迂回とドライブ
高速道路のインターチェンジ、車は迂回を余儀なくされ、速度を落とす。
近代は人が一つの方向に向かってると思われてた時代であり、今は個々人バラバラの方向を目指しているポストモダンの時代だなんて言われている。
でも、その根幹は変わってないのだ。あくまで直線。まっすぐあれ!これは、インターネットが出ても変わらない。というよりも複数の直線が高速で交わることを強要されている。
自分のゴールに向かって直線に走る。おお、それこそが人生!なんて言われたりする。
僕はそんな言葉にはうんざりだ。ぐるっと回る意識はどこに行ったんだ!?と嘆くのだ。君らには縦か横かしかないのか!?
直線に進む者が会うのは同じ方向に進む者であり、目の前にあるものは挫こうとする。だから衝突事故にもなるし視野狭窄に陥る。
インターチェンジを迂回するものは、文字通り別のものとインターチェンジする。そこからまた走り出すのだ。そして、目の前のものを避けるどころかぐるっと回って包摂する。相手もぐるっと回ればお互いに包み会う。
疲れたのでなんの目的もなく、適当なパーキングエリアで車を停める。無目的に佇む。トイレに行く。タバコを吸う。なんの個性もないラーメンを食べる。夜が明ける。また走ろう。
今、足りないのは迂回の思想またはパーキングエリアの思想だ。迂回は方向が未確定になる。パーキングエリアでのぶらつきは目的を一旦忘れる。どうでもいいものが目に入ってしまう。いいじゃないか未確定で。何かに会いそうになれば、避けて逃げて、別の方向にまた走り出せばいい。
現代をブレーキの効かないジャガーノートに例えたアンソニー・ギデンズは全く正しいのだ。だからこそ僕らはジャガーノートのハンドルをゆっくり回していかないといけない。
多分、直進主義者には納得がいかない話だろう。でも考えてみよう。右のストレートよりも振りかぶった左フックの方が遠心力が働いて威力があるだろう。そういう意味でも迂回は直進主義者にとってもお得なのだ。
そんなに急いでどこに行くの?先には海しかないのに…
海に沈んだら海は見えない。海は海岸沿いを迂回してる時が一番綺麗なのだから…
#車 #迂回 #酔った #日記 #パーキングエリア #インターチェンジ #メタファー