たかがアイロンがけだが、40年間のこだわりがあるのだ
夏場で気になるのがシャツのシワだ。
シャツを着る本人はシワだらけだが、仕事中は少しでもシャキッとした雰囲気にしたいので、アイロンがけに力が入る。
今は、療養中なのでTシャツか着古したシャツだが、来週からは仕事に復帰する。毎日のアイロンがけが復活だ。気合が入る。
アイロンがけと靴磨きは人に任せないから、結婚しても自分で毎朝かけている。まとめてかけたらいいじゃん、と妻からは言われるが、かけたて(?)のシャツがやっぱり気分がいいので、毎朝かける(面倒くさい奴)。
綿100%のシャツは、アイロンをかけるとビシッとするから気持ちいい。
愛用のアイロンは松下電器(現パナソニック)製で、スチーム機能のないオールドモデルだ。
最近のアイロンはスチームが強力だが、スチームでは物足りない。
私は霧吹きを使う。これで、全体を湿らせて、最高温度に設定して、すばやくかける。これが極意だと思っている。
テレビ番組「ためしてガッテン」によると、布は湿らせた後にドライでアイロンがけしないとシワが伸びないそうだ。スチームアイロンだと、ついそのままかけ続けてしまうが、それではピシッとならないのだ。
私がスチームを使わずに、霧吹きと高音のドライアイロンなのは理にかなっていたわけだ。
シャツによっては、襟と袖口に糊をスプレーしてさらにカリッとさせる。
そこまでするならクリーニングに出せばいいじゃないかとなるが、お金の問題ではない。シャツが傷みやすいのと逆にシワのなさ過ぎが嫌なのだ。
言っていることが矛盾するが、シャツは時間と共に少しヨレてくるのが味だから。仕事が終わった夕暮れ時、居酒屋に入ってもシワひとつないのは野暮な感じ。
特にオックスフォード地のボタンダウンは、糊とか利かせないナチュラル感がカッコいい。
参考までに、私のお手本3人の写真を引用する。
※上から、スティーブ・マックィーン、ポール・ニューマン、アンディ・ウォーホル。すぐれたアーチストたちはシャツの着こなしもお見事。
私もこんな風に自然体で着たいと、毎日アイロンかけながら意識してきたが、40年経っても納得できず、既に人生の夕暮れ時になってしまった。このままヨレたままで行くしかないか、野暮は嫌だし。