1人暮らしをはじめたことをきっかけに、通い始めた場所がある。 繁華街の雑居ビルが密集したあたりにそれはあって、昼過ぎから、人前ではとても堂々とさらせない欲求を抱えた人が、こっそりと集まっていく場所。 ハプニングバーだ。 わたしがその名前を知ったのは、偶然回ってきたツイッターの投稿だった。「ハプバー」と略されるそれを、インターネットに導かれるまま調べていくと、背徳と妖艶に彩られた、まっこと淫靡な世界が広がっていた。 わ、すごい、こんな遊技場が繁華街にあるのか。当時付き合ってい
昨年のちょうど今くらいの時期、私は実家から東京に移り住んだ。実家は、仕事通うには支障のない場所にあったが、両親とうまく関係を続けることが難しく、いらだつことが増えたので、一人で暮らしてみたいと家を飛び出したのだ。内覧に行ったことも親には秘密にしていて、伝えたのは、すべて段取りをつけた後のことだった。 1人暮らしを始めたはいいものの、最初は孤独の処し方にてこずった。仕事から帰ってきて、食事や入浴を済ませた後の孤独に耐えかねて、マッチングアプリを複数入れた。つながった人たちとメ
はじめてnoteに投稿します。ノートの1ページ目って学生の時から苦手で、いつも開けていた。表紙を開けて1ページ目はまず白紙。本題は、いつもその次のページから。プロが作った本だって、一ページ目から本題に入らない。私はそういう余韻が好きだ。端から端まで隙間なく積みあがったものは苦手。ドミノとか、完璧なレンガの建物とかすごく苦手。本棚にだって花を飾るくらいのゆとりがあってほしいと思ってしまう。 昨日、一つ手前の駅で降りて、ドーナツチェーン店のドーナツを買って帰った。一人で暮ら