忙しいときこそ丁寧な仕事を

2024年12月19日 13:18

看護師の仕事はとても多忙です。バイタルを測定して、患者さんの状態を観察し、点滴をつなぎ、ケアを行い、患者さんやご家族の話を聞き、さらに医師の指示や相談にも対応しなければなりません。1日があっという間に過ぎてしまうほど、目の前の業務で手一杯になることもあるでしょう。

しかし、そんな忙しいときだからこそ、「目の前の仕事を一つひとつ丁寧に行う」ことが大切です。

患者さんとしっかり向き合う

慌ただしい日常の中でも、患者さんと向き合う時間は特に大切にしたいものです。患者さんのケアや処置をただのルーチンワークとして流してしまうのではなく、「この人のために何ができるか」と考えながら取り組むことで、質の高い看護が実現します。

例えば：

観察：患者さんの表情や言葉の裏に隠れた気持ちを感じ取る。

処置：確実で安全に行うことを心がける。

コミュニケーション：言葉だけでなく、態度や目線でも信頼関係を築く。

こうした丁寧な対応は、患者さんに安心感を与えるだけでなく、看護師自身の満足感にもつながります。

忙しいときほど、仕事を「瞑想」として捉える視点が役立ちます。瞑想では、自分の呼吸や身体の感覚、思考に意識を向けることで、心を落ち着かせます。同じように、仕事の一つひとつに意識を向けて丁寧に取り組むことは、心の安定をもたらします。

例えば、手洗いや消毒といった基本的な行為でも、「しっかり汚れを落とす」「安全を確保する」という目的を持って行うだけで、全体の質が変わります。

「すべてを同時にやらなければ」と焦るのではなく、「今やるべき一つの仕事」に集中しましょう。結果として、効率も良くなり、ミスも減ります。

日々を丁寧に過ごすことは、看護師としての自信につながります。雑にこなすのではなく、一つひとつをしっかりと行うことで、「私はちゃんとできている」という実感が得られるからです。

また、その姿勢は患者さんや家族、そしてスタッフにも伝わります。信頼感を育むだけでなく、職場全体の雰囲気も良くなります。

患者さんに安心感を与え、スタッフ間の信頼が高まり自分自身が看護を楽しめるようになるのです。

多忙なスケジュールの中でも、意識して丁寧さを大切にするための工夫をしてみましょう。

朝の業務開始前に深呼吸をして、落ち着いて一日をスタートする。

一つの仕事を終えたら「よし、次へ」と一呼吸おいて切り替える。

自分の行動を振り返り、明日の改善点を考える。

この心がけが日々の仕事を楽しくし、成長を後押しします。慌ただしい中にも、自分らしい看護を実現できるよう、ぜひ丁寧さを意識してみてください。