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30年落ちの車に乗るということ
私の愛車は、1994年式のNA8Cロードスター(MT)である。
購入したのは今から4年前の夏だ。カー〇ンサーにはりついていた日々の中で、白のNAロードスター、走行距離6万キロ以下、修復歴なし、MTという好条件の中古車が掲載された。おまけに取り扱う店は隣県にあり、自宅から車で1時間ほどで行ける場所だった。私は掲載記事を見て即店へ連絡、幸い翌日が休日の土曜日だったため、朝一で店へ出向き購入の書類にハンコを押した。人生で初めての衝動買いだったと思う。
旧車の中では好条件といえど、30年(当時でも26年落ち)という歳月を経た車である。様々な部分にガタが来ており、4年でかけた修理費を思い返すと、少々恐ろしい。
しかしまあ、なんだかんだ今日この日まで維持できている。今回は備忘録も兼ねて、過去に行った修理歴を綴っていこうと思う。
※ちなみに私は車に関する知識は皆無に等しく、独学で身につけた付け焼き刃程度の知識で語っているのであしからず。
①車高調導入による足回りのリフレッシュ
購入時、サスペンションは純正のビルシュタインだった。しかし経年劣化により劣化しており、ショックが完全に抜けてしまっていた。おかげでクッション性は皆無、自然と車高が落ちシャコタン仕様になってしまっていた。
TEINのFLEX-Zを購入し、整備屋で取りつけてもらった。車高は純正時よりやや低めにしてもらい、硬さも中間に調整してもらった。
乗り心地が大幅に改善され、腹下を擦る心配をせず済むようになった。
②パワステホース・アンダーカバーの新調
車高調の話とつながるのだが、過去に傾斜のある駐車場へ侵入した際に腹下を擦ってしまったことがあり、付属のアンダーカバーが破損していた。車高調取り付けの時、あわせて新品へ交換。
また、パワステホースの劣化によるオイル漏れも発覚し、同時に交換した。
③テールランプ・ハイマウントストップランプのガスケット交換
トランクへの雨漏りが著しく、原因を追求した結果、ガスケット劣化によるものだと判明。純正部品をネットで注文し、こちらはDIY作業にて取り付け。外したガスケットはボロボロに劣化していた。これでは雨漏りもするなという感想。
④ヘッドライトのバルブ交換
ある日の仕事帰り、夜道を愛車で走っているとやけに視界が暗いことに気づいた。車を止めて降りてみると、案の定ヘッドライトが片方玉切れしていた。急遽近くのショップでバルブ交換。切れていない方も同時に新品へ交換した。
⑤エアコンのコンプレッサー交換
初代ロードスターの弱点として有名なのがこのエアコンのコンプレッサー故障。愛車も御多分に漏れず、エアコンがほぼ効かなくなってきていたので修理。コンプレッサーは新品だとかなり高額のため、リビルト品を購入して費用を抑えた。何とか夏場を乗り切れるようになった。
⑥タイヤの新規購入
納車時にはいていたタイヤはごくふつーのコンフォートタイヤだった。ただ、製造年式がすでに5年以上前と古かったため、新品購入を決意。
峠~街乗りでは正直オーバースペックだが、好奇心だけでハイグリップラジアルを購入。そもそもタイヤサイズがマイナーなので、選択肢が少ない。もう少し調べて取り寄せたりしてもよかったけどね。
案の定、コーナリングは向上したが、静音性と燃費は落ちた。
⑦クラッチのオーバーホール
走行距離7万キロを超えたあたりから、走行時にチリチリと鈴虫の鳴くような異音が発生するようになった。音楽をかけていると気づかない程度ではあったが、一度気づくとどうにも気になってしまい、修理を決意。原因はクラッチベアリングの劣化によるものだった。交換のためには一度クラッチを下す必要があるため、工賃がかさむ。そのため、ついでにクラッチや付属パーツもすべて交換してもらった。無事、異音は解消された。
⑧ラジエーター交換
経年劣化していたため、こちらは2度目の車検時に新品へ交換した。
その他、細かな修理は多数あるが、特に大きな影響があったのは上記の通り。正直、修理しようと思えばいくらでも直すところはある。可能ならば帆の新調やボディの全塗装もしたい。
常にどこかしら調子が悪いのがデフォルトなので、もはや修理は日課となっている。ここまでくると、半ば意地で乗り続けている部分もあると思う。
ただ、今から最新のNDロードスターに乗り換えたいかと聞かれればイエスとはいえない。現在の車に思い入れがあることはもちろん、今では再現できないデザインや無駄のない構造が気に入っているからだ。
今後も様々なトラブルに見舞われるだろうが、忍耐強く乗り続けていこうと思う。