「授業が自習になると嬉しい」と思う人へ、ちょっと厳しめの話。

授業が急に自習になったときに「やったー自習だ」という声があがるようなシーンって誰もが経験したことはありませんか?これって、クラスの多くの人が声を上げるため、喜んでもいいのかなと思って、よく考えずに喜んでいる人も多いかと思います。

「やったー自習だ」ということは、間違いなく授業はつまらないということです。「授業がつまらない」というのは(なぜか)先生のせいという見方をする人が多いのですが、ここに大きな問題があります。

「勉強のやる気を出させるのは先生の仕事」これについては、先生という仕事をしている立場としては、まぁ頑張りますよ。先生たち、みんなそれぞれ頑張っているはずです。先生については置いておいて、今回は生徒の目線で考えます。

生徒の目線で考えるとおかしいと思いませんか?「勉強のやる気が出ないのは先生のせい」というふうにできてしまうんです。学校に学びに行っている生徒が、学ぶかどうかは、先生がやる気を出させるかどうかで決まるのです。

変ですよね。学びに行っているのに。学ぶ意欲は、与えてもらうもの?おかしくないですか?

ということで、この「生徒は学校に学びに行っている」という前提を否定してみましょう。

実は生徒は、学校に学びに行っていないと考えるんです。


そして代わりに生徒は「学校に学んであげるために行っている」と考えてみてください。生徒は「学ばせていただいている」のではなく「学んであげている」のです。こう考えると自然に感じませんか?これが多くの生徒に当てはまる、大多数の生徒の状態だと私は考えています。

「生徒は学校で学んであげている。」そして「先生は生徒に学んでもらっている。」というのが今の学校で行われていることだと思うのです。そう考えると自然ではないですか?私はそう思います。

だから、授業がなくなると生徒がわざわざやってあげている「学んであげる」ことをしなくてよくなるから嬉しい、という思想が自然に生まれることになります。

ここまで理解できましたでしょうか?


学んであげている生徒は、「学び」とは程遠いところにいます。学びとは自らの意欲を持って知識を得ることであって、自分以外の誰かに詰め込まれるものではありません。

もちろん「ある程度の強制力を持ってやらされることでできるようになること」が全くないわけではありませんが、そこで得たものをちゃんと自分のものにするための行動をしないと、そこで得たものはすぐに消えてしまいます。例えば定期試験に向けて勉強して、ある程度点数が取れたとしても、その1週間後にほとんど覚えていない、という状態はこのように作られます。定期試験のためだけの勉強は、「学び」ではないということですね。残念ですが。

ここまで読んでいただければ分かると思いますが、この受け身の状態から抜け出さないと、一生「学び」について理解できないまま、学ばない大人になってしまう可能性があります。学ばない大人になりたいですか?

今の若い世代が生きる未来の世の中は、「学ばない大人」に厳しい社会になることが予想されます。日本はどんどん衰退していくからです。周りと同調して、学ばない状態を続けると、経済的にも時間的にも奪われるばかりの人生になりかねません。私はそう考えています。

実際「大人の平均勉強時間は6分」というデータもあるようです。もし興味があれば下の検索結果を見てみてください。

もちろん、この6分という数字がどこまでのことを勉強と評価して計算しているのかは、私もよく分かりませんが、実際のところ大人ってほとんど学んでいないんですよ。「勉強しなさい」と言ってくる大人が、実は自分は勉強していない、ということがありえる、ということです。

今回は、その大人について良いとか悪いとかを言う話ではなく、この大人たちが「学んであげている」中高生の未来であることを理解して、そういう大人にならないようにするにはどうしたら良いか?という目線で考えていきましょう。

「学んであげている」状態についてもう1度考えてみてください。そういう子供時代を過ごした人が大人になったら・・・「もう大人になったから勉強してあげる必要はないな、だから勉強はやめた!」と自然に思うでしょうね。想像できるでしょう?

これが学ばない大人を作る原理です。

だから、そうなりたくない、と思うことがまず第一で、自分が「学んであげに学校に行っている」と感じるならその思想を変えようとすることがスタートラインです。

そして、学びに行くのです。学ぶのです。学ぶって何だ!?

学校の勉強以外に、自分の好きなことって1つはあるのではないでしょうか?新幹線が大好きな男の子、ジャニーズが大好きな女子生徒、この人たちは、誰かにそれを押し付けられていませんよね。自ら調べ、自分の好きなものを選び出し、そして情報の収集を怠らない、そんな姿勢があることが想像できると思います。

これが学びの本質です。

学校の勉強は、興味を持ちづらいかもしれませんが、「興味を持った人はどのように調べたり考えたりするのか?」と想像して、それをやってみることが大切です。「効率よく、短時間で、」とか興味を持った人は思わないですよね。「何回でも、時間を忘れるくらい、」やるのが興味を持った人です。

この考え方で学んでみましょう。そういう姿勢を持って学習を続けていくと、必ず勉強も授業も楽しくなっていきます。

そうすると「授業が自習になります」と聞いたときに「えー残念」と思えるようになるはずで、それが学ぼうとしている人の普通の考え方です。

普通に学べる人になり、一生学べる人に、ここまで読んでくれたあなたはなってくださいね。応援しています。


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