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日本の公鋳貨幣

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日本が発行した「貨幣」の解説や、流通していた「貨幣」の歴史などをまとめた記事です。1から順に時系列順に解説しています。
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2020年8月の記事一覧

日本の公鋳貨幣6「富寿神宝」

日本の公鋳貨幣6「富寿神宝」

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国史に記載されなくなった貨幣発行の経緯嵯峨天皇の弘仁9(818)年、朝廷は新たな銅銭を発行しました。この銅銭を「富寿神宝」と言います。

皇朝十二銭に関してはここら辺から書く事がなくなっていきます。理由は単純で史料が殆どないからです。何故ないのかって、そりゃあ、お金が使われなくなっていったからです。畢竟、朝廷が貨幣のことを考える必要も減少しました。

どの位朝廷が貨幣に興味を失った

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日本の公鋳貨幣5『隆平永宝』

日本の公鋳貨幣5『隆平永宝』

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延暦15(796)年、『隆平永宝』という名前の直径24〜25mmの銅銭が発行されました。『鳴くよウグイス平安京』でおなじみ、延暦13(794)年の平安京遷都から2年後のことであり、この貨幣が平安時代に初めて発行された貨幣となります。

発行時の天皇は、桓武天皇。発行の目的は、平安京の遷都に伴い増大した支出を、シニョリッジ(通貨発行益)で補う事と言われます。そもそも、どうして大仏まで

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