北の白い雲 ー癌で死んだ父ーおわりに
幼い頃、肉親の死を想って眠れないことがあっただろう。 漠然とした死への不安は人を憶病な日々へ追いつめてくる。 しかし、どうしようもない事実だ。 ありあまる幸福の絶頂にあっても、困窮の巷にあっても、それは確実にやってくる。 だれも逃げきれたものはいないという。 闇雲におそわれていた幼い頃の日々から、いま現実を見つめるときがきている。 死を冷徹にみつめてみよう。 必ず、有意義に生きろと声がきこえてくるだろう。 生きているものの責任はひとつしかない。 悔いなく生き