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投資の醍醐味を理解してない方々へ

今週末は日銀会合で政策変更の思惑があることから日本株は半導体を中心とするハイテク・グロース株の上値が重いことで、日経平均の上値も重たくなっている。しかし決してマーケットのセンチメントが悪化しているわけではない。
 5月から急上昇を演出した日本株市場は、名目GDPが年換算で+8%越えを記録したことでファンダメンタルズの改善期待を背景に海外投資家の日本株買いを誘発している。現在は決算発表前ということに加えて、一時期に比べて円高水準となったことから、利益確定売りが優勢となっているだけの話だろう。
 ここ最近良い値動きをしているのは、建設株だ。既にコモディティ価格がピークアウトしたことで、再び受注採算の改善期待が株価上昇をサポートしているようだ。スーパーゼネコン各社の株価を見れば指数の上値が重たい中で軒並み年初来高値を更新している。
 低PBRセクターでもある建設株だが収益率の改善が著しいので買いが継続しそうだ。
 なお、今回の決算発表で苦戦を強いられそうな業種は半導体業界だろう。台湾TSMCの4年ぶりの減収減益を皮切りに、昨日のアドバンテストの大幅減益は上昇ムードをぶち壊すには十分な内容となっているからだ。ただし、決算イベントによる株価変動の影響があろうが急落相場は短期で終わる可能性が高いだろう。決算が一巡すれば、再び、上値を切り上げる動きが十分期待できるはずだ。
 続いて米国市場だが、NYダウはこちらは堅調で36年ぶりの13連騰を記録している。米国も決算発表が本格化しているが、企業業績が予想以上に堅調となっている。金利上昇と高インフレによる景気懸念が以前から指摘されていたが、予想に反して経済が堅調なことから、企業収益も予想を上回る銘柄が多い。ディマンドプル・インフレの影響を多くの市場関係者が読み間違ったということで、企業収益の予想も読み間違ったようだ。
 7月の米消費者信頼感指数は、予想を上回ったばかりでなく、約2年ぶりの高水準となった。雇用環境が良好なことから信頼感の改善が続いている。
市場金利の上昇や逆イールドによる米国景気後退懸念と昨年から騒いでいた市場関係者の予想の質が如何に低いかが改めてわかった。高インフレ経済を長らく経験していなかったことで、名目と実質の乖離が発生した時の影響を完全に読み間違ったのである。
 なお、IMFの世界経済見通しも上方修正された。コモディティ市況のピークアウトの影響もあり、インフレ期待が低下していることから、いよいよ米国市場では政策金利の引き上げフェーズも最終局面に突入したと見て良いだろう。実体経済や企業収益が良好であるため、米国株の更なる上昇の可能性も高いだろう。
 過去のPERと比較して割高感を指摘する声はあるが、低インフレ環境と高インフレ環境のPERの水準を単純比較しても全く意味がない。インフレは、株式投資にとってはフォローの風が吹いている環境であることは間違いない。
 以下では高配当銘柄にばかり目が行きがちな投資家の方々に、実はハイテク株も超高配当銘柄になる可能性があり、投資妙味が高いと判断できるカラクリをお伝えしたいと思います。ぜひご一読ください。

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