【異郷日記】8/9/24 近所のホテルで一人宿泊反省会
車に座って、浮かんだ最初の言葉は、みじめ、だった。人間が二人いれば、感覚、感情、思考、視点などが違うために起きる違いがあって当然だ。そのうえ全く違う文化、言語で育ってきているから、捉え方にかなり相違がある。ぶつかった場合、なかなかもう一方のことを受け入れることが難しいし、受け入れる前に理解が難しかったりする。人間、まず理解したいと思うから。しかし、二人で1組として一緒に生活している場合、とにかくまず受け入れることが大切なのかもしれない。理解も受容も難しかった。
感情に感情で反応することが1番よくないサイクルをつくる。わかっているが、相手のイライラに反応して、怒ってしまった。相手のイライラは、私が相手が何度言っても理解してくれないことに呆れつつ飲み込もうとした結果の素っ気なさに反応したからだろう。感情は認めて、出さないと溜まる。知らないうちに溜まるので、溢れ出すまで気づかない場合もある。ポジティブな感情は表現しやすいが、ネガティブな感情は、躊躇したり、一度保留にした方がいいと判断したりして、溜まりやすいと個人的には思う。
現地の人は、小さなフラストレーションをその場ですぐに表現するのがうまいと思う。いやだと思った時にさらりと言うし、時にはブラックジョーク的に一矢報いたりもしている。こういうやり方ができたらいいなと思うが、私は瞬発力がなくて、あとから失礼さに気づいて怒りが沸いたり、一言いいかえせばよかったと地団駄を踏む気持ちになったりする。そして、そういう小さいことが積み重なる。
一通りこちらも腹が立った内容をぶちまけた後に、すごくいやな気持ちになった。なぜに私はこんなに怒っているんだ。たいしたことじゃないし、相手が怒ったポイントも幼稚ではあるが、その前後関係を見たりすると理解もできて、対処法は見えていたのに、だ。その理想的な方法に到達できなかった。気持ちをすべてぶちまければいいと言うものでもない。なんなら自分に1番怒っていた。とにかくこの怒りの連鎖を止めて、自分のよくないところも認めるための反省が必要だと思った。一人になりたかった。今までもこういう怒りの連鎖の結果の口論はあったが、外に出たことはなかった。今日は自分のために一人になろうと思って、一泊分をまとめて何か本を読みたいとも思って本も何冊か入れた。明日の帰宅を伝えて、外へ出た。感じた気持ちはみじめ、だった。勢いで賃貸の検索もした。内見の申し込み方法が面倒で途中でやめた。
先日、書類の掃除をしていたら、親族からいただいた、他人のしたことを気にする必要はない、自分のしたこと、やらなかったことを観察するように、という文言の書かれた栞が出てきた。その栞のイメージを思い出した。
自分のしたこと。怒りにまかせて怒りをぶつけたこと。理由はどうあれ、自分の行いは間違っている。
まずは自分の怒りの原因をさぐり、自分のやったこととやらなかったことの関連性を探ろう。やっぱり怒って爆発する前に、止まれるのが一番よい。そのスキルも必要だ。
日曜の昼間、快晴ではなく、雨もちらついたが、太陽もでていた。とにかく海辺を歩いて心身をクールダウンさせた。お昼を食べて、チェックイン。薄暗いゲームコーナーの中にレセプションがあって驚いた。スロットマシーンにかじりついている人が片手の指以上にいた。ホテルの室内で一人の時間と空間を楽しもうと思ったが、廊下を横切る従業員のおしゃべりや、階下のゲームコーナーからの絶望の絶叫など聞こえて、落ちつかない。新しい場所に自分を馴染ませるのは時間がかかるし、そちらに気がいって、さっきまでの怒りの元になった気持ちがどこかへいってしまった気がした。それでも、つらつらと気持ちや行動を振り返り、書き出すと安心する。どこまでうまく振り返りと反省ができたかはわからないが、体感的にバウンダリーを作ったのはよかった。隣のお店でお寿司だけのはずが、やはりイライラしていたのだろう、チップスまで買ってしまった。食べたら疲れていたので、うたた寝などして、自分のペースで過ごす。振り返りが進まなかったせいか、本は一冊も読まなかった。振り返りは続く。
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