エレベーターは一人で乗りましょう
最近、某芸人さんがテレビで話したエピソードトークが炎上しているらしいと聞きました。
なんでも、「エレベーターに乗ろうとしたら、先にエレベーターの前で待っていた女性に『先にどうぞ』と順番を譲られた。何か疑われていると思い、女性の反応を見るため、エレベーターで目的の階に行った後にもう一度女性のいる階に戻った。」とのこと(女性はすでにその場にはいなかったそうです)。
この一件に関する感想を眺めていると、どうも”女性に警戒されると犯罪者扱いされたようで腹が立つ”という男性はそれなりにいるようです。
そのことが少し気になったので、私が小学生の頃体験した出来事をここに書き留めておきたいと思います。
感受性の強い方は閲覧をお控えください。
小学生の頃、賃貸マンションの5階に住んでいました。
下校の際は、隣のマンションに住む友達と一緒に帰り、私のマンションの前で別れた後、1人でエレベーターに乗って家まで帰っていました。
同じマンションに住む小学生はいませんでした。
ある日、いつものように友達と別れた後、エレベーターホールに入ると、見知らぬ男が階段の方から出てきて、こちらに向かってきました。
そして、「ちょっとお話したいんだけど、いいかな?」と言って階段の方を指差しました。
私はとっさに、”相手が刃物か拳銃を持っていたらどうしよう、下手に刺激すると殺されるかもしれない”と思いました。
その場で叫んで逃げればいいのでは?と思うかもしれませんが、マンションには人の気配はなく、近くの道路にも歩いている人はいませんでした。
もし仮に刃物か拳銃を持っていたとしたら、叫んだ瞬間に刺されるか、撃たれるかのどちらかであまり意味はないのでは、と当時は考えました。
また、ほんの少しではありますが、ただ話をするだけで終わるかもしれないという一縷の望みもありました。
そこで、一旦男の話とやらを聞くため、階段までついていくことにしました。
男が階段に座り、「ここ座って」と隣を指差したので、とりあえず言われるがまま隣に座りました。
何か世間話のようなものをした気がしますが、内容は覚えていません。
とにかく、逃げるタイミングを必死に見計らっていました。
しばらくすると、男は私の身体を触り始めました。
しかし、その触り方は私の予想に反していました。
私はてっきり首を絞めて殺そうとしてくるものだと予想していました。
胸や下半身を触るのは、大人同士ですることだと思っていましたから…。
一通り触って満足したのか、男は階段の踊り場へ向かって歩き出し、ズボンを脱いでしゃがみました。
その間に、男と私との間に距離ができました。
また、男の様子を注意深く観察するうちに、刃物や拳銃は持っていなさそうだということも分かりました。
その瞬間、私は階段を一目散に駆け上がり、家の中に飛び込みました。
その男がその後どうなったかは分かりません。
この出来事を通してお伝えしたいのは、”人はいつ何時加害を受けるか分からない”ということです。
性被害に限らず、窃盗や強盗、暴行、傷害、殺人など、老若男女問わず何らかの加害を受けることはあり得ます。
そのため、他人に対してはいくら警戒してもし過ぎることはないのです。
皆さん、どうか、日頃から最大限の注意を払ってお過ごしください。
今一度、防犯対策を見直してください。
また、子どもたちにも強く呼びかけてください。
犯罪の被害者、そして加害者となる人が減ってほしい、そう願わずにはいられません。