【聞き流しは意味がない!?】知っている単語なのに何故かあなたが使えない理由
皆さんこんにちは!
MONEY ENGLISHコーチの大石です。
さて、今日は英語学習永遠の謎について迫ります。
私は毎回初めまして!の生徒さんに(初回のカウンセリング時なんかに)
「何か、日々やっている・やっていた英語学習なんかはありますか?」
と必ず聞きます。
それは何故かというと、その人がどんな学習をどれくらいしてきたという履歴が分かれば、ある程度現在の英語力を想定することが出来るからです。
そう、尋ねるとよく生徒さんの回答で、
「通勤中にCNNなんかの英語のニュース流して毎日聴いています!」
「家で、海外ドラマとか洋画とか流したりして、見るようにしています!」
「ラジオ英会話は好きで、毎日聴くようにしています!」
おおお!
隙間時間等を使いながら、英語に積極的に触れているのは良いことだ!と私はいつも嬉しくなるのですが、
「でも、"聞き流し"ってあまり意味ないんですかね・・?」
「あまり勉強になっている感じはしないです。。」
という悲しい感想も同時に頂きます。汗
というわけで、今日は
「聞き流し」って本当に効果あるの?!
(はたまた全く意味が無いからやめた方がいいの?)
ちなみに結論から言うと、個人的には
音読と並んで最強の学習法だと思っています。
なのにも関わらず、随分と誤解が多いので、本日は!
何故意味がないと感じられがちなのか?
実際に聞き流しをしても英語力が伸びないのは何故なのか?
聞き流しの最強の学習効果は?
正しい聞き流しの方法は?
ということに関して、つらつらとお話していこうと思います。
"聞き流し"は意味が無いと思われている理由
まずは、何故そのように思われることが多くなったかという背景です。
恐らくですが、2つあるのではないかと推察します。
①スピードラーニングが流行りすぎたから
②ながら学習なんかでは身に付かないという強い思い込み
では、少し細かく解説していきます。
①スピードラーニングが流行りすぎたから
さて、いきなりド直球ですが、
皆さんは、"スピードラーニング"という聞き流し教材を知っていますか?
かの有名なプロゴルファーの方がCMで、
音楽を聞くように英語を聞き流すだけ!
ある日突然、英語が口から飛び出した!
というものですから、一昔前ですが人気爆発で、プチ社会現象っぽくもなりましたよね。
そこで多くの社会人、主婦の方たちが1日の隙間時間で毎日聞き流しを実施した結果、
なんと、なんと!!!!
「・・英語力はほとんど上がりませんでした」という人が多数。
悲しいですが、これにより
「聞き流し=効果なし・嘘っぱち」
という印象が大きくついてしまいましたね。
一時期は、宗教だ!とまで言われることもあったようです。
②ながら学習なんかでは身に付かないという強い思い込み
さて、次はこちらです。
英語って何故だが、簡単に伸ばすのが難しいものだという思い込みがありませんか?(数学嫌いな人は、数字見ただけで拒絶反応!的な)
はっきり言って、それは"思い込み"なわけですが!
(英語学習は皆さんが思っているよりもずっとシンプルですから)
「苦労しないと、英語なんて話せるようにならない!」
と、英語学習経験者ほど、信じているかと思います。
その点、聞き流しは
・1日15分で良いよ!
・音楽のように聴くだけでOK!
という、一見苦労が無い英語学習過ぎて、逆に怪しい!そんなんで伸びるわけない!的な思い込みがありそうな気もしています。
結論、簡単だから身に付かない!なんてこともないんですけどね!
実際に聞き流しをしても英語力が伸びないのは何故なのか?
さて、お次はこちらです。
では、聞き流しで英語力が伸びないは何故なのか!?ということについてお話していきます。
考え得る原因は大きく2つです。
①聞き流しに必要な基礎リスニング力が不足していたから
②やり方を誤っていたから
では、こちらも解説していきます。
①聞き流しに必要な基礎リスニング力が不足していたから
まず、聞き流しですが、大きな誤解をまずここで訂正させてください。
意味も分からない、音としても認識できていない英語を音楽のように聴いていても全く意味はありません。
最新の言語学研究(第二言語習得論研究)でも、
大人が意味の分からない状態で聞き流しをし、英語力を向上させることは不可能と言われています。(ちなみに、赤ちゃんや小学3年生以下程度の子供なら意味が分からなくても効果抜群!みたいです)
大人の聞き流しが効果的に実施できるのは、
・意味が9割以上理解できる状態(音もおおよそ認識できている)
です。なので、聞き流しを効果的に行って、流暢なスピーキングが出来るようになるためには、ある程度の基礎的なリスニング力が必須というわけです。
では、そもそもリスニング力を伸ばさないと!と思った皆さん!
是非、下記の記事をご覧ください。辞書のような粒度で細かく解説しています(^^)
②やり方を誤っていたから
こちらは恐らく少数だと思いますが、、
リスニング力もあって(9割以上聴きとれていて)聞き流しを行っていたが、効果が無かった!という人も、もしかするといるかもしれませんので、補足します。
聞き流しで大事なのは、ただ音源を選ばず闇雲に聞き流しするよりも、
出来るだけ同じ音源を何度も繰り返し聞くことが重要です。
例えばですが、
今日はビジネスのトピックについて!
明日は趣味のゴルフについて!
明後日は時事ニュースについて!
という感じで毎日色々なトピックについて幅広く聞いていると、聞き流しの中で反復学習(繰り返し特定の単語や表現・文章を聞いたりすること)が出来ず、長期記憶に繋がりづらくなります。結果として、スピーキングに繋がる!という点で言うと、効果が比較的薄くなる傾向があります。
とはいえ、やらないよりは勿論ベターです!
聞き流しの最強の学習効果は?
さて、この記事も後半戦です!
聞き流しは効果ありますよ! と言いつつ、
具体的にはどんな効果があるのか!ということを端的に解説します。
期待出来る学習効果は大きく3つです!
①英語の音に耳が慣れる
②語彙・表現・文章構文等のインプットが出来る
③「知っている」から「使える」になる
これだけでも、最強と呼ばれる所以を感じませんか?(笑)
①英語の音に耳が慣れる
英語力の向上に必要なのは基礎と実践です。
聞き流し(多聴)は、いわばリスニングの実践ですので、
リスニング力向上には絶対に必要なトレーニングです。
耳が慣れるというのは抽象的なので、もう少し具体的に説明すると、
単語単体の発音や連続音(音声変化)等、頭で理解できていても、
実際はどのように発音されているかまででき知らない・分からない!というケースがあります。
事実として、語学は理論や規則だけで説明できるものではないので、
例外や実際を、英語にたくさん触れながら学んでいくことも必要で、
それがつまり「慣れていく」ということです!
②語彙・表現・文章構文等のインプットが出来る
自分のスピーキングにおいて、語彙・表現・構文が足りない(いつも同じパターンだな・・)なんて思って、単語帳でたくさん単語・表現を覚えたり、英文を丸暗記したり。。していませんか?
語彙や表現を増やそう!と思うと、そういうイメージがほとんどだと思いますし、実際も皆さん恐らくそうしている人が多いですよね。
でも、本当は実際に読んだり・聴いたり等でインプット(覚える)することも多いはずです。
例えば、あなたの同僚は上司が、会議終了後の口癖で
「粛々(しゅくしゅく)と頑張っていきましょう!」
と毎回言うとします。(そういう人の口癖ってありますよね)
あなたは、
「へ~粛々っていう表現があるんだ。」と気付きます。
これの連続が聞き流しによるインプットです。
特別なことではありませんよね。
③「知っている」から「使える」になる
先ほどの話に戻りますが、例えば単語帳で1000単語覚えたとして、その1000語がスラスラ使えるようにもなるかというと、あまり使えるようにはならないですよね。せいぜい使えて100語未満だと思います。
何故覚えたのに使えないかというと、
「実際にどのようにして使われているか」に触れていないからなのです。
もっと具体的に言うと、
「その単語がどんなシーン、どんな文脈で、どんな感情で、どんなニュアンスで使われているかまではあまり理解できていない」
ということです。
例えば、日本語でもそうですよね。
単語帳的に、
「粛々と」=静かに集中して、コツコツ着実に
と覚えたとします。(そこまで日常的な単語ではないですよね)
さて、明日以降日常生活の中で使えますか?
多くの人が、ほとんど使えずに終わると思います。
反対に、先ほどの例で言うと、
「では、今日の会議を終わります!皆さん、明日以降も粛々と頑張っていきましょう!」
と毎回言う上司がいたとしたら、
いつしか自分も打合せ中に、
「私のチームも課題解決に向けて粛々と頑張っていきたいと思います」
と知らず知らずのうちに使っているみたいな経験、誰しも1つは思い出せると思います。
もう1つ、別の例えを。
口癖やアクセントってよく人に移りますよね?
・大阪の人と長く一緒にいると、アクセントや関西弁移った経験ある方いませんか?
・いつしか、上司や友達の口癖が移って、自分も使うようになってしまっている!みたいなことありませんか?
全く同じです。
「口癖が他人・自分に移る」というのが、まさに、
リスニングとスピーキングの関係性の1番簡単な例です。
たくさん触れれば、「自然と使える」ようになります。
たくさん覚えても、使えるようになることは少ないです。
大人になってから、例えば今の会社や業界でよく使われる単語も、単語帳で覚えて、
「よし、明日のミーティングで使ってみよう!!」
と練習していたわけではなく、たくさん聞きながら耳に馴染んで、いつしか自分も自然と使えるようになっていましたよね。
聞き流しは。使用者の「感情・ニュアンス・文脈・シーン」等を全て理解した上でインプット出来るので、使えるようになりやすいわけです。
正しい聞き流しの方法は?
さて、この記事もまとめに入っていきます!
では、正しい聞き流しの方法は?めっちゃシンプルです。
①基礎リスニング力をあげること
②自分が9割以上聴きとれる範囲の音源を選び、毎日聴いてみる
シンプルですね~。
①基礎リスニング力をあげること
まずは、先ほどもお話した通り、
聞いて理解できないものを聞き流してもほぼ意味がありません。
なので、基礎的なリスニング力を上げていくことが先決です。
では、どの程度まで上げたら良いの?という話ですが、
・TOEIC Listeningで言うと、450点以上程度
・英検で言うと、準1級以上程度
・CEFRで言うと、B1+以上程度
が、理想です。
何故理想かというと、
このレベルまで上げれば、音源やレベルを選ばずにある程度は自分の聞きたいもの、興味のあるもので聞き流しを行えるからです。
その一方で、それに達しないレベルでも聞き流しは行えますが、
音声のゆっくりなものや比較的簡単なものを選ぶ必要があったりするので、少し選択の幅が狭くなります。それでも勿論効果はあります!
ですが、リスニングの上にスピーキング力の向上があることは覚えておきましょう。ある程度のリスニング力を持った上での聞き流しは遥かに効率が良いです。
(だからこそ、スピーキングトレーニングに本腰を入れるのはリスニング力がある程度仕上がってから!という理想の4技能学習順になるわけです)
②自分が9割以上聴きとれる範囲の音源を選び、毎日聴いてみる
後は簡単です。
毎日隙間時間で出来るだけ繰り返し聞いてみることです。
「興味のある内容だけど、音源のレベルが高すぎる!けど、それで聞き流しをしたい!」
ということであれば、スクリプトを見ながら少し音読の練習をしてみた上で聞いてみましょう。聴きとれるようになっていれば、レベルが高くてもOKです。
ちなみに私は、海外のドキュメンタリー番組をよく隣で流しながら仕事をしていたりします。(笑)
(これは繰り返し聞いているわけではないので、趣味の一環ですが・・汗)
まとめ
さて、本記事では「聞き流しトレーニング」について、色々お話してきましたが、リスニング力に限らず英語学習で1番大事なことは、
毎日どんな形でも良いので英語に触れること
です。仮に9割聞こえなくても、英語を聴けるのであれば、勿論聞いた方が良いですし、勉強の為だ!と意気込んでやる時間以外で、フランクに英語に触れていくこともとても重要です。
学習効率ばかりに囚われてしまうと、英語学習の楽しさを見失ってしまうこともありますので、1番大事なのは「楽しく!続けられること」というのを忘れずに明日から頑張っていきましょう(^^)
英語学習は質より量!
でも、質も同じくらい大事です。(笑)
是非、今日から聞き流しやってみてくださいね~!
MONEY ENGLISH コーチ
大石
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それでは、また次回の記事で皆さまに会えることを心より楽しみにしています。
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