その藍色の形に感嘆するヒトトキ。
しばらく雨の予報と出ていたものの、早朝や深夜に降ったのか、朝の通りは濡れて黒々としていた。
雲に覆われてはいるにしても、刻々と変わり、時には淡いライトブルーの空も見せてくれる。
ここ2日間で、今さらながらに感激したのは、天候というか、空模様によっては、ここからセストリ・レヴァンテ、いや、もしかすると、あれはポルトヴェーネレなのだろうか?と思われる半島が、ポルトフィーノ半島の裏手に細長く伸びているのが見えること。
雨では靄がかかるが、晴れ過ぎても辺りが白くなって見えない。
時には、全体的に白く、空と海の境が分からないことも。
藍色にくっきりとそのふたつの形が浮かび上がっている姿は、とても美しく、それだけでも眼福と感じられた。
周囲でも実際に目にしたという人はいないのだが、もう少し高いところに登ると、なんとコルシカ島も見えるとは、よく耳にする。
そこで、山に登った時には見えるかどうかと気にはするものの、まだそれを見てはいない。
わたしが登ったのは、せいぜい標高千メートルぐらいまでで、その時は、途中、風と小雨に見舞われたので、コルシカが見えるかどうかを確かめるような状況ではなかった。
付き合いのあるイタリア人家族に、コルシカのキャンプ場にキャンピングカーを常駐している人たちがいる。彼らは毎夏、1ヶ月前後はそこでヴァカンスを過ごしていた。
一緒にどうかと誘っていただいたこともあるのだが、行ってはいない。行ってみたら、色々、発見がありそうで、楽しいかとも思うけれど。
ボッカダッセだったか、ポルト・アンティーコだったかで、ガイドさんとご一緒していた際に、「天候によっては、ニースが見えるのよ!」と言われて、本当かなぁ……と、どうも半信半疑だったのだが、実際に見えたら、それはやはり感激するだろう。
ニースは1度だけ車で行ったことがある。
その距離200キロ弱。
早ければ、3時間弱で着くとのこと。
もっとも、ニースに着く前にエズ村に寄って見学したため、街歩きもしないまま、海水浴だけで終わってしまったのが残念なのだが、道中、高台から市内を見下ろすパノラマが、それはそれは息を呑む光景だったのが、美しい記憶として残っている。