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unity1week「かえす」振り返り
こんにちは。MONDYと申します。
1週間でUnityでゲームを作るイベント、unity1weekに参加し、『最後の一本』というホラーノベルゲームを公開しました。
こちらの制作過程について振り返っていきたいと思います。
ホラーノベルゲーム『最後の一本』を公開しました。
— MONDY (@hello_mondy) August 18, 2024
ぜひ、深夜に部屋を真っ暗にしてお楽しみください。
くれぐれも怪異にはお気をつけて。
#unity1week pic.twitter.com/qplMRZr1NG
※この記事はゲームのネタバレを含みます。未プレイの方はぜひ先にプレイしてみてください!ホラー苦手な方はすみません!
今回のテーマ:省エネゲーム制作
まず、今回のイベントで心掛けていることがありました。
それは、遅刻をしない!ということでした。
前回と前々回のunity1weekにも参加したのですが、1週間強の遅刻が続いていました。
今回から評価期間が2週間→1週間と変更となり、今までと同じ遅刻をしていたらイベント期間に間に合わない・・・!と焦りを感じていました。
そこで、今回はなんとしてでも遅刻をしないために、省エネでゲーム制作を行うということを心がけました。
限られた制作期間
月曜日、unity1weekのお題「かえす」が発表されました。
しかし、自分が今回のゲーム制作に着手できたのが木曜日となってしまいました。
これは、『SO シーソー!』という別のゲーム制作を進めていたのが原因です。これはこれで面白い2Dアクションゲームに仕上がったと思うので、よかったらぜひプレイしてみてください!
※『SO シーソー!』の制作振り返りもまた後日書きたいと思います。
さて、木曜日から着手を始めたので残された時間は4日のみ。
そうなると、複雑なゲームを作っている余裕はありません。
そこで考えたのが、シナリオメインのノベルゲームでした。
unity1weekに参加した前2作が、Unityで簡単にノベルゲームが組めるフリーのライブラリ「Fungus」を使用していて、ある程度使い慣れてきていました。
そこで、「ノベルゲームであれば割とすぐ作れるぞ」と、アイデアを練っていきました。
設定を考える
どんなノベルゲームにしようか考えているうちに、ホラゲーを作ることに決めました。
ホラゲーを選定した理由は以下です。
自分がオカルト大好き(特に怪談大好き)
夏ということもあり、Youtubeでホラー系コンテンツが豊富で、見漁っていた
その中で、自分の実家の近くに有名な心霊スポットがあることを知ってテンションがあがっていた
「かえす」というワードの連想で「呪いのおふだを返す」というアイデアが生まれた
『SO シーソー!』の世界観がハッピーすぎて、反動が出た。
これらがあり、【百物語中に怪異に襲われたため呪いのおふだを返しにいくゲーム】で行こうと決めました。
※シナリオを練っていく中で、最終的には呪いのおふだを返す以外で怪異を鎮める方法を見つけるゲームとなりました。
シナリオを書く
まずは勢いのままにシナリオを書きます。
おおまかにキャラクター設定を決めていきます。
あゆみ:常識人。霊は信じていないが、初詣は必ず行くタイプ。
大地:チャラ男。ノリがいいこと大好き。
透子:オカルト一直線。霊を肉眼で見たいと思っている。見れるなら死んでも良い。
まなぶ:真面目なメガネ男。最初の被害者。
作中では登場しないような裏設定も考えておくと、イメージが湧きすく、シナリオが書きやすくなるのでおすすめです。
【裏設定】
舞台はあゆみのおばあちゃん宅。
おばあちゃんはすでに亡くなっていて空き家になっている。空き家だが、電気と水道は一応通ったままになっている。
4人は大学1年生。仲良く成り立ててそこまでお互いのことを知っている訳ではない。初めての夏休みで夏を満喫したいと大地が提案。
あゆみのおばあちゃんの家が田舎で空き家になっているということを聞き、そこで夏満喫プランを組み立てる。
昼間は家の近くの川辺で遊び、スイカ割り、花火を経て、百物語を始めた。
透子をオカルト全振りのぶっ飛んだキャラクターにすることで、多少強引に物語を進行してもらいました。透子のおかげでゲームに動きが生まれたのでありがたい限りです🙏
透子みたいなキャラクターは、友達にはなりたくないけど自分はすごく好きです!
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自分は実は結構信心深いタイプなので、罰当たりなことをすれば必ず罰が返ってくると思っています。
なので、その教訓めいたストーリーとなりました。触らぬ神に祟りなし。
然るべき場所には敬意を払いましょう。
いざ制作へ
作り込む余裕はないため、ド派手な演出は極力抑え、なおかつチープにならないような表現方法を模索しました
素材は最小限に
用意する素材はろうそくとおふだのみ。省エネで作っていきます。
※作っているうちにエンディングのイラスト欲しくなったのでいつもお世話になっているエス氏にお願いしました。いつもありがとうエス氏!
ろうそくの素材はアセットストアで購入させていただきました。
おふだのデザインもエス氏作です。
下の文字には、「ミ」「ヲ」「カ」「エ」「ス」というカタカナが含まれています。
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少ない素材でも映える画面を作る
より画面をリッチにさせるためにポストプロセスを使います。
こちらの記事を参考に、ポストプロセスをいじりながら、ろうそくだけでビジュアルが持つような設定を探しました。
ブルームとヴィネット組み合わせたらいい感じになりました!
![](https://assets.st-note.com/img/1724508183400-hFkqOExHnv.png?width=1200)
推理パートではろうそくを100本並べて、一本ずつ火を消してカウントダウンをする演出を取り入れました。
ろうそくを100本ならべてみると壮観です。
![](https://assets.st-note.com/img/1724508378959-8DnoxFJFuD.png?width=1200)
ここのカメラのアングルが変っていく演出を作った時はテンションあがりました・・・!
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テキストのフォントは源暎ちくご明朝を選びました。
上品で清涼感のある、怪談にうってつけのフォントです。
音でホラーを演出する
ホラーの雰囲気の9割は音から!
ユーフルカさんのじっとり怖いBGMを4曲も使用させていただきました。
語りパートでは事態が悪い方向に進むにつれ、BGMの不穏度が大きくなるように、3回BGMを切り替えています。
推理パートは制限時間もあるので、緊迫感のあるテンポの早めのBGMでプレイヤーを焦らせることを意識しました。
エンディングはスッキリ目に終わりたかったため、前作でも大変お世話になった、白葉くじさんの綺麗なピアノの旋律を使用させていただきました。
また、序盤のホラーBGMと共にうっすらフェードしてくる演出についてもこだわりました。
こちらの演出は、今年多くの賞を受賞している映画『関心領域』のオマージュです。
『関心領域』の、オープニングから「この映画はやばい」と本能に訴えかけてくる演出に非常に感銘を受けました。
この映画のホラー的な演出は非常に勉強になります。
本当に名作なのでぜひみんなに観ていただきたい一品です。
完成!
Fungusのバグや仕様に振り回されつつなんとか完成しました。
フローチャートはこんな感じです。
Fungusだとどのブロック同士がつながっているのかが視覚的にわかり易いので助かります。
![](https://assets.st-note.com/img/1724566491024-24xWY4Yl2N.png?width=1200)
Fungusでは、テキストを組み込むのはもちろんのこと、明転・暗転・サウンド操作・オブジェクトの位置移動・関数の読み出しなどもこのフローチャートで完結できるので大変便利です。
結果、公開できたのは締切から5時間後。
ややタイムオーバーですがunity1week自己最速記録なのでヨシ!
次は間に合わせるぞ!
また、今回からランキング結果がなくなったので、「斬新さが足りない・・・!」などの焦燥感に駆られることなく、気楽にゲーム制作できたのはよかったな〜と思いました。
公開後
感想コメント全て見ています!嬉しい感想が多くて小躍りしています。
ありがとうございます!!
ホラー苦手でプレイできない方はごめんなさい・・・🙏
誰か実況してくれると嬉しいな〜(チラッ
ありがたいことに、ロッズさんにも紹介いただけて大感謝です!!
百物語の進行中に発生した怪異を鎮める為に情報を収集して正しい儀式の方法を推理するノベルゲーム『最後の一本』。最低限のビジュアルと演出で緊迫感を出すのが上手い。実際には制限時間はかなり余裕があるのに、ろうそくの火が次々消えていくので焦る。絵や音で安直に脅かしてこない所も良いですね。 pic.twitter.com/B26OXL0X8W
— ロッズ (@rods_skyfish) August 19, 2024
個人的にびっくり系のホラーゲームが苦手なので、できるだけじっとり怖い演出を心がけたんですが、効果的だったようで嬉しいです!
まとめ
以上、『最後の一本』の振り返りでした。
もともとホラゲーを作りたいという気持ちで、去年初めてunity1weekに参加してゲーム制作を始めました。
今回がっつりホラゲーを作れたので個人的には満足しています。
もっといろんなホラー系演出を試してみたい気持ちがあるので、またガッツリホラゲーにはトライしてみたいと思います。
ホラーじゃないゲームも好きなので、その時のインスピレーションに頼って今後もゲーム制作を続けていきたいなと思っております!
ではまた次回!
おまけ 1:もう1歩踏み出してみる
今回、初めて「unity1week online共有会」に申し込んでみました!
毎回聞く専だったのですが、意を決して発表する側に立ってみようと思いました。
まだ発表テーマ決めきれてないんですが、ホラー演出の部分で意識したポイントとかを発表してみようかな〜と思っています。
こういった登壇は初めてなので緊張しますが、お手柔らかにお願いいたします・・・!
おまけ 2:調べもの忘備録
以下、全然本作の制作とは関係ない、個人的に興味深かったことを書いていきます。
制作中に、たまたま今回の題材とすごく似ている廃神社について説明している動画を見つけました。
要約すると、かつては心霊スポットとして有名だったけど、今はすごく手入れされた綺麗な神社として管理されているようです。
非常に興味深い内容でした。
どうやらこの廃神社をリフォームしている方がいるようで、この方が一連の流れをポストしてくださっていました。
この内容もとても面白かったので、気になる方はご一読を。
キッカケは塗装会社社長個人の【地元の土地にある神社が心霊スポットで有名になっているのを何とかしたい】という「強い思い」だった----。#下飯田稲荷神社 #コンコン神社#下飯田瘡守稲荷神社修復記録 #修復裏話 pic.twitter.com/1ROYe90zo5
— konkon-jinja (@k0nk0n_inari) August 17, 2024
心霊スポットと呼ばれる土地って、町民の高齢化により管理する人がいなくなったなどの地域の根深い問題と繋がっていたりします。
本作でも「呪いのおふだ」が出てきますが、これを呪いと呼んでいるのは事情を知らない外部の人間であり、本来は「謹んでおまつりをし、誠を尽くす対象としての、 尊い神さまを仰ぎまつる御璽【みしるし】」がおふだ(神札)の役割です。(引用元)
心霊スポットだ〜呪物だ〜と囃し立てるのでなく、それなりの敬意を持って向き合うことが必要だと思います。
(といったことを近年の呪物ブームを見ながら感じたりしています)
この問題と真っ向から向き合い、なんとかしたいと行動に移したコンコン神社の取り組みにはとても感動しました!!
また、飢餓の歴史についても調べて、こんなページに辿り着きました。
かなりショッキングな内容を含むため、閲覧注意です。
こんな歴史があったんだな、、と非常に勉強になりました・・・。
犬は人を食い、人はその犬を食う、とか、やばい・・・。
米は一粒一粒大切に食べよう・・・!!
エンディングイラストは、あゆみ達がこれきっかけで廃神社や町の歴史に思いを馳せて、大事にしてくれるといいなという思いで書いてもらいました。
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