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第十五回:アグリツーリズムを取り入れて小規模農家の可能性を拡げる

今回は2024年4月に発売された新書を紹介します。
タイトルは「Pick-Your-Own Farming: Free Yourself from Farmers Markets and Join the Agritourism Revolution! 」 Megan Neubauer (著)です。

この本はイチゴの観光農園のように自分で収穫するスタイル(Pick-Your-Own Farming)の可能性について書かれた本です。

また改めてアグリツーリズムとはどういうものなのか?という事についても考えさせられる内容になっています。

これはより多くの作物を育てる方法を教える園芸アドバイスの本ではなく、アグリツーリズムを通じてより多く販売する方法を示す本です。

日本でもイチゴやブルーベリーなどは自分で収穫する販売方法は一般的ですが、野菜やカットフラワーなどの領域ではまだまだ開拓されていません。
小規模農家の販売方法としてはJAに卸したり、直売所やCSA(日本では少ないですが)などが一般的です。

テキサス州マッキニーの Pure Land Farm の Megan Neubauer 氏は、農産物直売所で苦戦した後、自分の農場で自分で収穫する農産物をより収益性と効率性の高いものにした方法について、彼女の経験をもとに本を執筆しました。

特徴的なのが彼女の販売期間は8週間(週4日で午前中のみ)だけで、それ以外の販売は一切せず、圃場管理のみという所です。

それでも年間7500人もの人々が彼女の農園に足を運び、彼女は十分な収益を獲得しています。

農業の大きな課題である、利益率をどうすればあげられるのかという問いに大きな可能性を感じさせてくれる本だと思いますので、ぜひ皆さんに紹介したいと思います。


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