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わたしの、あの日。

今日で、東日本大震災の発生から8年。あの日、私はどう生きていたのか、思い出したいとおもいます。

職場であるビルの5階は、揺れました。背後にある書庫の扉は、中にあったファイルの背があたり、開いたものも。揺れが収まり、次々に各地の震度が判明すると、驚きと恐怖と安堵が混ざって押し寄せてきたのです。怖い、死にたくない。

当時は、転職した最初の年度。発災当日は、夜遅くまで情報収集をして、動いていない電車は諦め、バスの長い列を待って、終点から歩いて帰宅したのです。寒くて、暗い、明日からどうなるのか不安な夜でした。

週が明けて、様々な支援が業務として始まりました。募金の受付、物資の受け入れ、被災地支援、基金の立ち上げ、避難者への住宅提供支援などなど。これが、「公」の存在意義だ!と何度も何度も見せつけられるような、強い衝撃の残る時間を過ごしました。

ひとつ、心に刻まれた募金者を紹介します。

連日、多くの方が募金したいと訪れて頂いていましたが、ある日の午後、親子がやってきました。5歳くらいの男の子と、お母さん。男の子の手は、しっかりと握られていて、中には小銭が数枚ありました。

「ぼきん、してください。」小さな声で、緊張しながら手渡してくれた小銭は、とても温かくなっていました。お母さんが、お小遣いだったんですけど、募金したいって言うので、と教えてくれました。
金額の多寡ではなく、本当に温かい気持ちに触れて、思わず目頭が熱くなりました。感謝の気持ちとして、領収証を書きたいと申し出ましたが、お母さんに断られました。

いろいろと思い出すことも、書きたいこともありますが、この日付で残すことが大事だと思っているので、読んでいただいたみなさんが、あの日のことを思い出してもらえたら、そして明日からも元気に生きていこうと思えてくれたら幸いです。

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もつにこみ
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