友人の1人は花を使った装飾家となり活躍している。 友人の1人は執筆や写真で素晴らしい作品を生み出してる。 友人の1人は立ち上げた会社が上手くいかなくて消えてしまった。 小学生だった女の子は希望の大学に合格して北の大地に旅立った。 俺はといえば家と店との往復の毎日で何か何かがすり減っていくようだ。 少しずつ少しずつ自分が削れていって、細い板のような心持ち。 若葉の間で散るに散れない桜のようで柔らかい風が恨めしい。 でわでわ 桜散る若葉の間に残されて 散れなくて残りし花の
今日は冬と春の間の日。 梅の香がさみしさを連れて春に駆け出す日。 背中は暖かく、顔は冷たい風にさらされる。 そんな冬と春との間の日。 子供らの瞳が真昼の月を凝視する。 でわでわ 朝焼けと月の間で駆ける冬 白梅や香り仄かに冬を駆け 春の宵涙甘露のごとく沸き 冬から春にかけては心が不安定になります。 無駄に揺れて堕ちていく。 春は生と死に満ちている。
電灯に映し出された冬の影は とこかぼんやりとして、儚げで、寂しげで 頼りなげに揺れている。 アスファルトにうごめく誰彼の様々な感情。 俺は右手を上げてみる。 右手の影は俺の右手じゃないみたいに動く。 左手を上げてみる。 左手の影は俺の左手じゃないみたいに跳ねる。 風の冷たさに震えるわけでも、泣くわけでもなく、影は影としてアスファルトの上を漂う。 影をじっと見つめる。無くなりそうな両手をコートのポケットに突っ込んで。 やがて影は足元からゆっくりと離れ、ゆっくりと起き上がり、ゆっ
商売をやってる限り一番大事なのはお金。 お金がなきゃ大好きな花屋も続けてはいけない。 お金より大事なものはある!そりゃそうだ。 でも、背負うものが増えれば増えるほどその言葉は軽くなりどこか遠くの世界に感じてしまうのです。 お金と同じくらい花が大切だから花屋なのだ。 お金と同じくらい本が大切な本屋、雑貨屋、ご飯屋さん。そんな店で僕はお金を落としたいなー。 まあ、お金は大切だなーと感じる今日この頃です。 でわでわ。 秋風の提灯揺らして踊る影 凛として十五夜影も濃くなりて 金
市場に行く時はいつも4時起きで秋と言えども暗くて寒い。心のように暗くて寒い。 秋と冬との狭間にはぽっかりと深い穴が広がっている。深い穴の誘惑に堕ちないように堕ちないように顔を上げれば東京も明け方星は輝いてる。 唯一知ってるオリオン座が金木犀の香りにゆらり揺られて道照らす。 でわでわ。 オリオンを背に空を飛ぶ秋の夜 弾けませ飛びませ心秋の空 秋桜の萎れて冬が忍び込む 朝晩は本当に寒くなって近くの小学校ではインフルエンザで学級閉鎖とか。 みなさんもご自愛くださいませ。
東京は雨降りなのです。 久方ぶりの冷たい雨。 雨に打たれた彼岸花。 妖しく手招き、こっちにおいで。 街は静かに雨に打たれて夏の喧騒は幻のように消えていく。 俺にも犬にも猫にも花にも平等に雨は降りまた今年も秋がくる。 でわでわ。 曼珠沙華開いて彼岸の道しるべ 秋風の提灯揺らして踊る影 いちじくの葉に風揺れて夏堕ちる 朝晩は寒いです。インフルエンザも流行ってるみたい。 みなさんどうかご自愛くださいませ。
8月の終わり、男に捨てられた女に呼び出された。 夏の夜、空気は重く足下に絡みつく。吹く風に秋の粒が少しだけ混じっているがお構いなしに汗は流れる。今夜の月は青く澄んでそれだけで救われる気がした。 鍵のかかってない部屋に入ると女は暗闇でうずくまっていた。 チューハイの空缶が所在なく転がっている。 女は泣いていたのだろう。空気の密度がそう告げる。 テーブルに伏せたまま静かに寝息を立てている。 やれやれ。 俺は転がる空き缶をまとめてキッチンのゴミ箱に音を立てないように放り込む。 シン
26日の土曜日に縁あって句集広島を素晴らしいオペラ歌手が歌う公演に行きました。 広島への想い、平和への想いが会場全体を包み込み鳥肌が立ちました。 打ち上げにも参加させていただき俳人や詩人、オペラを愛する人達とお話しさせていただき心が浮き立つくらい楽しかったです。 やはり、部屋の中にこもっていてはいけませんね。 書を持ちて街に出ようです笑笑 でわでわ。 柿の実の青さや蝉の声止まず 青き実の熟せず落ちる俺に似て いちじくの葉に風揺れて夏堕ちる 色んな句会、同人の方がいら
風が吹いて 夏の終わり 風が吹いて 蝉の声は鈴虫の音色に変わる。 蓮の花萎んで落ちて、不忍池に広がる蓮の葉の大草原。 風が吹いて 何かが心をざわつかせ 風邪が吹いて 葉の下で水面が揺れる。 目には見えない。だけど感じる。ほら、また水面がいま揺れた。慌てる心がいま揺れた。 風が吹いても 空を見上げる 風が吹いても 月は歪まず。 風よ吹け吹け 熱冷ませ 風よ吹け吹け 背を押して 吹く風を背にはらみ 吹く風を心にはらみ 真っ直ぐ真っ直ぐ歩いてく。 毎日毎日暑いですね
ねえ、今日さ 俯き加減で彼は話す。 俺たちは公園のベンチに座ってる。 秋の始まり、金木犀の香りが揺れている。 街灯の侘しい灯と昼間の熱の残りが金木犀の香りを強くしている。 またドッジボール顔にぶつけられたんだ。 そうか、そりゃ痛かったろ、いつもの奴らか? うん。いつもの2人組。あいつら絶対わざとだよ。五年生にもなって子供みたいなんだ。 彼はボールが当たったところなのだろうか、おでこ辺りを摩りながら口を尖らせてる。 子供みたいか。思わず笑いそうになりながら俺は彼の頭を
花屋は母の日ウィーク。店先には主役は俺だとカーネーション。 でも最近はカーネーションを贈る人が少ないんです。代わりにバラや紫陽花が下剋上! 花屋は花屋でこの時期くらいしかカーネーションの鉢は仕入れないのだけれど。 でも、改めてよく見るとカーネーションは美しい。切花のカーネーションは見慣れてるけど鉢物のカーネーションはまた印象が全然違って可愛いらしさの中に凛とした美しさがあります。 うん。売れ残ったら連れて帰ろう!これぞ花屋特権!笑笑 でわでわ。 子供らが笑顔で抱える赤い花を
暑いですねー!久々に仕事中に投稿。 店先の季節先取り紫陽花がこれまた季節先先取りのハイビスカスと顔見合わせて何やらヒソヒソ話してる笑笑 僕の中では夏と言えばサイダーなのです。まあ夏じゃないんだけれど笑笑 子供の頃に一度だけ父親の職場に遊びに行って、お昼休み会社の近くの喫茶店に連れて行ってもらったんです。 暑い暑い夏の日。 何を食べたか忘れてしまったけれど、食後に出てきたサイダーの薄い青は鮮明に覚えています。 グラスの中の薄青色。 氷に纏わりついて遊んでるような小さな泡。 ス
心が弱ってる時はあまりSNSなどは見ない方が賢明だね。隣の芝生が黄金色に輝いて見える笑笑 卑屈で矮小な僕は闇の中から羨ましそうに眺めるだけ。 唐突だけど、中原中也が日記で、息子が詩を好きになってくれたらいい。二代がかりなら可なりなことができよう。と書いていた。子供の頃は単純に凄いなー!詩人って。とか思ってたけど多分違う。 中也はただ嬉しかったんだよね。文也が生まれて一人きりじゃなくなって。ただただ嬉しかったんだ。詩なんて関係なく嬉しかったんだ。 そして、文也が亡くなってただ
卒業、送別、入学と、春の第一弾花ラッシュも終わり実にひと月ぶりのお休みです。 僕の部屋からはいい感じに桜の木が見えるのですが眩しさに目を開いたら葉桜がキラキラと風にそよいでご褒美のようでした。 でわでわ。 チューリップ開いて閉じて夢の中 枯れ花の見る春の夢切なくて 切りすぎた前髪おでこを風撫でる 髪が伸びすぎたので1000円でカットして心機一転。 来週も予約はいっぱい。頑張ろう。
卒業式、送別、入学式と春シリーズ第一弾を乗り切り頭の中は空っぽです。 空っぽの頭に春の風が新緑を鳴らして自分が春に馴染んでく。 葉桜の隙間から八重桜が覗いてる。ひっそりと。 少し恥ずかしそうに。 でわでわ。 傘を打つ雨音ごとに桜散り 頭垂れふと目の先に赤椿 ブランコを押す風葉桜サラサラと 葉桜を春風わ鳴らして背中押す もう少し忙しいけど、とりあえず寝たいです笑笑
花屋は卒業花束ラッシュ。青色吐息で完走しましてご褒美の春の雨音が心地良い。 金曜日の夜、雨の日はさすがに花見の酔客もおらず桜もひと息ついている。 春の雨は救いの匂いがして好きです。 でわでわ。 ぜんざいの湯気に貴女の笑顔揺れ わたくしと言う銀河見つける春の夜 酔客を尻目に猫と花見酒 春雨の夜のあなたの吐息には かすかに草の匂いがしている 雨はしとしと。花は散らないかな。 散る花もまた美し。