかがでしょうか。