#593【旧ブログ2015年7月21日投稿】星を追いかけて
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星を追いかけて
2015年7月21日
http://blog.livedoor.jp/moneylight/archives/52125782.html
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こんばんは、マネーライトです。
最近クソ熱いですが、いかがお過ごしでしょうか。
こうも暑くなるとジュースが進むね、ジュースが。
お子ちゃまなので、ビールとかよりオランジーナやファンタグレープが進みます。
ファンタグレープといえば、このあいだマクドナルドとかいう最近評判の悪いファストフード店に行ってチーズバーガーセットを注文しようとしたら、店員に「そんなものはネェ」と言われてしまった。
いつの間にかチーズバーガーセットが廃止されていたのである。
マクドナルドほど改悪に次ぐ改悪を重ね、自滅していっている企業は無い。
思えば、回転率を上げるため、カウンターからメニュー表を隠したころから完全に狂ってしまった。
最近よく思うが、もともと汚かったとはいえ、店内が非常に汚い。
どこの店舗も尋常じゃないレベルで散らかりまくっている。
人件費削りすぎて、清掃を行うほどの余裕がなくなってしまったのだろう。
手っ取り早く利益を上げるため、削っちゃいけないものをどんどん削っていってしまっているような気がする…。
どうでもよいが、あの薄くてすぐに割れるマクドのグラスが、今年は無料プレゼントではなく有料(たしか100円)で販売しているらしい。
あんな凶器を100円払って買うくらいならどう考えてもダイソーに俺は行く。
いったい、どうなってしまったのか…。
ちなみにあのマクドのグラスはかれこれ4つぐらい所持していたが、なんと全て割れて我が家からは消え失せた。
そのうち1つは、落ちた際に受け止めようとして俺の右手で割れ、小指にザックリと傷を残していきやがった。
キッチンがちだまりスケッチ状態になったあの頃からもう5年経つが、未だに傷跡残っている。
アメリカではマクドナルドで買ったコーヒーを自分でこぼして火傷したせいで3億円の賠償金を得られたというので、5年経つが私がこの案件で訴訟起こせば10億円は下らないのではないだろうか。
さて、資本主義の象徴をこき下ろすのはここまでにして、別の話をしましょう。
3連休と聞くと、3日間ごろごろするのは勿体無いと考えるのが人の良い癖でもあり、悪い癖でもある。
私もどこかへ行こうと思い、いろいろ考えた結果、久しぶりに星を見に行こうと決めた。
大学時代、私は天文研究会という部活に所属し、一応天体観望には足繁く参加していた。
だが大学を卒業して以来、田舎へ赴いて星を見る機会はなく、1年半ほどが経過していた。
いわゆる「星欲(せいよく)」というものが溜まりつつあった。つまり欲求不満である。
月齢カレンダーを見ると、三連休は新月に近い(天体観望は月が出ているとほぼ不可能)。
よし、これは行くしか無い。
だが、カメラは昨年の初任給で買った富士フイルムのミラーレス一眼があるのでヨシとして、問題は三脚すら持っていない現状。
固定撮影をするにしても、さすがに三脚は必要だ。
というわけで、池袋のビックカメラに三脚を買いに行った。
いろいろ見て回っていたのだが、ひとつ目に飛び込んだのが、「ポラリエ三脚セット」。
三脚はともかく、ポラリエとは…?
そう、知る人ぞ知る、ポータブル赤道儀の一つだ。
私が天文研究会にいたころに発売されたと記憶している。
天体撮影のことを全く知らない人のために説明しておくと、満天の星空を写真におさめるためには、スマホでかしゃーっとボタンを押して撮影するだけでは不可能である。
手元のiPhoneか何かで空を向けてやってみたらわかると思うが、基本的に月以外の天体は何も写らない筈だ。
それは、星の光というのは非常に微弱なために、普通のカメラのように一瞬シャッターを開けて閉じるだけでは十分に光を集められないので、数秒、あるいは数分、数十分とシャッターを開いて置かないといけない(これを露光という)。
ただ、このように長時間露光するためには、カメラをしっかり固定しておかないと、ぶれてしまう。
故に三脚が必要となる。
三脚とカメラだけでも、ある程度であれば星空の写真を撮ることができるのだが、実はそれでは結構限られたレベルの写真しか撮ることができない。
その理由は、地球が自転していることにある。
地球はおよそ1日かけて360度ぐるっと回転するので、太陽は東から西に登るように見え、星空も東から西へと動いていくように見える。
実際は太陽や遠くの恒星は殆ど動いておらず、地球だけが動いているのだが、見かけ上は地球とその上に立つ私たちや私たちのカメラは動かないで、太陽や星がゆっくりと動いていくように見えるのだ。
したがって、数秒、数十秒、数分とシャッターを開けて星の光を入れている間に、星は動いていってしまう。
ポータブル赤道儀というのは、非常に簡単に言ってしまうと、その動いていく星空に合わせて、カメラを回転させるための機械なのである!
私のいた天文研究会では、ポータブル赤道儀ではなく、ちゃんとした赤道儀に電源をつなげて星空にあわせて回転するような機能がついたものを使っていたが、それはさすがに高価であり、ちゃんとした望遠鏡をつけるような代物である。
ヨドバシにおいてあったポラリエというのは、三脚に手軽にくっつけて、手軽に星野写真を撮れるようにできるものであり、値段もガチの赤道儀ほどは高くない。
1万円ほどの三脚を買いに行った筈なのだが、このポラリエが売ってるのを見て、ポータブル赤道儀を買うという選択肢もアリだということに気づき、家に帰って非常に悩んだ。
(今三脚を買って、何年後かにポータブル赤道儀を買うよりも、この「ポラリエ三脚セット」を今一気に買ってしまったほうが良い…)
(しかし、59000円は高過ぎるのではないか?たしかに天文研究会で写真研究班に所属し(他人の助けの元でだが)星の写真を撮ってはいたが、いきなり59000円も出すのではなく、徐々に自分で慣らしてからのほうがよいのではないか…?)
(いや、こないだ夏のボーナス出たぞ。いけるやろ。)
などと天使と悪魔が私の脳内で壮絶な戦いを繰り広げた結果…

悪魔が勝った。
さっそくこれを担ぎ、三連休初日の土曜日にレンタカーを借りて出かけた。
関西の観測場所は大学時代にいくつか知ることができたが、関東のそれは殆ど知らなかったので、いくつか調べた結果、長野県と山梨県の県境付近にある野辺山という場所にいくことにした。
関東では有名な天体観望地の一つである。
おそらく関東でも他にもっと星が綺麗な場所はあるとはおもうが、関東から比較的行きやすい場所の中ではかなり星が綺麗である、という点で人気なのがここ野辺山だと思われる。
中央自動車道で行けばかなり楽である。

関東という世界有数の光源地帯から逃げるのは至難の業である。
「関東から行きやすい」というのが売りの筈なのだが、結局片道3時間近く自動車を運転させられた。
神戸大学からいつも行っていた峰山高原という観測場所の2倍近い距離である…。
いかに関東平野が明るすぎるかということである。
他にもっと暗い場所はあるんだろうけど、とりあえずここは定番を抑えておくかということで、野辺山へ。
一人で行くつもりだったが、天体観測に行くということをポロッと後輩(天文知識全く無し)に言ったところ、暇なので何故かついてくると言い出したので、2名で向かった。
結果的に、自動車の運転で教えられることが多かったので助かった。
あまり天候は期待できなかったが、少しは晴れるという予報だったので、出撃。
なあに、大学時代は一晩待っても一切晴れないなんてことはザラであったので、そんなことには慣れている。
むしろ晴れるという予報がある時点で上出来だ。
台風一過を狙ったつもりだが、今回の台風は速度が遅く、全然一過してくれなかった。
むしろポラリエの操作方法確認と、観測場所調査の意味合いも結構大きかったので、個人的には「1枚でも星空の写真が撮れれば御の字」っていう気分だったが、同行者ができたので少し申し訳ない思いもしつつ初の首都高に乗車したところ、
C2中央環状線で池袋→西新宿に行くだけで渋滞で1時間かかるというとんでもないスタートを切ることになった。
首都高恐るべし…。
結局野辺山付近に到着したのは23時ごろ。
走行中に霧が出たりして、これはもうヤバいのではと思ったが、農道で車を降りてみると…。
満天の星空!!!
久しぶりに天の川を見た。
夏の天の川はいつ見ても迫力がある。
私たちがひとつの銀河の中にいるということを180度で感じさせてくれる。
これだけでももう十分だった。星欲が満たされたのだった。
その場所は電線があり写真を撮るには適していなかったので、少し移動して、何もない農道に出た。
そこで三脚を出し、ポラリエをセットしてみる。
天文研究会時代に死ぬほど苦労した極軸合わせ(北極星を探し出し、赤道儀に北極星の位置をセットさせる。これ正確にセットしないと、星空の動きを正確に追尾してくれない)。
ポーラーメーターという「簡単極軸合わせ機」みたいなのを買ったが、最初は久々に極軸合わせをするかと思って、ちゃんと穴から極軸を探して合わせた。
そして、追尾モードにして、いざ…
何度か調整をして、撮ったのがこれである。

(ブログにアップするため、少々圧縮しています)
少し明るすぎて、しかも雲が入ってしまったが、ポラリエを使うと私のようなものでも数回で天体写真っぽいものがとれてしまう。
これはカシオペア座を中心にとったが、天の川もまあまあ見えている。左には北極星が写っている。
ふと右を見るとアンドロメダ銀河らしきものが見えたので、焦点距離をあげて再度撮ってみた。

カメラはFUJIFILM X-M1。焦点距離はたぶん50mmぐらい。
もっとうまい撮り方はあるのだろうが、私はこれで満足した。
それに久しぶりに満天の星空を見ることができたことと、大学時代とは違い他人の力を借りずに天体の写真を撮れたことが嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
ここで霧が出てきたので、少し街の方に出てみることにした。
ここ野辺山は、JR小海線という路線が走っている。
もちろんローカル線だ。
野辺山一帯は高原で、野辺山駅はJRの駅で最も標高が高いらしい(1345mぐらい)。
ちなみに隣の駅は、清里駅である。かつては清里ブームとやらで賑わったらしいが、今は寂れている。
もちろんローカル線の駅なので、野辺山駅のまわりは特段何もない。
とはいえ駅は駅なので、明かりは強いであろうから星はそんなに見えないだろうなあ…と思ったが
結構見えた。
ここが野辺山一帯のすごいところだが、村のどこでもすごくキレイに星が見える。
普通は山奥とか、人里離れないと絶対に見えないのだが、ここでは村の中心部でも見える。
さすがは高原である。
それに、おどろくべきことに、野辺山駅前の自販機はライトが消されていたりしていた。
星空が綺麗なことを観光資源とするために、一部こうしたところで配慮をしているようなのだ。
霧も晴れたので、野辺山駅前でポラリエのテストを再開することとした。

野辺山駅舎のバックにペルセウス座をもってきた。
野辺山駅の駅舎前にあった自販機だけが明かりがついていたのが惜しい。
野辺山駅前にあったよくわからない建物を前にして、夏の大三角を撮影。

…しようとしたら、流れ星が入った(右下あたり)
もう一度

(ポーラーメーターで適当に極軸合わせしたので若干流れてしまったがまあええやろ)
ちなみに、ポラリエをOFFにし星を追尾させず、地球の回転に身を任せて(?)数分露光させるとこんな感じになる。

数分と言わずもっと長い時間あけてみればよかったが、時間も迫ってきたのでこの日はここで終えた。
あまり期待せずに野辺山にいったが、期待以上であった。
まさかJRの駅前でここまでの星空を楽しめるとは思わなかった。
ポラリエも初めて使用してみたが、広角レンズで星野・星景写真を撮る分にはコイツで十分であると思った。
かなり霧が出ていた時間も長く、撮影に従事できた時間が少なかったため、いろいろな露光時間・ISO値・F値で試すことができなかったのが残念である。今度はいろいろと試してみたい。
また、もっと良い写真がとれるよう精進せねばならぬと感じた。
反省点もいろいろあるので、次回までにいろいろ試せるように準備しておきたいと思ふ。
いやはや、良いものを買ったぜ。
久しぶりの徹夜観測に加え、四輪免許取得以来最も長時間運転したので疲れ果て、爆睡してしまった。
しかもまさかの夏風邪に罹患し、きのう・きょうと寝込んでしまっていた。
もうおれは大学時代のような徹夜観測に耐えうるような体ではなくなってしまったのであろうか…。
とはいえ、夏風邪をもらってもお釣りがくるほど、良い土曜日を過ごしました。
みなさんもたまには星を見に出かけよう。