#603【旧ブログ2016年8月1日投稿】グーグルスカイマップひたぎ「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」
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グーグルスカイマップひたぎ「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」
2016年8月1日
http://blog.livedoor.jp/moneylight/archives/52162728.html
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こんばんは、マネーライトです。
きのうは都知事選であった。
京都や神戸に住んでいた頃は、都知事選といえばユニークな泡沫候補が百鬼夜行状態で出馬しまくっているというイメージで、傍から見ている分にはある種のエンターテイメントであったが、いざ都民となり有権者となれば、もはや選挙権を返上したくなるくらいの思いにかられた。
こと、今回の選挙は特に、である。
正直都政には興味はないが、一応投票に行った。
私の投票所は近所の区立小だったが、東京都区部の小学校というのは、驚くことに校庭が芝生だったりする。
放課後に校庭で遊んで擦りむいて泣きながら砂まみれで帰宅したり、校長先生のありがたいお話の最中につむじ風が起きてパニックに陥るようなこともないのだ。
なるほど、23区というのは潤沢な税収があるようで羨ましい。
そんな小学校の校庭にも、鉄棒やジャングルジムはやはりある。
さすがにジャングルジムには近寄れなかったが、端っこの方にあった鉄棒は人の目が届かなそうだったので、こっそり鉄棒をしてみることにした。
(怒られる可能性が高いので良い有権者のみんなは真似しないように)
24歳会社員、10年ぶり以上の鉄棒である。
前回りはできるのだが、逆上がりはできない。というか怖くて試してすらいない。
そもそも私は逆上がりのできない小学生だった。
今はどうか知らないが、当時は「逆上がりのできない小学生」というのは、家でゲームばかりをして身体的能力の落ちた現代っ子の象徴的存在として、メディアや社会から蔑まれていた存在である。
あれは身体的能力というよりかは、練習をしてコツをつかめるか否かなのだが、とにかく私は出来ず、泣きそうになりながら、校庭の横にあったパナソニック工場の避雷針を眺めていた、そんな記憶が蘇ったのでした。
全く話は変わるが、この土日で久々に天体観望に行ってきた。
1年前の夏に、三脚とポラリエ(ポータブル赤道儀)を購入して以来、数回程度行っていたが、今夏は初である。
行き先は栃木県奥日光にある、戦場ヶ原という場所である。
ここは関東でも3本の指くらいに入る有名な天体観測場所だ。
なぜ人気かというと、もちろん星空の美しさというのは前提条件としてあるが、なによりも首都圏からのアクセスの良さである。
基本的に星を見ようとすると、光害のないところに行くわけであるから、当然として都市部からは離れ無くてはならない。故にそこそこの星空を見ようとすると、とんでもない山奥の糞田舎に行かないといけないことが多い。
この戦場ヶ原も山奥の田舎であることには間違いないのだが、首都圏からのアクセスが良い日光という観光地からはそう遠くないため、結果としてアクセスが(天体観測場所としては)良い。
さらに、駐車場も広いため、車で行きやすいのだ。
いつものように一人で行くつもりであったが、会社の後輩氏とともに行くこととなった。
レンタカーを借りて行くのだが、ソロで行く場合と違い、レンタカーにかかる費用を折半でき、かつ運転も交代できる。
ソロ観測で最も危険なのは睡魔である。十分に仮眠を取りつつ、道中全て自力で帰ってこなければならないので、体力的にはキツイのだ。
花火大会の行われる隅田川に背を向け、一路東北自動車道へ。
宇都宮で餃子を食べてから、奥日光へ車を走らせる。
「いろは坂」という有名な九十九折の峠で走り屋に煽られつつ、戦場ヶ原に到着した。
戦場ヶ原に来るのは実は2回目である。
1回目は一人で来たが、その空の美しさと、車での行きやすさに魅了された。
新月ではなかったが、かなりの人が既にいる。
大学の天文系団体っぽい集団もちらほら見かけ、やはり懐かしい思いがする。
事前の情報では雲が多く、星空指数は10であったが、来てみるとまさに満点の星空!
しかもかなり空が澄んでいる。
結果として、一度も雲が出なかった!
大学時代を含めても、ここまで雲が出ず、かつ空が澄んでいたという経験はあまりない。
未だ修行の身ではあるが、せっかくポラリエも持ってきているので、我がミラーレス一眼で何枚か写真を撮った。

日付が変わった頃、ちょうど夏の大三角が天頂にあった。
恒星の賑やかさでは冬の星座たちに軍配が上がるが、天の川の濃さではやはり夏が上回る。

アンドロメダ銀河もあったが、私のレンズではここまでが限界。
次のボーナス的サムシングで、望遠レンズでも買ってやろうかという野望がふつふつとわいてきた。
ただこの戦場ヶ原、玄人から素人までに人気の場所なので、かなりひっきりなしに自動車がやってくる。
そうすると、長時間露光撮影をしていても、必ず自動車のライトが入ってしまうという難点はある。
そんな中でなんとか20分露光で撮ったのがこれ。

固定撮影である。左下のほうが沈みゆく北斗七星だと思います。たぶん。
同行の後輩は寒さに負けて車の中で眠り始めていたので、私はひとり駐車場のアスファルトに寝転び、天頂の夏の星々を眺めていた。
化物語で、奇しくもこの観測場所と同名の戦場ヶ原ひたぎ氏が夏の大三角を指差すあのシーンと姿勢は一緒だが、隣に誰もいないパターンである。

気温は15℃を下回り非常に寒いが、防寒対策はいやというほど大学時代に身についているし、虫も全くいないので、ただぼーっと星を見ているには素晴らしいコンディションである。
スマホも買い換えて性能がよくなったので、Google Sky Mapという星座アプリも非常にさくさく動く。
(プラネタリウム班に所属していたわりには星座を覚えていないので、普通にスマホアプリを使って星を見ている)
何だかんだ言って、やはりこの星空こそが私の魂の原点のような気がしてくる。
天文研究会を引退してもう幾数年経つが、こうして天の川を眺めていると、何やら原点に戻っていろいろと考えることが出来るような気もするが、その原点とやらが何なのかは良く分からなかった。
もっと遡れば、小1のころにフィンランド人の赤い髭面の老人に天体望遠鏡を発注していたようなガキであった(小2のころに発注したのはポケモン金銀である。前回記事参照)。逆上がりはできなかったが、天は見上げようとしていた。
一つだけ再確認できたのは、定期的にこうして満点の星空を見て心を洗浄することが私には非常に重要なことらしい、ということである。
そのうちに、ぎょしゃ座も昇ってきた。

星団も見える。
すばるやアルデバランがあがってきたのが3時すぎぐらいだったかと思うが、もう薄明が始まってきていた。
こうなるともう撮影はできない。
この日の日の出は4:47であったが、3時半には戦場ヶ原を後にした。
帰りは東北道ではなく、田中角栄自動車道…じゃなかった、関越自動車道を通って江戸に帰還することにした。
そのついでに、沼田にも寄った。
真田丸で何度も出てくる沼田であるが、どんなところかと見てみることにした。
沼田といえば個人的には河岸段丘の街である。
地理の教科書や資料集なんかに出てくる河岸段丘の例は、だいたい沼田の写真である。
段丘面が一望できる場所があった。

写真では伝わりにくいが、奥行きもあり、凄まじい迫力である。
なるほどたしかにこれは天然の要害である。
ただ、星を見に行くことの大きな欠点は、一気に生活リズムが狂ってしまうことである。
夜に出撃して朝帰ってくるので、必然的に夜型になる(に戻る)。
その結果、こんな時間にブログを更新してしまうようになってしまう。
あと数時間後には労働が始まるのかと思うと山奥に逃げたくなるが、しばし我慢して、またちょっとしてから天の川を見に行けばよいわけである。
ああ^~ たまらねえぜ。
やはり星まみれになると最高やで。
もう一度行きたいぜ。