僕がママじゃなくなった話
育児休業期間中は、何かと出かけたくなるものです。それは、仕事から離れて、地域のあちこちに行きたいという欲求と、日頃できないことをしたいという思いからです。
それを、赤ちゃんとの散歩や、赤ちゃんに外の刺激を少しずつ与えていく、などというもったいつけた理由で、体調や天候を伺いながら外出しています。
赤ちゃんとの外出とはいえ、日常の家事をすることも忘れてはいません。
先日のことですが、平日の午前中、お昼前のスーパーに散歩と称して買い物に行きました(アイスがその日だけ20%オフだった)。
ベビーカーを押して店内をぶらつき、食材を探します。我が家の冷蔵庫は、昨年新調して大きくなりましたが、日頃からあまり食材が入っていません。人によっては「空っぽ」と言われるくらい食品が少なくて「家にある材料で適当に作る」というのができないのです。
だから、育休期間はその「適当に作る」チャンスでもあるのです。
鮮魚コーナーを物色していると、298円の表示が目につきました。最近は、魚も値段が高く、高いのに子どもたちは食べないという二重の悩みがあるので、なんでも買うわけではありません。
しかし、その値札に書いてあった魚の名前は「メバチマグロ」でした。マグロ・・・なぜこの値段・・。
午前中のスーパーには、当日の刺身類を切り出した材料としての魚があるのです。その切った残りの部分が、不揃いなサクとして売られているのです。パックを開けてみると、半ば巧妙に骨がついた部分を入れ込んでいる時もありますが、概ね美味しく食べられる身がたっぷり。
それを一口大に切って、煮るのです。
酒と味醂と醤油を適当に合わせ、チューブの生姜を絞り、グツグツと煮込むだけ。結構な量ができるため、少しずつ食べたり、小腹が空いた時につまんだりして、数日間は楽しめます。
なくなった頃に、またスーパーに散歩に出掛けて鮮魚コーナーで見つけては、嬉々として煮込む・・。
もう何度か繰り返している、マグロルーティーン。
何度か繰り返していると、少しずつ美味しくできるようになります。今回が一番美味しいかも・・と思っていたら、妻のお母さんにも食べてもらえるタイミングがありました。
妻のお母さんは、僕と妻が結婚した当初「婿さんの料理を食べるなんて・・」と、娘の結婚相手が料理をすることに、驚いていたくらいでした。(いや、ぜんぜん普通のことなんですけどね笑)
海の近くの街で育っているので、魚には色々とこだわりがあったり、美味しい魚料理への基準は相当高いはず・・。気軽に食べてもらったけれど、果たしてどうだろうか。
「あ、美味しいねぇ。なんだか・・母の味を思い出しちゃう。って、(僕の名前)さんに言ってもしょうがないか(笑)」
・・なんと。
・・妻のお母さんのお母さん・・。
日頃から、子どもたちには「ママ!・・あ、間違えた、パパ」と呼ばれたりしていましたが、ついに「ひいばあば」に飛び級してしまったようです。(子どもたちにとっては、妻のお母さんは”ばあば”なので)
料理が美味しかったのは何よりですが、もはや主婦的な経験値もおばあちゃんレベルということでしょうか(違)
そのときの状況を知らない妻に、この話をしたら、漫画みたいにご飯粒を吹き出して笑っていました。
そんなことあるんだな・・と、何度も思う、楽しい育休期間を過ごしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!