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昭和・平成の節約術、令和になっても続けてませんか?【8問の⭕️✖️クイズでわかる】効果大!節約の「シン・常識」
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食費や光熱費など生活に欠かせないものの値段が上がるなか、「効果のある節約をしたいけど、なんだかうまくいかない…」と感じていませんか? それって、いまあなたが実践している節約術が「時代遅れ」になっているせいかも。
家計管理&節約のエキスパートの丸山晴美さんに、昭和や平成に常識だった節約術を、いまどきのライフスタイルに合わせた令和版にアップデートする方法をクイズ形式で教えてもらいましょう!
昭和や平成から続く、いまでも効果抜群な節約術も改めてご紹介しますよ。
【第1問】
もやしはコスパがいい?
答えは「✖️」です。
キャベツや白菜、大根など日持ちのする野菜のほうが高コスパと考えられます。
野菜のコスパを考えるときには、1個あたりの値段だけでなく、使える回数も考えることが大切です。
もやしは一般的に1袋40円程度なので、コスパがいいと考えられがちですが、足が早く、保存が難しいので、1回で使い切らなくてはなりません。
一方、キャベツや白菜、大根などは、1個あたりの金額はもやしよりも高めですが、日持ちがするうえ、何回かに分けて使うことができます。
例えば、キャベツの価格は現状では高値で推移していますが、1玉220~250円程度です。そのキャベツを丸のまま買い、葉を1枚ずつはがして使えば、4~5回程度使えるでしょう。キャベツなど野菜は切り口から傷むので、一玉で購入して葉を1枚ずつはがしながら使うと傷みにくくなります。
(出典:農林水産省「青果物卸売市場調査(日別調査)」)
もやしを4~5袋買うと160~200円程度ですが、キャベツは1玉220~250円程度で4~5回使えるなら、もやしとキャベツのコスパはさほど変わらないといえるのではないでしょうか。
しかも、キャベツは乾燥を防ぐために、芯の部分にぬらしたキッチンペーパーを貼り付けて、レジ袋などの保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すれば、1カ月くらい日持ちします。キャベツはサラダはもちろん、炒めたり、煮たりと調理の方法も豊富です。白菜や大根も保存がきき、何回かに分けて使えます。
ただし、お給料日前などに予算ギリギリで、「今日の買い物は50円以内に抑えたい」といった場合には、もやしも選択肢になりますよ。
【第2問】
電気代は深夜帯の方が安い?
答えは「✖️」です。
一般的な家庭の電気代は終日ほぼ同じ値段です。
「夜間は電気代(電力料金)が安い」というのは、昭和や平成の時代の話です。
太陽光発電など再生可能エネルギーの導入が進んだいまは、一般的な家庭用の電力プラン(「従量電灯B」など)の場合、時間帯による電力料金の差はありません。電力料金は使用量に応じて変わります。
ちなみに、多くの電力会社では夜間の電力料金が割安になるプランを設けています。このプランを利用するには、自ら申し込む必要があります。ただし、時間帯別の電灯プランは、夜間の電力料金が安い一方で、昼間の電力料金が高くなることにも注意が必要です。
また、高圧電力を契約している場合やオール電化の住まいなどでは、夜間の電力利用に適した時間帯別電灯プランがあらかじめ設定されているケースもあるようです。
【第3問】
ヒーターの置き場所を窓際にすると効率よく暖まる?
答えは「⭕️」です。
ヒーターを窓際に置くと、外の冷気が直接部屋に入らず、温風に変わります。
冬は、窓の隙間や、床とカーテンの間などから外の冷気が流れ込んできます。
冷たい空気は下にたまり、暖かい空気は上に上がる性質があります。その性質を利用して、窓際にヒーターを置いておくと、ヒーターが床にたまった冷気を吸い込んで、部屋の中央に温風を吐き出してくれるので、効率的に部屋を暖められます。
なお、窓にカーテンがかかっている場合、カーテンが燃えて火災の原因になる可能性があるので気をつけましょう。
また、窓の隙間や、カーテンと床の隙間に古いバスタオルなどを巻いて詰めておくことも、冷気を遮断することにつながり、光熱費の節約に有効です。
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【第4問】
現金で払うほうが節約効果が見込める?
答えは「✖️」です。
ポイント還元率が高いキャッシュレス決済を使ったほうがお得です。
「キャッシュレス決済を使うとお金を使い過ぎてしまうから、私は絶対に現金派」という人もいるでしょう。
ですが、ポイントがもらえるキャッシュレス決済では、もらえるポイント分の値引きを受けているという考え方もできます。
例えば、ポイント還元率が0.5%だった場合は5万円使うと250円分、ポイント還元率が1%なら5万円使って500円分のポイントが戻ってきます。
毎月5万円ずつキャッシュレス決済を使った場合、ポイント還元率0.5%なら年間では3,000円分、1%なら6,000円分の値引きを受けられる計算になります。
つまり、ポイント還元率の高いキャッシュレス決済のサービスほど、割引率(還元される金額)も大きくなります。これを有効活用しないのはもったいないですよ!
「キャッシュレス決済だと、お金が減る状況を把握できないから、ついお金を使い過ぎてしまう」というのであれば、事前にチャージして利用するタイプのキャッシュレス決済を使うのも1つの手段です。
例えばキャッシュレス決済の金額は毎月5万円までと決めて、その金額だけをチャージして使います。
実はキャッシュレス決済は、アプリ上で利用明細のチェックもできるので、使い過ぎを防止することにも役立ちますよ。
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キャッシュレス決済以外にもポイントを貯める方法があるよ。
健康管理会社や地図を作る会社、自治体などの歩くだけでポイントが貯まるアプリは、健康にも節約にも良さそう!メール内のリンクをチェックしたり、バナー画像のクリックでポイントが貯まるサービスもあるよ。
「これなら楽しくできそう」って思えるなら、使って上手に節約につなげてね。
【第5問】
携帯料金は大手通信会社の家族割が最もお得?
答えは「✖️」です。
大手通信会社の家族割よりも、格安SIMのほうがお得です。
「家族割」(「ファミリープラン」「家族割引」など)は、家族間での通話やメール、SMS(ショートメッセージ)の料金を割引するサービスです。
家族割は、家族同士で頻繁に電話で話したり、メールのやり取りをしたりしていた平成の時代には、節約の強い味方でした。
ですが、いまでは家族間はもちろん、友だちや職場の人との通話やメッセージのやり取りも、LINEなどのメッセージアプリが中心になっていますよね? 通話やメールの料金が家族割で割引になっても、それほど大きなメリットはなくなりつつあるのです。
携帯料金を節約するには、大手通信会社の家族割を使うよりも、より低価格で利用できる格安SIMを使うのが効果的です。
もしかしたら家族割に縛られることで、よりお得に利用できる格安SIMに乗り換える機会を逃しているかもしれませんよ。
【第6問】
卵を冷凍して半分にして使うと節約になる?
答えは「⭕️」です。
卵を冷凍すると、包丁で簡単にカットできます。1つの卵で2人分、または2種類の料理ができるので、節約につながります。
ただし、卵を冷凍すると卵が膨張して殻にヒビが入り、殻に付着したサルモネラ属菌などが入りこんで増殖する可能性もあります。
サルモネラ属菌は、食中毒を引き起こす原因になるので、冷凍した卵を生で食べることは避け、必ず加熱調理をしてから食べましょう。
【第7問】
特売品目当てでスーパーマーケットをはしごするとお得?
答えは「✖️」です。
買い物のはしごは効率が悪く時間がかかりますし、場合によっては移動にお金がかかることもあります。
1つの商店街に八百屋さんや肉屋さん、魚屋さんなどが何軒も集まっていて、お店の商品の鮮度もよくて値段も安い場所に住んでいるならば、特売品などを目当てにはしごをすることが節約につながるでしょう。
でも、スーパーマーケットから別のスーパーマーケットへと移動するのに自動車を使っているのなら、そのためのガソリン代のほうが高くつく可能性もあります。移動にかかる時間ももったいないですよね?
また、お財布を開く回数が増えるほど、浪費も増えるともいわれています。
なお、平日は仕事などで忙しい人の場合、週末にまとめて買い物をすることもあるでしょう。それ自体は問題ないのですが、買い物が「家族のレジャー」になってしまうと財布のひもはついついゆるみがちになります。
レジャーはレジャー、買い物は買い物と線引きして、買い物では予算を決めて、必要なものを必要なだけ買うことに徹しましょう。
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買い物をするとき、たくさんのお店をまわり過ぎると、頭も身体も疲れて判断能力が落ちやすくなっちゃうんだって。
そうなると、「あのパン、おいしそう」とか、「この野菜も安いから買っちゃおう」って、ついつい余計なものを買いがちなんだ。
買い物は、予算を持って計画的にかつ効率的するのが、節約にも効果的だよ。
【第8問】
冬場は濡らしたバスタオルを室内に干すと光熱費の節約につながる?
答えは「⭕️」です。
部屋の湿度が高いと暖かく感じるため、光熱費節約の効果を見込めます。
空気は温度が高いほど、多くの水蒸気を含みます。反対に、温度が低いと含まれる水蒸気が減り、湿度が低下して乾燥します。そのため、冬場は空気が乾燥するのです。
湿度は体感温度にも影響します。
汗は蒸発するときに身体から熱を奪って体温を下げる働きをします。湿度が高い環境では汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくくなるので、暖かく感じます。一方、湿度が低いと汗が蒸発しやすくなるので、寒く感じるのです。
つまり、湿度が高いと体感温度が上がり、湿度が低いと体感温度が下がります。
この原理を利用して、空気が乾燥する冬場はバスタオルを部屋干ししたり、加湿器を使ったりして湿度を上げると、体感温度が上がって暖房の設定温度を低めに設定することができ、光熱費の節約につながるのです。
【まとめ】令和の節約のシン・常識
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丸山晴美(まるやま・はるみ)さん
節約アドバイザー。22歳の時に節約に目覚め、1人暮らしをしながらも1年で200万円を貯めた経験から、2001年「節約アドバイザー」として独立。食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを執筆、監修している。「ゆとりうむ」プロジェクトの理事も務めている。
主な取得資格:ファイナンシャルプランナー(AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士)、消費生活アドバイザー、宅地建物取引士(登録)、認定心理士、調理師など