曜「お題?」善子「漫画感想文ですって」
曜「善子ちゃんって漫画読む?」
善子「まぁ人よりは読んでるわね」
曜「私も!ワンピースとか面白いよね」
善子「ジャンプならジョジョとネウロが好きね」
曜「ああ、あの絵の気持ち悪い…」
善子「そんなことないわよ!両方とも実は人間讃歌なのよね」
曜「へぇ?」
善子「と言うわけで3つの漫画を紹介するわ。」
1.ジョジョの奇妙な冒険
曜「これは有名だね。ジョジョがディオと戦うんでしょ?」
善子「DIOは1部と3部にしか直接登場しないけどその影響は絶大ね」
曜「ディオって言えば時を止めるんでしょ?どうやってそんなのと戦うんだろう」
善子「それは読んでみてのお楽しみよ。全9部あるけど好きな部は2部ね」
曜「どんな話?」
善子「まず1部のあらすじを超簡単に説明すると紳士を目指す貴族のジョナサン・ジョースターの家にジョースター家を乗っ取ろうと企むディオが住むようになったのよ」
曜「えぇ!?なんでそんな人住まわせちゃうの?」
善子「ジョナサンの父はディオの父に助けられたことがあるのよ。それでディオの父が死んでジョースター家が引き取る事になるのよ」
曜「ディオと違ってディオのお父さんはいい人なのになぁ…」
善子「いえ、ディオのお父さんも助けたのは嘘で日常的に暴力を振るうような人よ。実はジョナサンのお父さんも知ってて引き取ったの」
曜「ほんとはなんの恩もないのに引き取ったのか…紳士だね」
善子「ディオは表面上完璧を演じ実際勉強、作法何もかもがジョナサンより完璧だった。しかもディオはジョナサンに嫌がらせばかりするのよ」
曜「完璧人間なのになんで嫌がらせするかなぁ?」
善子「腑抜けにさせて自分がジョースター家の跡取りになるため、ね。でも途中でジョナサンのガールフレンドに嫌がらせしたことが逆鱗に触れて怒ったジョナサンに負けて態度を改めるの」
曜「負けた途端態度変えるなんて小物だなぁ」
善子「いえ、叩けば叩くほど伸びるタイプだと悟って表面上は親友を装う事に決めたの。…そして8年経つの」
善子「ディオは法的に家主になれる年齢になったから毒でジョナサンの…自分の父を殺そうとするの」
曜「そんな!恩人なのに、しかも義理とはいえ自分のお父さんを殺そうとするなんて…」
善子「でもジョナサンにその場面を見られ決定的な証拠まで突きつけられて警察を呼ばれるの。」
曜「ジョジョってバトルする漫画だと思ってたけどそういう内容なんだ…」
善子「いえ、これは第一巻のあらすじよ。ここからディオが吸血鬼化してジョナサンと激闘を繰り広げるの。続きは読んでのお楽しみってね」
曜「えー?気になるなぁ」
善子「で、2部に話を戻すと1部の主人公のジョナサンは紳士を目指してる好青年なんだけどその孫のジョセフが主役なの。ジョセフはジョナサンと見た目は瓜二つだけど中身は不良なのよ」
曜「不良?カツアゲとかするの?」
善子「いいえ、むしろスリに物を取られて警察がスリを捕まえてもそれは自分がスリにあげた物だって言うのよ」
曜「じゃあ紳士じゃん!」
善子「ところがその警官が悪徳でスリやジョセフを侮辱して取られた物も横領しようとするの。」
曜「うわー、なんか嫌な警察だなぁ」
善子「そこでジョセフは警察をぶん殴ってこう言うの!『図にのるんじゃあないッ!このアメ公がッ!』」
曜「途端に口が悪くなったね…」
善子「他にも道端でマシンガンぶっぱなしたりもしてるわね」
曜「本当に主人公なの?」
善子「でもおばあちゃんっ子でおばあちゃんに怒られる事をなにより恐れて褒められる事を何より喜ぶのよ」
曜「へぇ、意外。」
善子「ジョセフの魅力はユーモアがあるとこもだけどやっぱ頭脳戦ね。」
曜「不良なのに頭いいんだ」
善子「特技は相手の発言を先読みして先に言う事なのよ。次のお前のセリフは○○だッ!てね」
曜「すごい特技だなぁ、一句たりとも違わないなんて」
善子「他にも器用でワイヤーを使って手品みたいに敵を翻弄したりもするのよ」
曜「器用だなぁ…将来大物になりそう」
善子「作中でもそう評されてるわね。で、柱の男っていう人間を食べる奴らと闘う物語なの」
曜「人間を食べるの?怖いなぁ…」
善子「そんな柱の男に1ヶ月後に死ぬ毒のピアスを埋め込まれて強くなるためライバルのシーザーとリサリサっていう師匠の元で修行するのよ。」
曜「修行かー。1ヶ月で死ぬって酷いね」
善子「最初ジョセフとシーザーは馬が合わなくて決闘もしたほどなの。でも柱の男に我が身を犠牲にした策を見せて、そして修行を経てどんどん打ち解けるのよ」
曜「いかにもライバルって感じだね。でも決闘までするのはすごいなぁ」
善子「だけど…ジョセフとシーザーは柱の男の住処に乗り込むか乗り込まないで揉めてしまうの。シーザーはどうしても乗り込むと言って聞かなかったの。父や祖父の人生を狂わせた柱の男が憎かったのね」
曜「それでそれで?シーザーは柱の男に勝つの!?」
善子「シーザーは修行で大幅にパワーアップしてシャボン玉を駆使した戦術で柱の男を圧倒するの。」
曜「よかった、勝ったんだね!」
善子「…いえ、柱の男が一枚上手でほんの僅かな隙をつかれて敗北するのよ」
曜「そんな…負けちゃうなんて…」
善子「シーザーはジョセフに俺の魂を受け継いでくれと叫びシャボン玉の中にトレードマークのバンダナとピアスの解毒剤を込めて…死ぬの」
曜「ジョセフと喧嘩したまま死んじゃうなんて…」
善子「その叫びを聞いたジョセフはシーザーの亡骸を探そうとするの。でも師匠は探すな、動揺するなと命令するの」
曜「弟子が死んだのに冷たいね…」
善子「そこでジョセフはある事に気付くの。師匠がタバコを逆に持ってる事に」
曜「そうか、師匠も冷たく振る舞ってるだけで辛かったんだね…」
善子「すると岩の隙間から血が流れてるのを偶然発見するの。そこにシーザーが眠ってると悟りあれほど冷たく振る舞ってた師匠も号泣するの」
曜「悲しいね…」
善子「2部屈指の名シーンね。そしてジョセフはシーザーを殺した柱の男…ワムウと決闘をするの」
曜「うわー、見るからに強そう。こんなのに勝てるの?」
善子「ワムウとジョセフは激闘を繰り広げるわ。この戦闘も見せ場ね」
曜「ジョセフは勝つの?」
善子「それは読んでみてのお楽しみってね。次行くわよ」
曜「えぇ!?続きが気になるよ!」
2.魔神探偵脳噛ネウロ
曜「これも絵が気持ち悪いよね」
善子「内容はとんでもなく素晴らしいけどね。普通の女子高生のヤコは父親を何者かに殺されるの。そんなところに頭脳、肉体共にチート…最強の魔人が現れるの」
曜「お父さん殺されちゃったの?ショックだなぁ」
善子「でもネウロはあっさりトリックを見抜くの。そしてヤコに探偵役をやらせてあっけなく捕まえるの」
曜「え?なんでヤコに探偵役やらせるの?」
善子「目立つのは流儀に反するそうよ。普段も我輩なんて尊大な言い回しをしてるけど好青年の顔を被ってるの」
曜「じゃあいい人?なんだね!」
善子「いえ、ネウロはドSで敵味方問わず虐めずにいられないの。犯人も捕まえるたびこっそり拷問してるのよ」
曜「えぇ…拷問って…」
善子「しかも人間のことなんて餌場くらいにしか考えてない。犯人を捕まえた時に生まれるナゾを食べる事だけが目的で動機を語り出しても知らん顔してるの」
曜「動機って普通気になると思うけどなぁ…」
善子「そんなネウロも次第に人間を理解して興味を持つようになっていくの。ヤコとの信頼関係も見所ね」
曜「ネウロもライバルとかいるの?」
善子「ライバル…というか敵対する相手はいるわね。電人HALとか」
曜「電人?」
善子「超天才の春川教授が作ったAIプログラムよ。自分をそのまんま生きたプログラムにしたの」
曜「凄いことするなぁ…」
善子「電人HALは生みの親の春川を殺して全世界の核兵器を掌握してスーパーコンピュータを要求して船に立て籠るの」
曜「いったいそこまでして何がしたいんだろう…」
善子「ネウロも当然戦いを挑むけどなんと負けちゃうのよ。電脳世界では勝ち目がないからコンピュータを物理的に破壊する事になるの」
曜「えぇ!?負けちゃうの?」
善子「実はネウロが負けを認める場面は2回あってここはその一つね。もう一つの方も名シーンだわ」
曜「でもコンピュータ破壊しちゃえばいいんでしょ?」
善子「ところがコンピュータにはパスワードがかけられてるのよ。1回でも失敗したら全世界の核兵器が発射されるの」
曜「1回でも!?ヒントとかないの?」
善子「HALは私の目的がパスワードだ、とだけ言って去るわ。しかもネウロはヤコにパスワードを解くよう命じるの」
曜「えぇ!?全世界敵にしてまでする目的とかこんなの分かりっこないよ!」
善子「HAL編が1番好きって人も多いわね。実際ラストは感動したわ…ネタバレは控えるけど」
曜「いいとこで切るなぁ…結局パスワードは?」
善子「10の-18乗よ」
曜「???」
善子「あとは最大の敵のシックス。こいつもサディストなの」
曜「ネウロの仲間かな?」
善子「いえ、毒を飲まなきゃ家族を殺すと脅し毒を呑ませて家族には逃げた、と嘘をついて殺したり部下を遊びで殺すような外道よ」
曜「想像以上に酷い…」
善子「初登場はとんでもなく衝撃的だったわ…味方だと思ってた人が突然文字通り顔の皮を剥いで…実は拷問して殺した人物に成り代わってたの」
曜「おっかなすぎる…」
善子「人間を超えてるシックスは新しい血族を名乗りネウロと敵対するの。」
曜「でもネウロは最強なんでしょ?」
善子「えぇ。ただ地上にいると魔力がどんどん減っていく…つまり作中ではどんどん弱体化していくの。そこで人間を人質にとってさらに魔力を使わせて弱体化させるのがシックスの戦法よ」
曜「うわー、卑怯だなぁ。」
善子「シックスは悪意が人側から進化した、って言ってるほどだからね。」
善子「それで新しい血族の先鋭…5本指ってのと戦うんだけどみんな個性的ね」
曜「あれ…?主人公の方がえげつなくない?」
善子「その相手の黒人は洪水テロを起こして10万人殺そうとしたのよ。自分の餌を提供してくれる人間の命をなにより大事にしてるネウロの逆鱗に触れたのね」
曜「10万人なんて桁違いだなぁ…それで新しい血族名乗ってるのか」
善子「そう、新しい血族はみんな人間離れした特殊能力を持つの。それで人間たちに代わろうとしてるわけね」
善子「新しい血族の中でも葛西が好きね。ナチュラルに悪い事やってるサイコパスなのに歩きタバコ指摘されたら素直に謝ってやめる小市民的なところもあるのよ」
曜「これのどこが小市民的なの…」
善子「これでも5本指の中ではまともな方だけどね。周りが新しい血族を名乗ってる中唯一人間を名乗ってるのよ」
曜「これがまともって他の人はどれだけなんだ…」
善子「葛西は火の特殊能力を持つんだけどそれを使わずあくまで知恵だけでテロを行うのよ。」
曜「離れてるのにビルが一瞬で燃えた…?」
善子「これもトリックなのよ。手から火も出すけどそれもトリック」
曜「どんなトリックなんだろ…」
善子「ネウロは登場人物が魅力的ね。警察の笛吹さんはプライドが高いけどかわいいもの好きっていう意外性があったりこんな名言を残したりね」
曜「確かに…考えさせられる発言だね」
善子「終始頼れる笹塚さんも。この人は家族全員を殺されて復讐のために生きてる人なの」
曜「全員をって酷いね…シックスの仕業?」
善子「ネタバレするとそうね。復讐がどうなるかは…言わないでおくわ」
善子「そして迎えるシックスとの最終決戦…弱体化しきったネウロが人間の数千倍強化されたシックスに勝てるか?見所ね」
善子「さて!最後いきましょー!」
曜「くぅ、続きが気になる…」
3.魔王
曜「?知らない漫画だなぁ」
善子「伊坂幸太郎の魔王って小説を少年マンガ風にアレンジした作品よ。ちなみに作者は女性なの」
曜「へぇ!そういえばハガレンの作者も鬼滅の作者も女性だよね」
善子「えぇ。魔王は簡潔に言うと思った事を人に喋らせる能力を持った高校生の安藤が政治家の犬養に立ち向かう話よ」
曜「思った事を喋らせるって…地味だね」
善子「こんな能力でプロの殺し屋や見えない手で相手を殺せる最強の男と戦ったりするの」
曜「喋らせる能力でそんなのと戦うのか…バトル漫画なんだね」
善子「いえ、バトルもあるだけでバトル漫画ではないわ。」
善子「主人公の安藤は昔目立つ発言をして孤立した過去を持つからなるべく周りに合わせて生きようとしてるの」
曜「ほんとに普通の高校生だね」
善子「でも犬養が率いる自警団がチンピラを半殺しにしてるところを見て犬養は魔王なんじゃないか、と思うようになるの」
曜「残虐だね…」
善子「残虐というより目的のために一切手段を選ばない人ね。それでいてとんでもないカリスマ性を持つからどんどん影響力を持つようになるの」
善子「そして安藤は思った事を喋らせる能力…腹話術に気付く。政治家にとって致命的な能力になり得るから犬養信者の喫茶店のマスターに目をつけられるの」
曜「コワモテだね…」
善子「作中最強キャラだしね。それで安藤はマスターに雇われたプロの殺し屋に命を狙われるんだけど能力…腹話術で切り抜けるの」
曜「どうやって切り抜けるんだろう…」
善子「犬養は街を作り変えようとしてるアンダーソングループって企業と敵対してるんだけど周りも犬養の影響を受けて反アンダーソンになるの。」
曜「アンダーソンはそんな悪なの?」
善子「いいえ、作中に悪役はいないわ。それでアンダーソングループの息子が安藤と同じクラスになるの。アンダーソンは明るい性格でどんどん周囲と打ち解けるの」
曜「悪役がいないって珍しいね」
善子「でも犬養の反アンダーソンの影響でアンダーソンはリンチされて殺されそうにもなるのよ」
曜「影響でそこまで人は変わっちゃうんだ…」
善子「安藤も相手が強大だから無視して普通に生きようとするんだけどはある日ホームレスを見て涙を流すの。死んだように生きたくないって。そして立ち向かう事を決意するの」
善子「マスターとの激闘を経て腹話術の副作用でぼろぼろになりながらなんとか演説中の犬飼の元に辿り着きある言葉を言わせようとするの。」
曜「なんて?」
善子「巨乳大好きって」
曜「確かに政治家がそんな発言したら問題だね」
善子「どうなるかは…やはり読んでからのお楽しみよ」
曜「もう、いいとこでやめるんだから」
善子「と言うわけでオススメの漫画3選だったわ。あなたはどんな漫画が好きなのかしら?漫画は読まないあなたも大好きなあなたもよかったら読んでみてね」