読書体験を、誰かに伝える文章にすることの難しさと尊さと
もう季節はすっかり冬・・この投稿は12月下旬の小さい子を持つ親特有の秘密業務(家事)を終えて、ちょっとのんびりした(眠気が覚めてしまった)状態で書き始めています。
1ヶ月前まで、「読書の秋2022」と題してnoteの中ではコンテストが行われていました。僕は毎年、課題図書を読んでは感想を書き、普段の読書記録もその時期ならではの気持ちを入れた投稿をしたためています。
今年は課題図書の中で、ずっと読みたかった作品と出会い、読むことにしました。それは「クライマーズ・ハイ」という作品。
航空機事故としては世界でも類を見ない規模の大惨事となった日航ジャンボ機墜落事故の報道の世界を舞台に、一人の男の苦悩を描いた作品でした。
僕は、この作品の感想文としてとある歌手のことを絡めて書けたらと思いながら、作品を読み進めました。しかし、歌手のことなど微塵も書かれていませんでした。
そして、物語には様々な要素がぎゅっぎゅっと音が聞こえてきそうなほどに詰まっていたのです。
なんとかかんとか書いてみた投稿がこちら。今読んでも、とっ散らかっている印象は変わりません。
課題図書であったため、複数の方が感想文を書かれていました。僕のフォロワーさんの中にも、数名がこの作品を読んだ感想を書かれていました。それらを読んでみても、僕と同様に、内容が詰まった濃厚な物語のどこを切り取るのか苦心されていました。
ただ、一人だけ物語の内容ではなく、なぜこの物語を今読むのか、なぜ課題図書として読ませたかったのか、そんな視点で感想文を展開されている方がいらっしゃいました。
先日、そのコンテストの結果発表がありました。
常に思っていることですが、結果発表の記事を見かけた時点で、自分はもう受賞者ではないことが確定します。受賞すると、事前に連絡が来るのが一般的だからです。
「クライマーズ・ハイ」の受賞者は、あの投稿をされた方でした。新聞というメディアが衰退しつつあることが明白であるにもかかわらず、なぜ新聞社を舞台にした物語が課題図書として選ばれたのか・・・それはとても斬新な視点でした。僕は、この投稿を初めて読んだ時に「やられた!」とさえ思いました。
自分自身にそんな視点がなかったこともありますが、世紀の大事故を野次馬的に見てやろうと言う、ある意味では卑しい視点であったことに、恥ずかしさを感じたのでした。
せっかく書くのだから、ちゃんと物語に敬意を表せる表現や考え方、そして捉え方の選択肢を増やしてみることは、検討すべきだったなぁと反省しました。
そんなわけで、読書感想文って難しいなぁと改めて思ったのでした。
fullhouseさん、おめでとうございます。
物語を知らない方が読んだとしても、とてもわかりやすく、そして熱量のある投稿をされているので、ぜひfullhouseさんの投稿を読んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!