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俳句と女の話と
8月の終わり、男に捨てられた女に呼び出された。
夏の夜、空気は重く足下に絡みつく。吹く風に秋の粒が少しだけ混じっているがお構いなしに汗は流れる。今夜の月は青く澄んでそれだけで救われる気がした。
鍵のかかってない部屋に入ると女は暗闇でうずくまっていた。
チューハイの空缶が所在なく転がっている。
女は泣いていたのだろう。空気の密度がそう告げる。
テーブルに伏せたまま静かに寝息を立てている。
やれやれ。
俺は転がる空き缶をまとめてキッチンのゴミ箱に音を立てないように放り込む。
シンクには食べ終わったカップラーメンの容器が恨めしげに俺を睨む。
俺は窓際のイスに腰掛け女の汚れた横顔を眺めながらタバコを取り出す。
月の光が薄く薄く女の顔に薄化粧をほどこしていく。
ふと窓の外を見ると秋祭りの橙色の提灯が風に揺れていた。
吹く風はやはり秋を告げている。
女の涙を乾かしながら。
捨てられし女とラーメン空容器
お彼岸終わって少しは涼しくなるのかな?
いやいや夏はけっこうしつこい。
たぶんストーカーってこんな感じ?笑笑