「日本でイタリア人に話しかけること」と「イタリア(外国)で日本人に話かけること」どちらが簡単?
基本的に相手は知らない人で、道などで偶然出会った人の場合を想定した、個人的な考えです。
十中八九、わたしにとっては、日本で(もしくは、外国でも)偶然に出会ったイタリア人の方が話かけやすいです。それは、言語の問題ではなくて、相手の方の反応によるものです。
日本の方は、一般的に(わたしも含まれますが)警戒心が強いので、全く知らない人から話かけられると、驚いて、そそくさと逃げ出すように立ち去ってしまうケースが、どちらかと言えば多いかな、と。
日本でイタリア語を勉強していた頃、クラス以外でイタリア語を使えるような機会はないか?と、常にそのチャンスを探していたように思います。
その頃のわたしは、国際交流をテーマとして、外国人も集まるような場所やイベントにもよく参加していました。イタリア語以外に、英語やフランス語も片手間に勉強していましたが、とにかく、特にイタリア語を使う機会が欲しかったので(まだそれほど使いこなせてはいませんでしたが)、出会う外国人の方がヨーロッパ系だと、「イタリア語は話しますか?」と尋ねていました。時々、「スペイン語なら話せるよ/勉強したよ」という人はいましたが、イタリア語を使える人はなかなかいないもので……
ある時、東京・新宿の高層ビル1階のドトールコーヒーにて、英検の勉強をしていた時のこと。近くのテーブルの日本人女性と外国人女性のふたり連れがイタリア語を話しているのが耳に入ってきました!そんなことは、滅多にないのでわたしはワクワクしましたが、こういった場面で、ふたりの会話に割って入るという度胸はわたしには乏しくて、気になるものの、気もそぞろで英検の勉強を続けていました。
その後、化粧室に立った際に、後から、そのふたり連れの女性のうち、外国人女性の方がやって来ました。わたしは、この機会を逃してはならない!とばかりに覚悟を決めて、イタリア語で声をかけてみました。
「すみません、イタリアの方ですか?」
「はい、そうです。イタリア語を話すのですか?」
「はい、少し。イタリア語を勉強しています」
「イタリアに来たことがありますか?」
「いいえ、まだありません」
「イタリアに来たいですか?」
「はい、行きたいです」
「リミニを知っていますか?」
「いいえ」
「わたしはリミニに住んでいます。海の町で綺麗なところです!わたしはリミニにたくさんの日本の人に来て欲しいと思っているので、日本人用のプロモーションをプログラムしています!もし住所を教えてくれたら、あなたにもそのパンフレットを送りたいです!」
途中から、もしかして彼女は日本語で話したかもしれないですが、そのように話していました。
その頃のわたしはリミニを知りませんでしたが、リミニはボローニャが州都のエミリア・ロマーニャ州の海辺の町で、若者や外国人ヴァカンス客もたくさん訪れるヨーロッパではメジャーなリゾート地です。ジェノヴァの位置する北西イタリアとは反対側の北東イタリアよりやや南に位置し、アドリア海に面しています。ジェノヴァが州都のリグーリア州の海岸は、岩場か砂利浜が多く、わりとすぐに海が深くなりますが、リミニの方は遠浅の海岸が長く続き、砂浜とのことです。ビーチヴァカンス用のプログラム(ダンスやフィットネスなど)も豊富なようです。
そのようにはじめて会った人に住所を教えていいものか……微妙なところですが、紙に記して渡しました。
「イタリア語レッスンをしたいですか?」
彼女は続けて尋ねましたが、イタリア語講座に通っているので、それはとりあえず大丈夫ですと応えました。
お友だちになりましょうというよりは、わたしは彼女のお仕事の対象候補になっていましたよね……
後に、郵送でパソコンで手作りされたリミニを案内するチラシと彼女の紹介文が送られてきました。それ以降、コンタクトを取ることはありませんでしたが、わたしが勇気を出して話しかけた結果ということで、エピソードとしては記憶に残っています。
ばったり東京でイタリア人に合うことはほとんどありませんでしたが、ある時、帰宅時の電車でイタリア語のテキストを広げている日本人女性を発見しました!年の頃も近そうだったので、まるで、イタリア語のクラスメートかのように、思わず話しかけてしまいました。「わたしもイタリア語を勉強しているんです!」と。最寄り駅までの数分話しましたが、なんと同じ駅で下車されました。嬉しくなって彼女に電話番号まで尋ねたのですが、日本人の場合、相手の立場になったら、ちょっと(けっこう)怖いかもしれませんよね?これが、反対だったら、わたしは電話番号を教えたかどうか???
追って電話をしてみましたが、いつも留守番電話で、メッセージを残したものの、連絡が取れることはありませんでした。