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見るなの祭りを見てみたい
昨日の続き。
隠岐の西ノ島には『であんな祭り』と呼ばれる祭りがあるそうだ。
であんな、とは「出るな」という意味の方言。祭り当日の夜、山に坐す神の元へ向かう神官の行列を見てしまうと不幸になるという伝承があるため、夕刻になると「みんな、出あんなよ」と声を掛け合ったのが名の由来らしい。
現代の祭りはすでに人間の遊びが主になってしまっているが、厳格な神事には今でも人が見るのを禁じるものがある。年末に行われる春日大社のおん祭も、若宮の移動行列は暗闇の中で行われ、参列者は灯りを灯してはいけない。
だが、見てはいけないと言われたら見たくなるのが人情というものだ。私など、むちゃくちゃ見てみたい。だからこそ、であんな祭りのある時だけは隠岐に近づかないでおこうと思う。行ったら見たくなるが、土地の霊的タブーを侵すほど傲慢ではない。春日のおん祭で行列に向かってフラッシュを焚くような輩には、伝承通りバチが当たればいいんじゃないかな、と思う方だ。人が大切にしてきたものは、自分の価値観にそぐわなくても大事にする。それが人というでしょう。
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