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この記事は○分で読めます。とか


突然ですが、「この記事は○分で読めます」という文言を何らかの記事冒頭で見かけたことはありませんか?

僕も「この記事は○分で読めます」というのを
最近よく見かけるのですが、
あの設定時間で読めたことがないです。
そもそも読むのが遅いという弱点が自分にあるため、仕方がない感じもしますが、それ以上にあの文言の存在自体がどうも苦手です。

例えば、せっかく気になった記事を読んでみようと開いたページの先頭に
「この記事は5分で読めます」なんて書いてあった日には、急に砂時計をひっくり返されて、
謎の男に「さあ!5分以内で読むんだ!さもなければお前を社会不適合者として大勢の人前で祭り上げてやるからな!ざまあみやがれ!」と言われてる気分で「はやく読まなきゃ祭り上げられる!」と大変プレッシャーである。
謎の男はもちろん黒ずくめで正体不明である。
意外と高身長で常に上から物を言ってくるようなヤツである。
身体のどこかに小さなナイフを隠し持っているはずだ。

さて、そんなことはどうでもいいんですが、
「この記事は〜」の一言が冒頭に入っているだけで、急に競技感が出てくるのである。
「5分以内で読めます」が「5分以内で読んでください」と言われてるようなもんである。
いつのまにか大会にエントリーさせられている感じだ。

別に気にしなければ良いだけなのだが、
気にせずにはいられないぐらい目立つ場所に毎回アイツが鎮座しているから、大変困る。

なんでアイツあそこにいつもいるんですかね?
僕だけでしょうか?
いつから、あんな偉そうに記事や電子書籍の冒頭を陣取っているのか。誰の許可を得て、あの位置を獲得したのか。
「私がこの記事を書きました」と言わんばかりの面持ちである。
筆者にもっと敬意を払って欲しいものだ。

しかし、
世間のビジネスマンにはアイツがいることで、
仕事の合間や通勤時間を効率的に使うことができるから、意外と人気なのである。
意外と支持派が多数なのである。

まずい。
このままでは、この先に出版される全ての本の冒頭にアイツが鎮座することになってしまう。
そして速読が主流になっていって、読書が一気にスポーツ化してしまうことになる。
そうなってくると、なんかもうeスポーツみたいなことになって、世界大会とかアメリカで開かれたりして、オリンピックの正式種目にエントリーするとかしないとかで、ネットニュースがてんやわんやである。
「冒頭のアイツ」が世間を騒がせる日も遠くない。

大いにまずい。
このままだと冒頭のアイツがいることで、
読書がスポーツになってしまいかねない。
読書ぐらい自分のペースで読ませてほしいところだ。

そんなことを考えながら、
ネットを調べてみると意外と「冒頭のアイツ」否定派が多く存在していることがわかった。

しかも、多くの議論が数年前から交わされていることもわかった。

自分だけじゃないということがわかって、少し安心した気持ちもあるが、
それ以上に「冒頭のアイツ」が登場したことにより、すでに世間を騒がせていることがわかった。
「冒頭のアイツ」の登場で大きく読書の形が変わっていっていることもわかった。
つまり「冒頭のアイツ」が多くの人間の考えを変え、多くの人間の行動を変えていた。

ということで、僕は「冒頭のアイツ」に憧れています。(報告)

おわり

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