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季節は終わったが、コンビニすぎる
クリスマス前に書くべきことだったと思っているけれど、書かないのもやっぱり気になる。
秋はいつの間にか冬に変わって、あぁモン(モンブラン)の季節も終わって、どんどん寒くなっていくのか…などと寂しがっていたら、あのコンビニがやってくれた。
いや、モンそのものはコンビニスイーツの定番のように市民権を得て、安定的に供給されているイメージがある。どのコンビニにも年中置かれているような気がするのは、僕だけではないだろう。
しかし、秋が終わってチョコや生クリームなどの濃厚な甘味が好まれる冬という季節に、モンを4種類も棚に並べているお店があったのだ。
「あなたと、コンビに。」
このワードだけで、CMで耳にする独特のメロディーや、特徴的なドアの開閉音が聞こえてきた人もいるかも知れない。そう、ファミリーマートである。
ファミマは、一点集中のイメージがある。素材推しだ。今年の秋はさつまいもを推していたが、昨年は栗だった。定番のフローズンドリンクであるフラッペにまで、栗をフィーチャーさせているものがあった。
12月の中旬、必ずパトロールしてしまうスイーツ棚を見て、ひとり騒然とした。
昨年もあった植物性原料によるモンに加え、ぐるぐるとホイップ系のマロンクリームを絞ったモン、カボチャのモンプリン、そしてモン大福があった。何度もいうが、秋は終わっていた。
いつの間に、こんなに増えたのだろう。
これは試さなくてはと手に取ったのは、カボチャのモンプリンだった。この時の判断が、のちのち後悔を引き起こしてしまうのだけれど、まずは準備運動。
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写真を見返して分かったのだが、モンの語源は雪をかぶった山々と言われている。発祥とされているアンジェリーナのモンにはたっぷりと粉糖がかけられている。
ケーキならそれを再現して然るべきだが、プリンのような“関連商品”でしっかり再現しているのを初めて見た。プリンの雄、モロゾフでさえも粉糖の存在感はほとんど感じられなかった。
カボチャのこっくりした甘さと、わずかに感じる青っぽさに、あぁ冬至が近づいているなぁなどと思いを馳せた。クリームのとろけ具合と、わずかに弾力のあるプリン、カボチャが材料である安心感と相俟って、幸せを感じた。モンと名乗る商品は試さずにはいられないのだ。
そして翌る日、店に行くと、植物性のモンが棚から消えていた。朝っぱらから売り切れるはずもないのは分かっていたが、売り切れたのかな?などと希望的観測を抱いて翌日も探したが、やはりなかった。
買っておけばよかった。と思ったけれど、昨年も食べていたこともあり、おおよその味はわかる。当時も、何となく物足りないモンだった印象があった。それだけに、比べられなかった!と気がついてしまい、結局後悔している。
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気を取り直して、モン大福である。NewDaysのモン大福のことを思い出し、期待が膨らむ。モンを再現する焼き菓子の風味はないが、お餅の食感と味は、新しいモンの世界を見せてくれる。
ひとくちで、渋皮栗の圧倒的な存在感に驚いた。大きい。そして甘さが抑えてあって、食べやすい(甘いことは甘い)。餅も口溶けが良く、クリームは軽かった。
技術的に難しいだろうけれど、餅を“萩の月”のようなカスタードケーキ生地にできたら最強であろうと夢想する。
いよいよファミマのモンである。ドーム型でホイップ系なのはこれまで通り。商品名には「栗を味わう」とあった。期待が昂まる。
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台が見えない。一体何で支えられているのだろう。スプーンで縦に割いてみて、あっ!と思った。台が、クランチのような形状だった。ただ、クランチと呼ぶにはかなり大きい。(クランブル、と呼ぶそう)
スタバのモンのクランチを思い出して、それを5mmくらいに拡大したイメージだ。食感はザクザクとワイルドで、クリームから出た水分にも負けていないが、かなり口内で障る。(個人の感想)
ドームの中にはホイップと、ダイスカットされた栗も混ざっていたのだが、台の迫力がありすぎて、栗の食感がだいぶ薄くなっていた。
ダイスカットした栗を入れるなら、クランチはやめるか、もっと小さくすべきだし、食感よりも存在感を高めるために、中に隠すのではなく、外にトッピングしても良かったのではないかと、ひとり悔しがっていた。
ホイップの甘さが控えられていて、バランスはよかった。美味しいのに勿体無い、そんな感じであった。
コンビニ、の正式名称はコンビニエンスストアである。中国語では、便利店と表記するのだけれど、モンにとって、いやモンを食べたい人にとって、便利過ぎる。これは、批判ではなく、賞賛である。
人生のさまざまな場面でコンビニが身近にあって、その時々で推しのお店が変わるのだが、今は自宅のそばにも職場の近くにもあるファミマがその地位にいる。
揚げ物やコーヒーはほとんど買わないが、スイーツやパンを買いがちだ。この時期は食べにくいが、アイスケースもよく眺めてしまう。要は甘いものが好きなのだ。
どこも同じようで、実は違う、そんな発見をするたびに、モンの奥深さに嘆息する思いだ。(コンビニじゃないんかーい!)
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