テレワークに向いてない
集中できない。 集中できないぞ。
つい最近まで
自分の会社がテレワークだったのだが、
家で仕事ができない。
家で仕事ができないのだ。
WiFiもあるし、ペットも飼ってないからちょっかいを出してくる者もいない。
だけど、家で仕事が出来ない。
実は受験生の頃から、
もともと家で勉強ができないタイプだったのは隠しきれない事実だ。
誰かに見られてないと、なかなかやる気スイッチが入らず、
だらけてしまうのはもちろんのこと、
周りを見渡せばゲームや漫画がうじゃうじゃあるような場所で仕事など出来るわけがない。
仕事でもないのに最近はnoteですら、
家で集中して書くことができないため、
どこかに出かけて書いたりしているほどだ。
(自粛期間は家で書きましたよ)
そんなことを考えていると、
「学生時代、テスト直前に家の掃除をよくしていた」という記憶が頭の片隅で威勢よく手を挙げている。
集中できる部屋にしようとキレイに掃除するのだが、結局、昔読んでいた漫画を発見して、全巻読破してしまうという結末に至るのは今も変わらない。
それでもこんな時代なんだし、
集中できないなんか言ってられないため、
「掃除」以外の何か対策を考えなければ。
そこで僕が実際に自粛期間にやっていた、
テレワークのお供が、
YouTubeの「勉強動画」だ。
ただひたすら人が勉強や作業をしている様子を映し出すという動画で、
長い動画だと、3時間程度のものもある。
その動画を流しながらだと、
誰かがそばで作業している感じがして
なんとなく仕事モードに入りやすいため、
たとえ家だとしても、
ものすごく仕事に集中できる。
すごい!
誰が考え出したのかわからないが、
自分みたいな「誰かに見られている状態じゃないと集中できない」タイプの人間の需要に完璧にマッチしている。
バリエーションも多いため、飽きもこない。
至れり尽くせりである。
「これさえあれば、百人力だ!」
ものすごい勢いで仕事がはかどっていく。
まるで「水を得た魚」であるし、
「鮭を得た熊」でもあるし、
「ピザを得たデブ」でもある。
これから充実したテレワークライフを送っていけるに違いない。
しかし、そこから1週間が経ったある日、
事態は急変した。
いつも通り勉強動画を流しながら、
テレワークをしようとする。
なり「くしゃみ」
動画「くしゅん。」
なり「飲み物」
動画「ゴクゴク」
なり「消しゴム」
動画「ゴシゴシゴシゴシ」
…
大変だ。
動画を見すぎて、
動画の中で勉強している人の次の行動が予言できるようになってしまった。
まずい。こんなことが起こるとは。
バリエーションが多いといっても、一つの動画の時間は最大3時間程度であるため、
1週間もすれば動画を何周もすることとなる。
しかし、ここでみなさんは思うだろう。
「何回も見ているとなんとなく覚えてくる」ということはあっても、
最大3時間程度の勉強動画の内容を予言できるほど暗記など本当にできるのか。
できる。
というか出来ました。
自分でも分からないが、
なぜか
勉強動画の内容にすさまじい暗記力を発揮してしまい、自分の脳が仕事内容よりも勉強動画をメインにフル稼働してしまったようである。
こうなってくると「次の行動を予言したい」という謎のゾーンに入ってしまって、
テレワークよりも予言がメインのテレワークになってしまっている。
これが予言者のテレワークであれば素晴らしいが、
会社員のテレワークの中では最下層の作業状況である。
頭の中では「予言しちゃダメだ、予言しちゃダメだ」という碇シンジみたいなことになっているが、
体は「予言したくてたまらない」という精神状態になっていて、
自分の中のノストラダムスが暴動を起こしている様相である。
もうこんなの集中など出来るはずがないし、
「テレワークしてたら予言者になってました」なんて、恥ずかしくて自粛明けに同僚に顔向けできない。
だいたい自分はこれからやってくるであろう「テレワーク全盛期」に対応していけるのだろうか。
だからこそ、ここでひとつ予言したい。
自分はこれから先も、テレワークに向いてない。
おわり