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画像生成AIを使ったMeta広告の検証

こんにちは!
フリーランスでデザイナーをしているMoneと申します。
私は現在、株式会社DIFF.というスタートアップで、業務委託でデザイナーとして携わらせていただいています。
今回は、マーケティングチームとデザインチームがコラボレーションし、画像生成AIのMidjourneyを活用したマーケティング検証を実施しまして、色々と学びがあったのでシェアさせていただきます。
AI活用、効率的なマーケ検証などの切り口で、読者の方の自社業務にも活用いただけると嬉しいです!

検証したかったこと

事業についてはじめにお伝えすると、株式会社DIFF.では、左右のシューズを別のサイズもしくは片足だけで購入する事ができるシューズ通販を展開しています。

サイズの左右差がある人は5人に1人程度いるそうです

マーケチーム側で、今後のDIFF.のマーケ活動におけるセンターピンを「サッカーを月に一回以上実施する30代以上の人」にすると有効なのではないか、という仮説を立てていました。今回のmeta広告(Facebook/Instagramで表示される広告)検証と、直前に実施していた定量調査で、仮説の検証および、どのような訴求が刺さるのかを明らかにしたいと考えました。

meta広告検証での調査の前提

  • そもそも、運動強度が高いと怪我などで足の左右差の課題が顕在化しやすいため、運動強度の高いサッカーに注目していた

  • 定量調査の結果から、サッカーを月一回以上実施する人は、足の左右差による靴擦れなどの悩みが高い割合で顕在化していることが分かった

meta広告検証の目的

「サッカープレーヤーは課題が顕在化しており、ある程度刺さりそう」というのが定量調査で分かったので、meta広告検証では『「サッカーを月一回以上実施する人」に、大まかにどのような訴求が刺さるのか明らかにする』ことを目的に設定しました。

DIFF.が提供する、両足に合ったサイズのシューズを履くことによる効果で、

【仮説①】高校〜大学の世代の人には「プレーのパフォーマンスを向上させる」訴求が刺さりやすいのではないか
【仮説②】30代以上の人には、「靴擦れなどの怪我を予防する」訴求が刺さりやすいのではないか

社内のサッカー経験者の議論などから上記の2つの仮説があり、年代別にどの訴求が刺さるのか、検証を試みました。

実施方法の概要

年代をざっくり以下の4つに分けた上で、

  1. 10代向け(主に高校生)

  2. 20代向け(主に大学生)

  3. 25-34歳ぐらい向け(社会人若年層)

  4. 35歳以上向け(社会人)

訴求の切り口を仮説に基づいて

  1. パフォーマンスが向上するという訴求

  2. 怪我が予防できるという訴求

4世代分x2パターンの訴求で、合計8個のクリエイティブを作成しました。

大まかにmeta側のターゲットユーザーの年齢に合わせたクリエイティブが配信されるよう設定し、平日4日間でインプレッション・CTRなどを調査しました。

生成AIを使ってみた理由や、狙った効果など

今回、以下のようなことを期待して、生成AIを使ってみました。

  • 色々なパターンのクリエイティブをクイックに作成できる

  • それぞれの世代に自分ごととして捉えて欲しかったので、ストック画像ではなく年齢別に狙ったイラストを作りたかった

  • ストック画像にはない生成AIにしか作れない画像で、目に留まるものができるのではないかという期待

クリエイティブの作成

まず、サッカーに関するブログなどでデスクリサーチした上で、miroにそれぞれの世代がどういう人なのか、モチベーションや課題を書き出しました。

その上で、それぞれの世代に刺さりそうなコピーとAIイラストの叩き台を用意し、マーケチームのメンバー(サッカー経験者の方もいた)とディスカッションし、ブラッシュアップしました。

生成AIはMidjourneyを使いました。

AIイラストが出来たら、コピーと組み合わせて広告として見やすいようにデザイン。
それぞれの世代に、自分ごと化してもらえるようなコピーやイラストにしましたが、それ以外はなるべく変数を減らしたく同じ枠の中に入れました。

完成!

プロンプトのトライアンドエラー

Midjourneyでの画像の生成にあたっては、以下のような点を工夫しました。

  • 人種を指定せず「高校生ぐらいのサッカープレーヤー」とすると日本人ぽくないイメージになったので、"Asian People"や"Japanese"などのプロンプトを入れ、調整していきました。

Midjourney自体が海外のサービスなので、当たり前っちゃ当たり前ですが
  • 屋外で一眼レフで撮影したような仕上がりにしたかったので、"shot by DSLR"を入力

  • 年齢指定をすると指定した年齢より老けたイメージで生成されるので、アラフォーぐらいの見た目にしたい場合は"about 35 years old"を入力。加えて"cool guy, fresh"を入れるとイケメンになり(笑)、少し若く見えるので、この二つのプロンプトを入れることで狙い通りの見た目になりました

  • スーツを着た男性がサッカーをしている画像が欲しく”A business adult man"などを入れたがなぜかサングラスをかけているものが多く出てきました

  • "no sungrass"を入れてみると、逆に百発百中でサングラスをかけた状態になりました。「〜をしていない」という直接的な指定をするのは画像生成AIでは現状は無理か、かなり考えてプロンプトを工夫しないと難しいと思われます。

百発百中グラサン

検証結果

8種類のクリエイティブを平日4日間で検証した後、マーケチームの方で分析してもらいました。

分析結果の一部抜粋

検証結果概要

  • どの世代でも、パフォーマンスより怪我訴求の方がインプレッション/CTRなどが高かった

  • 特に、25-54歳においては怪我訴求がパフォーマンス訴求に比べ、5-10倍のインプレッションをマークし、ターゲット層のインサイトを捉えやすい訴求と考えられる

  • 25-54歳においてはクリック数も高く、定量調査の結果とも一致することが確認できた

  • CTRやインプレッションも比較的高く、世代別のCTRで3%を超えているものも多く中には5%以上のものもあり、インプレッションは4日間で50,000近く獲得できた

結果から大まかに、

  • 一定のニーズがありそうなので、「サッカーを月に一回以上実施する30代以上の人」をセンターピンにすることは有効そうである

  • 世代関係なく、怪我防止の訴求のほうが方が刺さりやすい

ということが分かりました!

副次的に得られた知見やメリット

今回、このmeta広告検証をした事で、「DIFF.のサービスはマイノリティ(足のサイズの左右差がある人)のペインに向けたものだが、デジタルアドを打っても一定有効そう」ということもわかりました。
また、怪我訴求が有効そうということがわかったので、今後のコンテンツの議論の参考にもなりました。

振り返り(生成AIを使ってみてよかったか?次に活かせるとしたら?)

今回のmeta広告検証で、生成AIを利用することは、個人的には有意義だったと思います!

私自身がサッカーの経験がなく、コピーやイラストが刺さるものになっているか少し不安だったのですが、コピーとAIイラストをクイックに準備した上で、社内のサッカー経験者とディスカッションし、ブラッシュアップすることができました。
広告の方向性やコピーを考える際の議論や、大規模なマーケ施策を実施する前に「どんな訴求が良いか」を検証する際には、素早くイラストを用意できるため、かなり有効だと思います。

おまけ ボツになったイラストたち

さいごに

「足が喜ぶ、あしたをつくる。」をビジョンに掲げる株式会社DIFF.では、ヒト起点で自分に合ったシューズを気軽に手に出来る世の中にする事を目指して、事業活動をしています。

代表の清水さん自身が、足のサイズの左右差に悩んでいるのが起業のきっかけだったそうです。ちなみに、足のサイズの左右差があると言われる人は5人に1人いるそうです。(※推奨される靴のサイズが、左右で異なる人の割合が20%程度)意外と多いですよね。

もしDIFF.の事業に興味があったり、実は自分も足のサイズが左右で違うかも・・という方がいましたら、DIFF.公式X(旧Twitter)あてにお気軽にご連絡ください!

DIFF. 公式X(旧Twitter)
DIFF.コーポレートサイト

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